【看護師国家試験勉強】労働基準法・労働安全衛生法・男女雇用機会均等法 etc バッチリ克服!

ねこ太の看護師国家試験勉強

こんにちは!ねこ太🐈です。

法律って難しくて、つい敬遠したくなってしまいがちですよね‥。

わたしも何時間も勉強しているのに、なかなか覚えられなくて苦しかったのを覚えています。

今回は、「労働基準法」「労働安全衛生法」「男女雇用機会均等法」さらにはそれらに関連する法律について、一緒に勉強してバッチリ克服していきます!

暗記が多くなってくる部分ですが、法律の目的なども意識しながら‥「理解して覚える」で、看護師国家試験に向けて確かな実力をつけていきましょうヽ(*^^*)ノ

 

 

労働基準法・労働安全衛生法・男女雇用機会均等法に関する看護師国家試験問題を解いてみよう!

まず以下の3問を解いてみてくださいね!

看護師国家試験問題(第102回 午後30問)

労働基準法において、就業中の妊産婦から請求がなくても使用者が処遇すべきなのはどれか。

1. 産前6週間の就業禁止
2. 産後6週間の就業禁止
3. 深夜業の就業禁止
4. 育児時間の確保

 

看護師国家試験問題(第107回 午前86問)

労働基準法で定められているのはどれか。2つ選べ

1. 妊娠の届出
2. 妊婦の保健指導
3. 産前産後の休業
4. 配偶者の育児休業
5. 妊産婦の時間外労働の制限

 

看護師国家試験問題(第108回 午後3問)

労働安全衛生法に規定されているのはどれか。

1. 失業手当の給付
2. 労働者に対する健康診断の実施
3. 労働者に対する労働条件の明示
4. 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保

 

それでは‥ねこ太🐈と一緒に楽しく『広げ学習』をしながら、『知識』と『思考力』をサクッと身に付けていきましょうヽ(*^^*)ノ

ねこ太
ねこ太

広げ学習』とは1問を解くことを通して、広~く深~く学習をして、3~4問解けるだけの知識を身につけていく学習のことです。(by ねこ太)

 

 

労働基準法

労働基準法とは、労働者を守るために作られた『労働条件の最低基準』を定めた法律です。

労働条件とはザックリいうと‥労働賃金、労働時間・休憩・休日、労働契約、就業規則などです。

看護師国家試験で問われるポイントは以下の通りです。

労働基準法で覚えるべきポイント①

(労働時間・休憩・休日)

・労働時間は、原則として休憩時間を除いて1日8時間1週間40時間をこえてはならない。

・休憩時間は、労働時間が6時間をこえる場合は45分以上8時間をこえる場合は1時間以上

・休日は、少なくとも毎週1日もしくは4週間を通して4日以上

カン子さん
カン子さん

あれっ、看護師さんっていつも遅くまで残ってるし、1日に8時間以上働いているんじゃ‥。

労働基準法を違反しているのかな‥?

ねこ太
ねこ太

確かにそうですよね。

病院と労働者との間で労使協定というのが結ばれていて、そこには‥時間外労働をすること、それに対する手当が出ることが書かれています。

 

労働基準法で覚えるべきポイント②

(女性・妊産婦の労働)

・妊婦が休業を申請した場合は、産前6週間は就業させてはならない。
 ※多胎妊娠の場合は産前14週間

産後8週間を経過していない女性を就業させてはならない。
 ※医師が支障ないと判断し、女性本人が申請した場合は、産後6週間経過後から就業できる。

妊娠中もしくは出産後1年を経過しない女性を妊娠・出産・哺育等に有害な業務に就かせてはならない。

ねこ太
ねこ太

有害な業務とは‥重い物を取り扱ったり、有毒ガスが発生する場所での仕事などです。

・妊産婦が請求した場合は「時間外労働」や「深夜業」をさせてはならない。

生後1歳未満の子を育てる女性は、休憩時間とは別に1日2回(各30分)の育児時間を請求することができる。

生理日の就業が著しく困難な女性が、休暇を請求したときは就業させてはならない。

ナス美さん
ナス美さん

労働条件を定める「労働基準法」の中に、きちんと「仕事をしながら出産・育児をする女性」のことを考慮した内容が明示されているのね~。

カン子さん
カン子さん

そうだね!

私たちが看護師になったときにも関係する‥とって大切な法律だよね。

でも‥「申請」とか‥「申請」ってどういうことだろう?

ねこ太
ねこ太

申請」も「申請」も同じことで‥労働者本人が希望した場合ということです。

請求しないと、使えないものが多いかもしれませんね。

妊産婦の休業は「産前6週・産後8週」ですが‥、産後6週間は申請の有無に関わらず、働くことはできないことになっています。

 

労働安全衛生法

労働安全衛生法は、以下の2点を目的とした法律です。

労働安全衛生法の目的

1.職場における労働者の安全健康の確保

2.快適な職場環境の形成促進

ねこ太
ねこ太

労働安全衛生法」は「労働基準法(1947年制定)」から分離独立する形で1972年に制定されました。

労働安全衛生法で覚えるべきポイント

労働災害防止に向け、事業者は措置を講じなければならない。

ねこ太
ねこ太

労働災害とは、労働者が仕事したことで受けた負傷、疾病、死亡などのことを言います。

 

・事業者は労働者に対して、雇用時および毎年1回、定期的に健康診断を行わなければならない。

・事業者は労働者に対して、以下の者の就業を禁止しなければならない。
 ①伝染病者
 ②精神障害によって自傷他害のおそれのある者
 ③身体的疾患が労働によって増悪するおそれのある者

ねこ太
ねこ太

看護学生の年1回の健康診断は「学校保健安全法」に規定されています。

それに対して、働いている看護師さんを始めとする労働者の健康診断は「労働安全衛生法」に規定されています。

   

労働者災害補償保険制度

労働者を1人でも雇っている会社であれば、会社は労災保険に加入することになっています。

それによって‥労働者が負傷や疾病になった際に保険給付を受けることができます。

このことを規定している法律が『労働者災害補償保険法労災保険制度)』です。

ナス美さん
ナス美さん

保険給付って何かな?

ねこ太
ねこ太

保険給付とは負傷した際などに医療などのサービスを受けられたり、お金をもらうことです。

種類としては以下のようなものがあります。

労災保険制度で受けられる保険給付

療養補償給付⇒傷病が治るまで療養を受けられる
休業補償給付⇒働けない期間に応じてお金が支給される
障害補償給付⇒傷病が治癒して身体に一定の障害が残った場合にお金が支給される
遺族補償給付⇒労働者が死亡した場合に遺族に対してお金が支給される
葬祭料⇒葬祭を行った者に対してお金が支給される
傷病補償年金⇒療養開始後1年6か月経過しても治癒せず、傷病等級に該当する場合にお金が支給される
介護補償給付⇒介護に要した分のお金が支給される

 

雇用保険法

雇用保険は、以下の2点を目的とした法律で、政府が管掌する強制保険制度です。

雇用保険法の目的

労働者の生活および雇用の安定就職の促進

労働者が失業した場合、および教育訓練を受けている場合に、失業等給付を支給する

ナス美さん
ナス美さん

失業等給付って何だろう?

ねこ太
ねこ太

労働者が失業した場合や雇用の継続が難しい状況になった際に、給付されるもので以下の4つがあります。

失業等給付の種類

求職者給付基本手当)⇒失業中にもらえる失業手当のこと

就職促進給付⇒再就職手当といった就職後にもらえる手当のこと

教育訓練給付⇒就職のための教育訓練を受ける経費の一部がもらえる手当のこと

雇用継続給付⇒高齢者の雇用継続される際にもらえる手当や、育児休業・介護休業した人がもらえる手当のこと

 

育児・介護休業法

正式名称は、「育児休業等育児または家族介護をおこなう労働者の福祉に関する法律」です。

育児・介護休業法」は、以下の2点を目的とした法律です。

育児・介護休業法の目的

育児介護をする労働者を支援することで、仕事と家庭を両立させて労働を継続させること

ナス美さん
ナス美さん

女性育児とか介護しやすいように考えてくれているのね!

ねこ太
ねこ太

そうですね!

でも、女性だけではなく、実は男性もこの「育児・介護休業法」の対象です♪

 

育児・介護休業法で覚えるべきポイント

(育児に関して)

・原則として子どもが1歳になるまで育児休業を取得できる
 ※育休終了の2週間前までに申請することで最長2年まで延長することが可能

ねこ太
ねこ太

令和4年10月からは‥新たに「産後パパ育休制度」ができました!

1歳までの育児休業とは別に‥産後8週間以内に28日を限度として2回に分けて取得できます。

これについては‥看護師国家試験にはまだしばらくは出ないと思われます。

・育児のために労働時間を短縮(原則1日6時間)できる

・残業などの所定外労働(いわゆる時間外労働)を制限できる

・子どもの看護休暇(年5日)

・原則として子どもが1歳になるまで付与される育児休業給付金の受給

ねこ太
ねこ太

育児休業給付金は雇用保険法に基づく保険給付としてもらうことができます。

健康保険法に基づく保険給付として『出産育児一時金(原則42万円)』『出産手当金(標準報酬日額の3分の2)』の2つを受け取ることができます。

 

(介護に関して)

93日間の介護休業の取得

・介護のための労働時間を短縮(原則1日6時間)できる

・残業などの所定外労働(いわゆる時間外労働)を制限できる

・家族の介護を行うための介護休暇(年5日)の取得

介護休業給付金の受給

ねこ太
ねこ太

介護休業給付金は雇用保険法に基づく保険給付としてもらうことができます。

ナス美さん
ナス美さん

育児と介護‥どちらもソックリですね♪

 

男女雇用機会均等法

正式名称は、「雇用の分野における男女均等機会及び待遇の確保等に関する法律」です。

男女雇用機会均等法」は、以下の2点を目的とした法律です。

男女雇用機会均等法の目的

雇用労働に際して性別による差別をなくす

男女雇用機会均等法」は、1985年に前身である「勤労婦人福祉法」から成立しました。

そして、その後は3回の改正を経て、現在に至っています。

男女雇用機会均等法で覚えるべきポイント

性別を理由にした差別の禁止

ねこ太
ねこ太

例えば‥「男性歓迎」といった表記などどちらか一方の性別を優遇するようなことはしてはいけません。

もちろん、「女性歓迎」といった表記も不可です。

 

間接的な差別の禁止

ねこ太
ねこ太

例えば‥「身長〇cm以上」など‥結果的にどちらか一方の性別を優遇・冷遇するようなことはしてはいけません。

 

婚姻、妊娠、出産などを理由にした差別の禁止

ねこ太
ねこ太

例えば‥産休を申請した女性を解雇・降格させるのはもちろんダメです。

また妊婦健診を受けるための休暇取得をさせないなどはハラスメントにも当たります。

 

セクシャルハラスメントの禁止

ねこ太
ねこ太

セクハラ」は当然禁止ですが、性別に関係のない「パワハラ」なども含まれます。

ハラスメント

相手を脅したり、不快にさせたり、相手の尊厳を傷づけること

また「男女雇用機会均等法」に違反した場合の罰則規定もあります。

 

はじめにあった看護師国家試験問題を解いてみよう!

では、今まで学んできた知識を元に、はじめにあった看護師国家試験問題を見てみましょう♪

看護師国家試験問題(第102回 午後30問)

労働基準法において、就業中の妊産婦から請求がなくても使用者が処遇すべきなのはどれか。

1. 産前6週間の就業禁止
2. 産後6週間の就業禁止
3. 深夜業の就業禁止
4. 育児時間の確保

問題をよく読まないと、一見正しいと思えてしまいますが、「請求(申請)」という言葉があることがポイントですね。

それでは、順番に選択肢をみてみましょう!

「1. 産前6週間の就業禁止」「2. 産後6週間の就業禁止」

就業中の妊産婦の休業に関しては、妊産婦の休業は「産前6週・産後8週」でしたね!

ただ‥妊産婦が申請をすれば、出産前は直前まで、出産後は6週間経てば働くことができます。

なので‥産後6週間は申請の有無に関わらず、働くことはできないことになります。

ということで、「1」は「×」、「2」は「〇」となりますが‥

他の選択肢も一応確認していきましょう!

「3. 深夜業の就業禁止」

妊産婦が請求した場合は‥「深夜業」はさせてはならないことになっていましたね。

他に「時間外労働」も不可です。

「3」は「×」です。

「4. 育児時間の確保」

育児時間は請求することで、休憩時間とは別に1日2回(各30分)とることができます。

なので「4」は「×」です。

答えは、「2」です。

 

看護師国家試験問題(第107回 午前86問)

労働基準法で定められているのはどれか。2つ選べ

1. 妊娠の届出
2. 妊婦の保健指導
3. 産前産後の休業
4. 配偶者の育児休業
5. 妊産婦の時間外労働の制限

法律によって規定されている法律が若干違うので‥その辺の見極めを問われている問題ですね。

「1. 妊娠の届出」「2. 妊婦の保健指導」

カン子さん
カン子さん

この2つは‥今まで学んできたことの中には出てきませんでしたね。

何の法律かな‥!?

では‥ちょっとこの選択肢は飛ばして、他の選択肢からみてみましょう!

「3. 産前産後の休業」

これは出てきましたね。

労働条件の最低基準』を定めた『労働基準法』です。

内容としては、母子保健法でも良いように思いますが‥労働ということがメインですので、『労働基準法』に含まれています。

なので‥「3」が「〇」ですが、他の選択肢も見てみましょう。

「4. 配偶者の育児休業」

配偶者‥つまり夫の育児休業のことと思われますが‥育児休業について定めた法律ですね。

これは『育児・介護休業法』でした。

「4」は「×」です。

「5. 妊産婦の時間外労働の制限」

産婦についての時間外労働の制限は、「育児・介護休業法」にも触れられていますが、妊産婦と言われると‥『労働基準法』の方になります。

なので「4」は「×」です。

では、「1. 妊娠の届出」「2. 妊婦の保健指導」についてです。

この2つは‥実は『母子保健法』に規定されています。

母子保健法』は、その名の通り、母と子(乳幼児)の健康の保持と増進を図るための法律です。

妊娠の届け出は、以下のようなことが規定されています。

妊娠の届け出(母子保健法より)

妊娠の届出をした妊婦に対して交付されること

母子健康手帳の交付を受ける妊婦の居住地の市町村(特別区)が行うものであること

妊婦の保健指導については、市町村は妊婦が妊婦健診などの際に医師や助産師から保健指導を受けられるようにすることを規定しています。

厚生労働省(chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken13/dl/02.pdf)

 

合わせて、覚えておきましょう!

  

看護師国家試験問題(第108回 午後3問)

労働安全衛生法に規定されているのはどれか。

1. 失業手当の給付
2. 労働者に対する健康診断の実施
3. 労働者に対する労働条件の明示
4. 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保

『労働安全衛生法』は「職場における労働者の安全と健康の確保や快適な職場環境の形成促進」を目的とした法律でしたね。

順番にみていきましょう!

「1. 失業手当の給付」

失業した際の手当は、労働者の安全と健康などとは余り関係がなさそうですね。

これは‥「労働者の生活および雇用の安定就職の促進」を目的とする『雇用保険法』です。

「2. 労働者に対する健康診断の実施」

労働者の健康診断‥これは「労働者の安全と健康」と合致しそうですね。

これは『労働安全衛生法』に規定されています。

一応、他の選択肢もみてみましょう♪

「3. 労働者に対する労働条件の明示」

「労働条件」というワードが入っています。

そうすると‥労働者を守るために作られた『労働条件の最低基準』を定めた法律である『労働基準法』が合致しそうですね。

労働条件の内容としては‥労働賃金、労働時間・休憩・休日、労働契約、就業規則などでした。

実際に『労働基準法(第15条)』の中で、労働条件の明示が義務づけられています。

「4. 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保」

これは‥そのまま『男女雇用機会均等法』ですね。

ということで、答えは、「2」です。

 

ねこ太オリジナル確認問題

最後に、わたしが作成したオリジナル問題を解いてみましょう!

職場における「セクシャルハラスメントの禁止」が規定されているのはどれか。

1.男女雇用機会均等法
2.労働安全衛生法
3.雇用保険法
4.労働者災害補償保険制度

「セクシャルハラスメントの禁止」と言えば‥『〇〇法』と覚えてもいいくらいですが‥。

実は「マタニティーハラスメント」などは『労働基準法』や『育児・介護休業法』でも触れられておいます。

問題を作る方としては、際どい選択肢は「不適切問題」にもなりかねないので、今回のような比較的ハッキリと関係しなさそうな法律と並べられることになるかもしれません。

「セクシャルハラスメントの禁止」については『男女雇用機会均等法』が有名ですので、ぜひ覚えておきましょう!

なので答えは出てしまいましたが‥一応、他の選択肢もみてみましょう♪

「2.労働安全衛生法」

『労働安全衛生法』は「職場における労働者の安全と健康の確保や快適な職場環境の形成促進」を目的とした法律でしたので、「セクハラ」とは関係はなさそうですね。

「3.雇用保険法」

雇用保険法』は「労働者の生活および雇用の安定就職の促進」を目的とした法律でしたので、これも「セクハラ」とは関係はなさそうです。

「4.労働者災害補償保険制度」

いわゆる『労災保険制度』は「労働者が負傷や疾病になった際に保険給付を受けられる」ように規定した法律でした。

なので‥これも「セクハラ」とは関係はなさそうです。

答えは、「1」です。

 

さいごに♪

長くなってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

まずは、看護師国家試験合格‥そしてその先にある臨床で楽しく看護するための『力』をつけていくこと目標に、一緒にがんばっていきましょうo(*^▽^*)o

 

 

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