こんにちは!ねこ太🐈です。
いきなりですが‥胃透視ってどんな検査か分かりますか?
えっと‥胃を透視するってことは‥お腹のレントゲンとかのことですかね‥。
おしいですね‥。
胃透視は消化管造影検査の1つで、胃の中に造影剤を流し込んで行うX線検査です。
消化管造影検査は、以下の2つがあります!
【消化管造影検査】
上部消化管造影検査(通称:胃透視もしくはバリウム検査)
下部消化管造影検査(通称:注腸造影)
そして‥胃透視も注腸造影も、どちらも看護師国家試験にときどき出題されます!
なので‥今回は、胃透視・注腸造影の「検査の流れ」「注意点」についてバッチリ克服していきますよ♪
それでは、国試合格🌸に向けてねこ太🐈と一緒に楽しく勉強していきましょうヽ(*^^*)ノ
胃透視・注腸造影に関する看護師国家試験問題を解いてみよう!
良かったら、力試しと思って‥ぜひ看護師国家試験問題を解いてみてくださいね!
看護師国家試験問題(第101回 午後48問)
上部消化管造影検査を受ける患者への説明で適切なのはどれか。
1.検査前24時間は絶飲食である。
2.発泡剤は検査1時間前に内服する。
3.検査後は緩下薬を服用する。
4.検査後の白色便は異常である。
【胃透視・注腸造影】検査の流れ・注意点
先程の看護師国家試験問題を解くために、『胃透視』『注腸造影』それぞれの検査の流れ・注意事項について、一緒に楽しく『広げ学習』をしていきましょうヾ(≧∇≦*)/
『広げ学習』とは、気になったことなどを調べながら、広~く・深~く知識を身につけてい学習のことです。(by ねこ太)
胃透視(上部消化管造影検査)
胃透視とは、食道、胃、十二指腸、小腸の壁にバリウム(もしくはガストログラフィン)を付着させて消化管の粘膜の状態をX線で透視して見る検査です。
なので、『バリウム検査』と呼ばれることもあります。
ガストログラフィンは水溶性の造影剤であるため、腹腔に漏れても吸収されます。
なので‥消化管穿孔や腸閉塞、消化管の手術後で縫合不全が疑われる場合でも使用することが可能です!
ただし、ヨードを含むためヨードアレルギーの人は禁忌です。
胃透視の禁忌
以下のような方には、胃透視は原則的に禁忌です。
【胃透視が禁忌の人】
・バリウム過敏症
・消化管穿孔や腸閉塞(イレウス)などの疾患がある。
・妊婦
・嚥下障害がある。
・意識障害などがある。
⇒検査中に必要な体位変換ができない。
⇒頭部低位(トレンデンブルグ体位)に撮影台から転落するリスクがある。
嚥下障害だと、バリウムを誤嚥してしまうリスクがあるからなのは分かるけど‥撮影台からの転落って、そんなことあるの!?
わたしも何度かバリウム検査を受けていますが‥撮影台はかなり急な角度で頭が下になったりもするので、手すりをしっかり持てっていないと、逆さまに落ちてしまう怖さがありました。
なので、意識障害などがある人などはできない場合があります。
胃透視検査前の注意点
・医師が検査の説明を行い、同意を得る。(⇒同意書の作成)
・基本的に検査前日の21時以降は禁飲食。
※アルコールやジュース、牛乳は21時までですが、水やお茶などは24時まで可能。
・検査当日の内服薬やインスリン注射に関しては、主治医の指示に従う。
※検査当時に薬を服用する場合は、2~3時間前までに少量の水で服薬する。
※基本的にインスリン分泌を促進する糖尿病薬やインスリン注射は休薬します。
この前、ねこ太先輩と勉強した『消化管内視鏡検査』と同じですね!
一緒に覚えちゃおう♪
『消化管内視鏡検査』については、こちらの記事に載せていますので、良かったらご覧くださいね♪
⇒「【ねこ太の看護師国家試験勉強】消化管内視鏡検査 検査の流れ・注意事項をバッチリ克服!」
胃透視検査の流れ
①患者確認
②原則として義歯や指輪、イヤリングなどの装飾品を外す。
③必要に応じて、鎮痙薬(ブスコパンもしくはグルカゴン)を筋注もしくは静注する。
④撮影台にのって、一口バリウムを飲んでもらう。
⇒食道の通過・粘膜に異常がないかをみる。
⑤さらにバリウムを約300ml飲み、さらに発泡剤を飲んでもら。
⑥ベッド上で患者に回転してもらい、胃壁全体にバリウムを付着させて撮影する。
⑦検査中は手すりをしっかりつかんでもらい、撮影台から落ちないように留意する。
※検査中は体位変換や撮影台の起倒が頻回にある。
※頭部低位(トレンデンブルグ体位)になることもある。
何で発泡剤なんて飲むのかな?
発泡剤を飲むと、炭酸ガスが発生して胃が膨らみ、胃の粘膜も伸ばされて、小さな異常も発見することができます。
それと‥炭酸ガスが黒く映って、バリウムが白く映る(二重造影法)ので、コントラストがハッキリして見やすくなります。
隆起性病変や潰瘍性病変だけでなく、浅い陥凹性病変なども確認できます。
『鎮痙剤(ブスコパンもしくはグルカゴン)』については、こちらの記事に載せていますので、良かったらご覧くださいね♪
⇒「【ねこ太の看護師国家試験勉強】消化管内視鏡検査 検査の流れ・注意事項をバッチリ克服!」
そうか~ブスコパンは腸の動きを止めるために使うこともあるけど、ベッド上で体位変換とかもできないから、鎮静剤は使えないのね!
そうです!
内視鏡検査では、鎮痙剤も鎮静剤も両方とも使うことがありますが、「胃透視」や次に紹介する「注腸造影」ではベッド上で撮影台が傾いたりもするため、眠ったまま検査をするというのは難しいですね。
胃透視検査後の注意点
・検査後は少しずつ飲水することから開始。
※鎮痙剤使用時は1~2時間して消化管の動きが戻ってから摂取。
※バリウムを排泄するため水分を十分に摂る。
・下剤を服用する。
・服用したバリウムは白い便として排泄されることを伝える。
※ときにバリウムが固まって裂肛を起こすことがある。
・鎮痙薬の副作用があるが、すぐに消失することを伝える。
(ブスコパンの場合)
☆「目の焦点が合わない」「目がちかちかする」⇒症状がある間は車・自転車の運転は避ける。
☆その他‥「口渇」「動悸」「尿が出にくい」
(グルカゴンの場合)
☆反応性の低血糖(インスリンが過剰に分泌されることで1~2時間後に低血糖を起こす)⇒検査1時間後に飴やジュースを摂取するように説明する。
咽頭麻酔とかもしていないから‥検査が終われば、少しずつ飲水も可能ですね。
それと‥検査後はバリウムの排泄が重要!
わたしも胃透視検査後2日間排便がなく‥市販の下剤も追加して服用し、腹痛がある度に、腸閉塞‥消化管穿孔!?と思って焦ったことがあります。
無事に便が出たときには本当~にホッとしました♪
胃透視検査の合併症
【胃透視検査の合併症】
『腸閉塞』『消化管穿孔』『誤嚥性肺炎』『アレルギー』
どれもバリウムに関する合併症です。
バリウムが長時間体内に留まると、バリウムが固まり腸閉塞を起こすことがあります。
また消化管穿孔の合併は0.0003%で極稀ですが‥合併すると重篤な腹膜炎をおこします。
注腸造影(下部消化管造影検査)
注腸造影とは、大腸の壁にバリウム(もしくはガストログラフィン)を付着させて消化管の粘膜の状態をX線で透視して見る検査です。
大腸がんだけでなく、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、大腸憩室などの診断にも用いられます。
検査する部位が「上部消化管なのか」「大腸なのか」で違うだけで、実際にやる検査自体は胃透視と同じですね!
注腸造影検査の禁忌
以下のような方には、注腸造影は原則的に禁忌です。
【注腸造影が禁忌の人】
・バリウム過敏症
・消化管穿孔や腸閉塞(イレウス)などの疾患がある。
・妊婦
・意識障害などがある。
⇒検査中に必要な体位変換ができない。
⇒頭部低位(トレンデンブルグ体位)に撮影台から転落するリスクがある。
検査の禁忌も‥基本的に胃透視と同じですね!
そうですね!
一つ大きく違う点は、バリウムを口から飲まないため、嚥下障害があっても注腸造影検査を受けることができることです。
注腸造影検査前の注意点
・医師が検査の説明を行い、同意を得る。(⇒同意書の作成)
・基本的に検査前日の21時以降は禁飲食。※文献によっては夕食は検査食(低残渣食)
※脂肪や食物繊維の多い食べ物は大腸に残りやすいため避けてもらう。
※アルコールやジュース、牛乳は21時までですが、水やお茶などは24時まで可能。
※水分はできる限り多く摂ってもらう。
・検査前日の夜(21時頃)に下剤を内服してもらう。
・検査当日の内服薬やインスリン注射に関しては、主治医の指示に従う。
※検査当時に薬を服用する場合は、2~3時間前までに少量の水で服薬する。
※基本的にインスリン分泌を促進する糖尿病薬やインスリン注射は休薬します。
・前処置には経口腸管洗浄法(ニフレックなど)とブラウン変法(食事制限・塩類下剤・水分摂取)が一般的によく行われる。
下部消化管内視鏡検査のときは、経口腸管洗浄法だったけど、他にもブラウン変法というのもあるのか~。
実は、他にも‥浣腸だけする場合や前処置なしの場合もあったりします。
検査の部位や臨床症状に合わせて、医師が判断します。
注腸造影検査の流れ
①患者確認
②原則として義歯や指輪、イヤリングなどの装飾品を外す。
③必要に応じて、鎮痙薬(ブスコパンもしくはグルカゴン)を筋注もしくは静注する。
④撮影台にのって、左側臥位になってもらう。
⑤カテーテルに潤滑剤をつけて、肛門より挿入し、バリウムと空気を注入する。(二重造影法)
※キシロカインゼリーやヌルゼリーなどの潤滑剤を使用する。
※キシロカインゼリー使用時はショックに注意する。
⑥撮影台の角度を変えたり、患者に回転してもらい、腸壁全体にバリウムを付着させて撮影する。
⑦検査中は手すりをしっかりつかんでもらい、撮影台から落ちないように留意する。
⑧撮影は盲腸⇒上行結腸⇒横行結腸⇒下降結腸⇒S状結腸⇒直腸の順に行う。
胃透視では発泡剤を飲んでもらったけど、注腸造影ではカテーテルから空気を入れるのね!
そうですね!
空気が黒く映って、バリウムが白く映る(二重造影法)ので、コントラストがハッキリして見やすくなります。胃透視と同じですね!
注腸造影検査後の注意点
・検査後は少しずつ飲水することから開始。
※鎮痙剤使用時は1~2時間して消化管の動きが戻ってから摂取。
※バリウムを排泄するため水分を十分に摂る。
・下剤を服用する。
・服用したバリウムは白い便として排泄されることを伝える。
※ときにバリウムが固まって裂肛を起こすことがある。
・鎮痙薬の副作用があるが、すぐに消失することを伝える。
(ブスコパンの場合)
☆「目の焦点が合わない」「目がちかちかする」⇒症状がある間は車・自転車の運転は避ける。
☆その他‥「口渇」「動悸」「尿が出にくい」
(グルカゴンの場合)
☆反応性の低血糖(インスリンが過剰に分泌されることで1~2時間後に低血糖を起こす)⇒検査1時間後に飴やジュースを摂取するように説明する。
咽頭麻酔とかもしていないので‥検査が終われば、すぐに飲食が可能ですね!
検査後はバリウムの排泄が重要なのね‥。
わたしも胃透視検査後2日間排便がなく‥市販の下剤も追加して服用し、腹痛がある度に、腸閉塞‥消化管穿孔!?と不安に思ったことがあります。
無事に便が出たときには本当にホッとしました♪
注腸造影検査の合併症
【注腸造影検査の合併症】
『腸閉塞』『消化管穿孔』『アレルギー』
胃透視では誤嚥性肺炎があったけど、注腸造影では肛門から造影剤を入れるから、その心配はない訳ね!
その通りですね!
それと‥『腸閉塞』『消化管穿孔』はバリウムによる合併症でもありますが、浸透圧性塩類下剤によっても起こすことがあるため、注意が必要です。
看護師国家試験問題のねこ太解説
では、今まで学んできた知識を元に、はじめにみた看護師国家試験問題を解いていきましょう♪
看護師国家試験問題(第101回 午後48問)
上部消化管造影検査を受ける患者への説明で適切なのはどれか。
1.検査前24時間は絶飲食である。
2.発泡剤は検査1時間前に内服する。
3.検査後は緩下薬を服用する。
4.検査後の白色便は異常である。
上部消化管造影検査なので‥胃透視検査のことですね!
イメージしながら解いていきましょう。
「1.検査前24時間は絶飲食である。」
上部消化管にしても、下部消化管にしても‥内視鏡にしても造影検査にしても‥基本的に大きな変わりはなく、前日の21時頃(半日前)より絶飲食でしたね。
なので‥「1」は「×」です。
「2.発泡剤は検査1時間前に内服する。」
発泡剤は飲んで直ぐに炭酸ガスがでてきて、ゲップをしたくなる薬でしたね。
1時間は長すぎです!
食道の流れを確認した後、胃を検査する際に内服するんでしたよね♪
「2」は「×」です。
「3.検査後は緩下薬を服用する。」
緩下薬というのは、『緩下剤』と同じで、いわゆる『便秘薬』を意味します。
検査後は、バリウムを排泄させる必要があるので、検査後すぐに下剤の服用をします。
そうそう、それに水分をいっぱいとった方が良かったですよね♪
「3」は「〇」です。
「4.検査後の白色便は異常である。」
バリウムが排泄されると‥白っぽい便として見えます。
なので‥異常ではありません。
「4」は「×」になります。
答えは、「3」です。
ねこ太オリジナル確認問題
最後に、わたしが作成したオリジナル問題を解いてみましょう!
下部消化管造影検査を受ける患者への説明・確認で適切なのはどれか。
1.今までに局所麻酔などで気分が悪くなったことがないか確認する。
2.妊娠している可能性があっても安全に受けられる検査である。
3.下剤などの前処置は必要なく受けることができる。
4.不安が強い場合は鎮静剤を使って受けることができる。
今度は、「下部消化管造影検査(注腸造影)」についての問題です。
「1.今までに局所麻酔などで気分が悪くなったことがないか確認する。」
注腸造影では、肛門からカテーテルを入れて、造影剤や空気を注入していきます。
その際に、キシロカインの入った潤滑剤を使うことがあります。
でも‥キシロカインが含まれていないヌルゼリーなんかもあるのよね‥。
確かにその通りですね!
キシロカインが入っていない潤滑剤もありますので‥ここでは一応「〇寄りの△」としておきましょう!
「2.妊娠している可能性があっても安全に受けられる検査である。」
妊娠していても、被ばく量から影響が少ないとする意見もあるようですが、一般的に妊婦に対しては放射線を使用しない他の検査(内視鏡検査など)が勧められます。
なので、「2」は「×」と考えます。
もしくは「×寄りの△」としてもよいでしょう!
「3.下剤などの前処置は必要なく受けることができる。」
もし忘れてしまったとしても‥注腸造影の部位を考えてみましょう。
そうすると‥。
そっかぁ~大腸の造影をするんだから‥便とかあったら大腸の粘膜を上手く撮影できないよね!
絶食中など状況によっては‥前処置なしで実施する場合もあるようですが、基本的には下剤などを使って腸内をキレイにするのが一般的です。
これも‥「×」もしくは「×寄りの△」としましょう!
ねこ太先輩は‥「×寄りの~」「〇寄りの~」が好きですね‥。
そうかもしれないですね。
看護師国家試験問題の中には「最も適切なものを選びないさい」といった問題もよく出題されます。
つまり‥正しいものがいくつかある中で、『最も』妥当と考えられるものを選ばせる訳です。
それに適切に答えるためにも、「〇」か「×」だけでなく、「△」とかいろいろ考えていくことも時には大切だと思います。
ちょっと読み辛かったら、ゴメンなさいm(_ _)m
「4.不安が強い場合は鎮静剤を使って受けることができる。」
内視鏡検査などでは‥不安が強い場合に鎮静剤を使うことがあります。
しかし、注腸造影や胃透視では検査中に体位変換などをするため、覚醒した状態で受けなければいけません。
なので‥「4」は「×」です。
ということで‥最も〇に近い「1」が正解となります。
さいごに‥胃透視・注腸造影のまとめ♪
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
胃透視や注腸造影は、ちょっと覚えることも多くて大変かもしれませんが、イメージをしながらお互いに比較して覚えていくといいですね。
また内視鏡検査とも比較して覚えるのも共通事項が多くていいと思います♪
以下の記事に載せておりますので、良かったらご覧くださいね♪
⇒「【ねこ太の看護師国家試験勉強】消化管内視鏡検査 検査の流れ・注意点をバッチリ克服!」
とにかく、始めの内は忘れては覚えるの繰り返しです。
忘れたら‥何度でも復習していきましょうね!
まずは看護師国家試験の合格🌸に向けて、これからも一緒にがんばっていきましょうo(*^▽^*)o
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