こんにちは!ねこ太🐈です。
今回は、『腎不全』についてバッチリ克服していきますよ~!
『腎不全』って、いろいろな所で聞きますよね~♪
この前、薬の副作用を調べてたら出てきたし‥、アシドーシスの原因でも出てきたし‥
そうですね!
腎臓は肝臓ほどではないですが、尿を作る以外にも‥「いろいろな機能」があります。
腎不全によっても多様な症状が出てきますから、『理解して覚える』を実践して『使える・忘れにくい知識』にしていきましょう!
それでは、看護師国家試験の合格🌸に向けてねこ太🐈と一緒に楽しく勉強していこうヽ(*^^*)ノ
自分でノートにまとめるより、参考書に書き込んで勉強していくタイプの人にはレビューブックがすごくオススメです!
ちなみに‥わたしもそういうタイプです♪
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腎不全に関する看護師国家試験問題を解いてみよう!
良かったら、力試しと思って‥ぜひ看護師国家試験問題を解いてみてくださいね!
後半の『看護師国家試験問題のねこ太解説』で解き方を解説していきます。
看護師国家試験問題(第105回 午前83問)
慢性腎不全によって起こるのはどれか。2つ選べ。
1.低血圧
2.低リン血症
3.低カリウム血症
4.低カルシウム血症
5.代謝性アシドーシス
看護師国家試験問題(第101回 午後82問)
慢性腎不全で正しいのはどれか。
1.高蛋白食が必要である。
2.高カルシウム血症となる。
3.最も多い原因は腎硬化症である。
4.糸球体濾過値<GFR>は正常である。
5.代謝性アシドーシスを起こしやすい。
では‥この看護師国家試験問題を解くために‥もとい!‥さらに理解を深めるために、これから一緒に楽しく『広げ学習』をしていきましょうヾ(≧∇≦*)/
『広げ学習』とは、気になったことなどを調べながら、広~く・深~く知識を身につけてい学習のことです。(by ねこ太)
↑↑
全部が予想問題だから、初めて出会う問題ばかり!
自分の力試しとか、復習するのにとってもいいかも♪
腎不全とは
【腎不全とは】
腎臓の機能が維持できない所まで低下した状態。
腎臓の機能がだいたい30%まで低下すると、正常に機能できずに症状が現れるようになります。
一般的には‥腎臓病が進行して、腎臓の機能が低下すると腎不全といわれる状態になります。
『急性腎不全』と『慢性腎不全』
腎不全には、腎不全になるまでの経過によって、『急性腎不全』と『慢性腎不全』に分けられます。
【経過による分類】
急性腎不全⇒急激に腎臓の機能が低下して起こる腎不全
慢性腎不全⇒長い年月(数か月~数十年)をかけて腎臓の機能が少しずつ低下して起こる腎不全
急性腎不全では、回復する可能性がありますが‥
慢性腎不全では、失われた腎臓の機能が回復する見込みはほとんどありません。
急激に腎機能が低下した場合は、何かしらの原因があるだろうから‥
それがなくなれば‥確かに腎臓も回復しそうですね。
『慢性腎臓病』と『慢性腎不全』の違い
また『慢性腎不全』と似た言葉として『慢性腎臓病(CKD)』というものがあります。
【慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease)】
慢性に経過するすべての腎臓病を指し、腎臓の機能が低下した状態が3か月以上続いている場合に診断される。
慢性腎不全と似ているような‥!?
そうですね!
腎不全になる前に‥腎機能障害をより早期に発見するために、2002年に米国腎臓財団が「慢性腎臓病(CKD)」という概念を提唱しました。
なので‥以下のような図でイメージでわたしは覚えています♪
ここ以降では、『(慢性)腎不全』と『慢性腎臓病(CKD)』が両方ともでてきますが、同じような意味として使っていますので、そのようにご理解くださいね!
腎不全の原因(腎前性・腎性・腎後性)
腎不全の原因は、そのタイプから『腎前性』『腎性』『腎後性』の3つに分類されます。
腎前性腎不全⇒腎臓自体には異常がなく、腎臓への循環障害によって腎血流量が減少したことによって起こる腎不全
腎性腎不全⇒腎臓の炎症など腎臓自体の異常によって起こる腎不全
腎後性腎不全⇒尿路の異常によって尿が排泄できないことで起こる腎不全
あれっ、『尿路』ってどこを指すんだっけ?尿道とは違うの?
『尿路』とは、一般的には尿管・膀胱・尿道を総称したもので‥腎臓も含める場合もあります。
腎不全の具体的な原因については‥以下のようになります。
ちなみに‥慢性腎不全の原因として、もっとも多いのは糖尿病による腎臓病と言われています。
腎不全の症状
腎不全の症状って、尿量が減ること、尿毒症‥それ以外に何があったかな‥?
腎不全とは『腎臓の機能の低下』でしたよね!
なので‥腎臓の機能と関連させて覚えるといいかもしれまんね♪
そうですね。
それが『理解して覚える』ってことですね!
『腎臓の機能』については、別の記事に詳しく載せていますので、「もっと深く勉強したいな~!」という方はぜひご覧ください♪
『腎臓の機能』には、以下のようなものがありますので、1つ1つみていきましょう!
老廃物の排泄ができないと‥
【老廃物の排泄ができないと‥】
尿毒素が身体に蓄積して尿毒症になる
尿毒素って、何だろう?
尿毒素とは蛋白質が代謝されて生じるアンモニアや尿酸といった窒素代謝産物などを指します。
これが蓄積することで、身体には様々な症状が現れます。
実は‥尿毒症性物質の正体はわかっていません。
ただBUN、Crとほぼ平行して増えると考えられ、血液中のBUN、Crの値から推定します。
【尿毒症の症状】
全身症状⇒倦怠感
消化器症状⇒口臭(尿臭)、食欲不振、吐き気、
精神・神経症状⇒意識障害、記憶力・思考力の低下、不眠
血液症状⇒貧血症状(息切れ・動悸)、出血傾向(皮下出血、眼底出血)、高尿酸血症
皮膚症状⇒掻痒感、皮膚が黒っぽくなる
呼吸器症状⇒呼吸困難(肺水腫、胸水)
循環器症状⇒心不全、高血圧
倦怠感とか‥意識障害は何となく分かる気もするけど‥出血傾向とかも尿毒素によって起こるのでしょうか?
出血傾向の原因として、尿毒素による血小板の凝集機能障害が考えられています。
また貧血については、この後説明するエリスロポエチンも関連しますが、尿毒素による溶血によって起こります。
他に‥まだ十分に解明されていませんが、『尿毒症性心筋症』といった病気もあり、尿毒素が心筋に影響して心不全を起こすと考えられています。
また『尿毒症性肺』では尿毒素によって肺血管の透過性が亢進して肺水腫を起こします。
なるほど~。
尿毒素は血液にのって、全身の様々な臓器に影響を与えているんですね!
水・電解質の調節ができないと‥
【水・電解質の調節ができないと‥】
・尿が作られず、身体に水分が貯まり、悪化すると心不全になる。
・電解質の調整ができなくなり、電解質の過不足を生じる。
腎機能が低下してくると、腎臓での再吸収ができなり、尿量が増えます。
さらに腎機能が悪化すると、腎臓でのろ過もできなくなり、今度は尿量が減ってきます。
そして尿が出なくなると、体内の水分量が増え、浮腫や胸水・腹水といった心不全の症状が現れるようになります。
また電解質については、腎機能が低下することで、電解質濃度を一定に保てなくなります。
例えば‥カリウムは腎臓から排泄されています。
腎不全では、カリウムが排泄されないことで高カリウム血症を起こし、不整脈を起こすことがあります。
また‥ナトリウムについては、腎臓でろ過された後、再吸収されますが‥再吸収されないと低ナトリウム血症になります。
他方でろ過自体ができない(尿自体が作られない)と‥今度はナトリウムが蓄積し、高ナトリウム血症を引き起こします。
なるほど~腎不全といっても、病状によって水や電解質への影響も変わってくるんですね。
その通りです。
ここで、ちょっと急性腎不全における症状の変化についても紹介しますね!
一般的な経過としては‥「発症期」から一気に病状は悪化して、『ろ過』『再吸収』もできない「乏尿期」になります。
その後、病状が回復してくる過程として、『ろ過』はできるようになったけど、『再吸収』がまだ十分にできない『利尿期』へと移行します。
そして徐々に回復していくという流れです。
酸塩基の調節ができないと‥
【酸塩基の調節ができないと‥】
アシドーシスになる
身体の中では、たえず『酸』が生成されているんでしたね!
腎臓はその『酸』‥『H+』を排泄してバランスをとっていたから‥腎不全は『アシドーシス』になるですね。
その通りです!
これは超重要ですので‥覚えておきましょう♪
酸塩基については‥以下の記事に詳しく載せていますので、参考にしてくださいね♪
薬・ホルモンの不活化・排泄ができないと‥
【薬・ホルモンの不活化・排泄ができないと‥】
・薬の副作用が出やすくなる
・ホルモンの作用が過剰に現れる
薬の多く‥特に水溶性の薬は腎臓で代謝・排泄されます。
腎機能の低下によって薬が代謝・排泄されないことで、血中濃度が上昇して中毒症状(副作用)を起こしやすくなります。
実習で腎機能が低下している高齢患者さんを受け持った際に、医師が患者さんに薬の副作用について頻繁に確認していたのは‥そういうことだったんですね♪
また例えば‥通常、インスリンは最終的に腎臓の糸球体で分解され、尿中に排泄されます。
しかし、腎機能が低下すると、インスリンは分解されず、身体に残ってしまい、低血糖を起こしたりすることがあります。
なるほど~一見関係ないようにみえても、意外と関連しているんですね。
ほんとですね。
だからこそ、丸暗記で覚えるよりも‥理解して覚えることがより重要になってきますね。
忘れても‥めげずに覚える!これを繰り返していきましょう♪
そうですね~がんばります♪
血圧の調節ができないと‥
【血圧の調節ができないと‥】
・血圧が上昇する
腎機能が低下すると、余分な水や電解質を排泄できないために、循環血液量が増えて血圧が上昇します。
他方で‥尿量が減ると、腎臓はレニンを分泌してRAA系が働かせて対応しようとします。
その結果、循環血液量が増えて血圧が上昇していきます。
水や電解質を排泄できないことも、レニンを分泌してしまうことも‥どちらも循環血液量を増やして血圧を上げてしまうのですね!
その通りです!
RAA系では最終的にアルドステロンが分泌されますが、途中で作られるアンジオテンシンⅡは、血管を収縮させる作用があるため、同じく血圧を上げる方向に働きます。
造血作用が働かないと‥
【造血作用が働かないと‥】
・貧血になる
腎機能が低下することで、エリスロポエチンの分泌が低下して貧血がおこるようになります。
他に、尿毒素が蓄積することで‥赤血球が溶血したり、出血傾向となったり、食欲低下による鉄分の摂取不足などから貧血が助長されます。
いろんな原因で貧血が起こるんですね‥。
いっきに全部は覚えられないかもしれないけど、まずはエリスロポエチンが減ることで貧血が起こることはしっかり覚えますよ~!
腸管からのカルシウムの吸収ができないと‥
【腸管からのカルシウムの吸収ができないと‥】
・低カルシウム血症になる
・骨粗しょう症になる
腎臓でビタミンDが活性化されないことで、血液中のカルシウムが不足します。
また骨形成もされないため骨がもろくなり骨折もしやすくなります。
腎不全の検査・診断
腎不全が疑われるときは、腎不全の程度や原因を調べるために、以下のような検査が行われます。
血液検査
血液検査では、Cre(血清クレアチニン)、BUN(尿素窒素)、eGFR(推算糸球体濾過量)など腎臓の機能を示す検査項目、またカリウムやナトリウム、リンなどの電解質の値を調べます。
eGFR(estimated glemerular filtration rate)とは、腎臓の糸球体で時間当たりにどれくらいの血液量をろ過しているかを表したものです。
単位は%で表示され、100%を最高として、60%を切るとさらに細かな検査が必要となります。
eGFRによって、大まかですがCKD(慢性腎臓病)の病期(ステージ)分類もできます。
もう少し正確には、タンパク尿の程度などと組み合わせて評価しますが、以下のようなイメージをもっておくと良いです。
慢性腎不全による貧血が疑われる際は、血中のエリスロポエチン値の測定が行われたりもします。
尿検査
尿検査では、タンパク尿や尿糖の有無について調べます。
これによって、腎不全の原因や悪化速度を推測することができます。
【尿検査の項目】
タンパク尿⇒尿タンパクが多いほど、将来‥腎不全になりやすい。
微量アルブミン尿⇒糖尿病性腎症の早期診断に有用
尿糖⇒尿糖が高い状態が続くと、将来‥CKDになりやすい。
尿糖が高い状態が続くということは、血糖値が高いと言い換えることができます。
血糖値が高いと‥糖尿病の3大合併症の1つである糖尿病性腎症となってCKD(慢性腎臓病)に移行しやすい訳です。
血尿(潜血反応)⇒尿路異常でもみられるが、CKDの早期発見にも有効。
尿路からの出血は鮮血ですが、腎臓の糸球体の異常で赤血球が染み出されるような場合は、コーラのような血尿がみられます。
そっかぁ~。糖尿病では腎臓病のことも確かに勉強したけど‥慢性腎臓病のことから逆に糖尿病のことまで関連させていくと‥頭の中でつながった感じがして忘れにくいかも!
画像検査
画像検査としては、腹部超音波検査やCT検査が行われることがあります。
これによって、腎臓の大きさや形、尿管や膀胱の異常などが分かります。
腎生検
腎生検とは、腎臓の組織の一部をとって顕微鏡で詳しく調べる検査で、糸球体腎炎など腎臓自体の病気が疑われる際に行われます。
血尿やタンパク尿が続いているときなどは、何らかの腎臓病が疑われるので、確定診断をつけるために腎生検が行われることが多いです。
腎不全の治療
慢性腎臓病(CKD)において、腎不全への進行を抑え、脳・心血管疾患などの合併症を予防することが重要です。
CKDでは‥高血圧が悪化することで、動脈硬化を起こし、脳・心血管疾患の発症リスクが高まります。
先程お見せした表に治療法も合わせてみました。
ステージⅠ・Ⅱ
ステージⅠは「腎臓に障害はあるが、働きは正常」、ステージⅡは「軽度の機能低下がある」段階です。
まだ回復の見込があるこの段階から、治療(危険因子を減らす健康管理)を始めていくことが大切です。
危険因子とはCKDの悪化につながるような糖尿病、脂質代謝異常、高血圧、喫煙などのことです。
食事療法としては、特にエネルギー制限と塩分制限が重要になってきます。
【エネルギー制限食のカロリー計算】
1日の摂取エネルギーの目安⇒標準体重×30~35kcal
肥満がある場合⇒標準体重×25kcal
詳しい計算の仕方については以下の記事に載せていますので、良かったらご覧くださいね♪
【塩分制限食】
塩分は1日3~6g
私は料理が大好きなんですけど、料理の本に「塩は小さじ1杯がだいたい1g」で、「味噌だとだいたい2g」って書かれていました♪
そうなんですね!
カン子さん、良かったら今度ご馳走してくださいね♪
コ~ラ~ねこ太せんぱい!
ごめんさない‥。
生活の中では、ラーメンなどは汁を残したり、みそ汁なども具を多くするなど工夫するといいかもしれません‥。
タンパク尿が見られている場合はタンパク制限も必要です。
目安としては1日に標準体重1kgあたり0.6~0.8gになるようにします。
ちなみに‥一般の人だと1日に標準体重1kgあたり0.8g(軽めの運動をする人は1.0~1.2g)です。
ステージⅢ
ステージⅢは、「腎機能が健康な時と比べて、半分くらい低下している」段階です。
この頃から今までの生活改善や食事療法に加えて、薬物療法といった本格的な治療が必要となります。
食事療法では、塩分制限やタンパク制限に加えて、カリウム(K)制限も必要になってきます。
カリウムは生野菜、果物、芋類、豆類などに多く含まれているため、摂りすぎには注意が必要です。
野菜とかなら、茹でるとカリウムが出ていくため、調理の工夫も良いと思います!
【CKDで行われる薬物療法】
腎機能を保つための治療薬⇒レニンアンジオテンシン阻害薬
危険因子に対する治療薬⇒糖尿病、脂質代謝異常、高血圧などに対する治療薬
腎臓の働きを助ける薬
⇒経口吸着薬‥尿毒症の原因となる有害物質を吸着して排泄させる
⇒利尿剤‥身体から水分の排泄を促す
⇒カリウム吸着薬、リン吸着薬‥カリウムやリンの排泄を促す
⇒重炭酸ナトリウム‥体内のpHを上げる(アシドーシスを補正する)
⇒活性型ビタミンD3‥活性型ビタミンD3を補う
腎不全の症状で学んできた内容と同じですね!
これなら‥症状と治療と関連させて一緒に覚えた方がいいですね♪
ステージⅣ
ステージⅣは、「腎機能が30%以下にまで低下している」段階です。
機能を回復させることも困難で、浮腫や尿量減少を始めとして、高血圧、貧血など様々な症状が現れてくる段階です。
ここでも、末期腎不全の徴候に注意しながら、そうならないように生活改善・食糧法・薬物療法の3つの治療を続けていきます。
ステージⅤ
ステージⅤは、「腎臓の機能が極度に低下している」段階です。
腎臓がほとんど機能していないため、腎臓の働きを代わりに行わなければいけません。
そのために行われる治療が、透析療法と腎移植です。
腎不全の看護・日常生活における注意点
腎不全では、病状の悪化に注意する必要があります。
そのためには、医療者のみならず本人や家族による観察と予防行動が大切です。
なので、病期にもよりますが、基本的には以下のような「看護」「日常生活における注意点」を理解しておきましょう!
【腎不全の看護・日常生活における注意点】
・患者の全身状態を把握し、症状の悪化の早期発見・対処に努める。
・患者が自分の病状を理解し、予防行動をとれるように支援する。
・症状による苦痛の緩和を図り、患者の日常生活を支える。
↑↑
勉強して疲れたら‥やっぱチョコレートで糖分補給♪
わたしは‥濃いカカオのビターテイストがやっぱり好きかな~。
看護師国家試験問題のねこ太解説
では、今まで学んできた知識を元に、はじめにみた看護師国家試験問題を解いていきましょう♪
看護師国家試験問題(第105回 午前83問)
慢性腎不全によって起こるのはどれか。2つ選べ。
1.低血圧
2.低リン血症
3.低カリウム血症
4.低カルシウム血症
5.代謝性アシドーシス
慢性腎不全とあるので、腎機能が低下した場合にどういった症状が現れるのか‥考えてみましょう!
「1.低血圧」
血圧については‥尿が排泄できないために、循環血液量が増えたり、レニンが分泌される(RAA系)ことで上昇していきます。
なので‥「1」は「×」です。
「2.低リン血症」「3.低カリウム血症」
電解質は基本的に排泄されなくなることで、血液中の濃度は高くなっていきます。
リンやカリウムについても同様で、高リン血症、高カリウム血症となります。
「2」「3」は「×」です。
「4.低カルシウム血症」
そうすると‥同じようにカルシウムも排泄できないから‥高カルシウム血症になりそうですね!
確かに‥そうなのですが、カルシウムは例外です。
腎不全の患者さんは低カルシウム血症を起こします。
なぜかというと‥ビタミンDを活性化できないことで、そもそも腸管からのカルシウム吸収量が減るからです。
またカルシウムの排泄は、腎臓から尿中に80%と皮膚から汗などと一緒に20%が排泄されていますが‥尿から排泄できないと代償的に皮膚からの排泄が増えます。
カルシウムの供給がほとんどない中で、皮膚から少しずつ排泄されているため‥結果的に身体からは少しずつ減っていくと考えると分かりやすいですね!
「4」は「〇」です。
「5.代謝性アシドーシス」
これは‥間違えないですよ!
腎臓では体内で酸が多く発生するから、「H+」を排泄してるでしたよね。
なので、腎不全だと‥アシドーシスになる!
あれっ‥アシドーシスはそうだけど‥代謝性なのかな??
いいですよ~!
呼吸性以外のものを全て代謝性というので、代謝性アシドーシスが正解です。
アシドーシス・アルカローシスについては、以下の記事に詳しく解説していますので‥ご覧ください♪
「5」は「〇」です。
ということで、答えは、「4」「5」です。
看護師国家試験問題(第101回 午後82問)
慢性腎不全で正しいのはどれか。
1.高蛋白食が必要である。
2.高カルシウム血症となる。
3.最も多い原因は腎硬化症である。
4.糸球体濾過値<GFR>は正常である。
5.代謝性アシドーシスを起こしやすい。
同じく慢性腎不全の問題です。
「1.高蛋白食が必要である。」
私も、腎不全患者さんの血液データを見ると‥低アルブミン血症なので、ついアルブミンを増やすためにタンパク質を摂ってほしいと思ってしまいます!
でもタンパク質を摂ってアルブミンを増やすことが逆に腎臓を傷めることにもつながってしまうので、控えた方がいいです。
ねこ太せんぱい!
なんで、アルブミンを増やすことが腎臓を傷つけてしまうのですか?
いい疑問ですね!
糸球体の穴を通って原尿が作られますが、そこを大きな粒子であるアルブミンが通るとより穴を傷つけてしまいます。
そっか~!確かに無理やりそんなことしたら‥傷つきますよね。
また‥腎不全ではタンパク質の代謝産物である尿素やアンモニアを排泄していましたね。
尿素やアンモニアは尿毒症の原因物質ですから、タンパク質を多く摂取することは尿素やアンモニアを増やしてしまうことになり、尿毒症につながってしまいます。
そういった意味でも身体に良くない訳です。
「1」は「×」です。
「2.高カルシウム血症となる。」
これは‥先程の問題でも出てきましたね。
そうでした!
ビタミンDが活性化されなくて、腸管からのカルシウムの吸収が減るから‥低カルシウム血症になるんでしたね!
もうバッチリです♪
「2」は「×」です。
「3.最も多い原因は腎硬化症である。」
これについては‥最も多いとまでは言っていませんでしたが‥慢性腎不全の原因として30~40%が糖尿病性腎症と言われています。
なので‥透析患者さんの多くも同じく糖尿病性腎症の患者さんです。
糖尿病から腎不全となる患者さんも多く、患者のQOLや医療費の面からも社会的な関心が高い問題となっています。
今後の看護師国家試験でも、糖尿病性腎症や腎不全の事は‥出題される可能性は高いと思われます!
「3」は「×」です。
「4.糸球体濾過値<GFR>は正常である。」
糸球体でのろ過ができなくなってしまうから、糸球体濾過値<GFR>は低下しそうですね!
その通りです。
腎炎などであれば‥糸球体が破壊されてしまったりしますし、動脈硬化であれば‥糸球体への血液供給が減ってしまうため、糸球体濾過値<GFR>は低下します。
ちなみに‥先程でてきたeGFRの「e」は推算(推定)という意味で、Cre値から計算した予測値になります。
「4」は「×」です。
「5.代謝性アシドーシスを起こしやすい。」
これもさっき出てきましたね!
呼吸とは関係ないから‥代謝性です。
それに‥酸を排泄できないから‥アシドーシス。
だから‥代謝性アシドーシスを起こしやすいですね!
「5」は「〇」です。
答えは、「5」です。
さいごに‥まとめ♪
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
腎不全も‥想像していた以上に沢山の症状がありましたね!
一回じゃ覚えられないかも‥
一回で覚えられなくても大丈夫です♪
わたしもそうでしたから(*^_^*)
忘れたら‥何度でも復習していきましょう!
まずは看護師国家試験の合格🌸に向けて、これからも一緒にがんばっていきましょうo(*^▽^*)o
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