こんにちは!ねこ太🐈です。
今回は、心筋梗塞における心筋マーカーについてバッチリ克服していきます!
特に「トロポニン」や「CK-MB」など重要な心筋マーカーの‥出現・ピーク・正常化の時期についても押えていきます。
最後の『まとめ』には、各心筋マーカーを表形式でまとめているので、良かったら確認にもご活用くださいね♪
それでは、国試合格🌸に向けてねこ太🐈と一緒に楽しく勉強していきましょうヽ(*^^*)ノ
自分でノートにまとめるより、参考書に書き込んで勉強していくタイプの人にはレビューブックがすごくオススメです!
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心筋梗塞の心筋マーカーに関する看護師国家試験問題を解いてみよう!
良かったら、力試しと思って‥ぜひ看護師国家試験問題を解いてみてくださいね!
看護師国家試験問題(第101回 午前32問)
急性心筋梗塞において上昇のピークが最も早いのはどれか。
1.AST<GOT>
2.ALT<GPT>
3.LD<LDH>
4.CK<CPK>
看護師国家試験問題(第111回 午後91)
Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難感があり、狭心症と診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8°C、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図は V1〜V4でST上昇、II、III、aVFでST低下がみられた。
問題91
救急外来到着時にAさんの状態をアセスメントするために優先度が高い血液検査項目はどれか。
1.トロポニンT
2.乳酸脱水素酵素
3.血清クレアチニン
4.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
では‥この看護師国家試験問題を解くために‥もとい!‥さらに理解を深めるために、これから一緒に楽しく『広げ学習』をしていきましょうヾ(≧∇≦*)/
『広げ学習』とは、気になったことなどを調べながら、広~く・深~く知識を身につけてい学習のことです。(by ねこ太)
↑↑
全部が予想問題だから、初めて出会う問題ばかり!
自分の力試しとか、復習するのにとってもいいかも♪
心筋梗塞と血液検査(CK-MB,トロポニンetc)
まずは心筋梗塞とはどんな疾患なのか、簡単におさらいしておきましょう!
【心筋梗塞とは】
心筋細胞への酸素供給が十分にできなくなり、心筋細胞に不可逆的な傷害(⇒壊死)を生じた状態
心臓に栄養を与えている血管(栄養血管)は、冠動脈だったから‥その冠動脈が閉塞すると『心筋梗塞」になるんだったよね!
そうそう!
可逆的な傷害の場合は『狭心症』だったよね♪
心筋梗塞の診断では、心電図も有用な検査ですが、ST上昇を伴わないタイプの心筋梗塞などもあり、血液検査も重要な検査です。
心筋梗塞が疑われる場合、血液検査では心筋マーカーというものを見ていきます。
心筋マーカーとは、心筋細胞が傷害されて血液中に溶出する酵素やたんぱく質のことをいいます。
その酵素やたんぱく質が、血液中にどのくらいの量が溶けているかを調べることで、心筋梗塞かどうか診断します。
具体的には、以下のものがあります。
【主な心筋マーカー】
・CK、CK-MB
・トロポニンT、トロポニンI
・H-FABP(ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白)
・ミオグロビン
・心筋ミオシン軽鎖
・AST
・LDH
・CRP
・白血球数
・赤沈
う~~ん、結構たくさんあるのね‥。
覚えるの大変そう‥。
全部覚える必要はないですよ!
重要なもの(赤字⇒太字⇒それ以外)から、順番に覚えておきましょう♪
各心筋マーカーの出現時期などは文献によっても若干の差がありますが‥、
臨床検査学会などのできる限り信用度の高いサイトや書籍を参考にして作成しています。
CK、CK-MB
「CK」って聞いたことある!
すごく有名な心筋マーカーだよね~♪
そうだね!
でも‥「CK」と「CK₋MB」って、どうちがうのかな?
CK(クレアチンキナーゼ)は、筋肉細胞にもっとも多く含まれている酵素の一種で、筋肉の収縮に必要なエネルギー代謝に関わっています。
そして分子構造などが異なる(アイソトープという)『CK-BB』『CK-MB』『CK-MM』の3つのタイプに分類されます。
CPK(クレアチンホフォスフォキナーゼ)も聞いたことがあるかもしれませんが、CKと同じものですよ。
それと‥『CK-MB』のMは「muscle(筋)」、Bは「brain(脳)」、を意味していて、『CK-BB』は脳や平滑筋、『CK-MM』は骨格筋、そして『CK-MB』は心臓の筋肉に多く存在している酵素です。
CK、CK-MBは、心筋梗塞を発症して約4~6時間時間後から上昇しはじめて、約24時間でピークに達します。
そして、約3~5日で正常化します。
トロポニンT、トロポニンI
トロポニンは、筋肉を構成するたんぱく質の一つで、トロポニンT、トロポニンI、トロポニンCの3種類があります。
その内、トロポニンCは骨格筋にも含まれていますが‥トロポニンT、トロポニンIは主に心筋に存在しているため、心筋障害を反映する心筋マーカーです。
心筋梗塞発症後の血中濃度の経時的な変化はだいたい同じです。
【トロポニンの基準値】
トロポニンT⇒0.014ng/mL(ナノグラム パー ミリリットル)以下
トロポニンI⇒26.2pg/mL(ピコグラム パー ミリリットル)以下
※基準値は検査機器によって異なるため参考値とお考えください。
心筋梗塞を発症して約3~4時間後から上昇しはじめて、約20時間で一回目のピークに達します。
そして3~5日後に二回目のピークがあります。
そして、約2週間で正常化します。
トロポニンT、トロポニンIの若干の違いとして‥
トロポニンTの変化がより遅いため、発症1週間後の心筋梗塞ではトロポニンTの方が高感度です。
それに対して、トロポニンIはより急性期で高感度といわれています。
近年は『高感度トロポニンTもしくはI』が超急性期心筋マーカーとしてよく用いられています。
『高感度トロポニンTもしくはI』は発症後1~2時間の診断も可能です。
H-FABP(ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白)
H-FABPは、心筋内の細胞質に豊富に存在しているたんぱく質で、心筋特異性も高いです。
またH-FABPは分子量が小さく、心筋梗塞を発症して約1~2 時間後から上昇しはじめて、5~10時間後にピークとなります。
そして、約1~2日で正常化します。
【H-FABPの基準値】
5.0 ng/mL(ナノグラム パー ミリリットル)以下
なんかH-FABPなんて‥覚えにくいけど、とにかく出現するのも、消えるのもとても速い心筋マーカーなのね!
ホントですね!
H-FABPは「Heart-type fatty acid-binding protein」の略したもので、日本語に訳すと‥心臓由来脂肪酸結合蛋白となります。
ミオグロビン
ミオグロビンは、主に心筋や骨格筋に存在するヘム蛋白です。
【ミオグロビンの基準値】
60.0 ng/mL(ナノグラム パー ミリリットル)以下
心筋だけじゃないんだ‥。
ということは‥心筋特異性だっけ?それは‥あんまりないのかな‥?
そうなんです!
たとえば‥筋ジストロフィーや多発性筋炎、横紋筋融解症のような骨格筋細胞が壊れる疾患であったり、コンパートメント症候群やクラッシュ症候群のように圧迫による骨格筋細胞の破壊によっても、ミオグロビンは上昇します。
ミオグロビンは、心筋梗塞を発症して約1~3時間後から上昇し、7~10時間でピークになります。
そして、約7~10日で正常化します。
心筋ミオシン軽鎖
心筋ミオシン軽鎖は、心筋の筋原線維を構成するたんぱく質の1つです。
【心筋ミオシン軽鎖の基準値】
2.5ng/mL(ナノグラム パー ミリリットル)以下
心筋梗塞を発症して約4~6時間後から上昇し、4~6日後にピークとなります。
そして、約7~14日で正常化します。
AST(GOT)
AST(aspartate aminotransferase)は、日本語では「アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ」と言います。
似た者にALT(alanine aminotransferase)があり、日本語では「アラニンアミノトランスフェラーゼ」です。
何か‥難しいカタカタですけど、どちらも「アミノトランスフェラーゼ」というのは同じですね!
良い所に目をつけましたね♪
簡単に言えば‥体内でアミノ酸を作る働きをするということです。
なので‥ASTもALTも主に肝臓に存在しています。
【AST・ALTの基準値】
ALT⇒30 IU/L以下(主に肝臓に存在)
AST⇒30 IU/L以下(主に肝臓、心筋、骨格筋、赤血球に存在)
心筋梗塞では、ASTは発症後6時間頃から上昇し、約48時間でピークになります。
そして、約3~5日で正常化します。
LDH
LDH(Lactate Dehydrogenase) は、日本語で「乳酸脱水素酵素」と呼ばれます。
主な働きは、糖質をエネルギーに変えることで、肝臓、心臓、肺、腎臓、骨格筋、赤血球などのからだのさまざまな細胞に存在する酵素です。
【LDHの基準値】
120~220 U/L(ユニット パー リットル)
じゃあ、これも心筋特異性はないってことね!
心筋梗塞では、LDHは発症後12時間頃から上昇し、約48~72時間でピークになります。
そして、約1~2週間で正常化します。
トロポニンと同じ様に、比較的長い期間で異常値を示すんですね。
CRP
CRP(C-reactive protein) は、日本語で「C反応性たんぱく」と呼ばれます。
CRPは、炎症や細胞の破壊が起こると、肝臓で作られて血中で増加する「たんぱく質」で、心筋梗塞の大きさを反映しています。
【CRPの基準値】
0.3mg/dl以下
心筋梗塞では、CRPは発症後2~3日頃から上昇し、約3週間で正常化します。
その他(白血球数・赤沈)
心筋梗塞では、白血球数は、発症後2~3時間で上昇し、約1週間で正常化します。
また赤沈は、発症後2~3日頃から上昇し、約5~6週間で正常化します。
白血球数も赤沈も心筋梗塞による重症度を表しています。
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勉強して疲れたら‥やっぱチョコレートでしょ♪
わたしは‥濃いカカオでビターテイストがやっぱり好きかな~。
看護師国家試験問題のねこ太解説
では、今まで学んできた知識を元に、はじめにみた看護師国家試験問題を解いていきましょう♪
看護師国家試験問題(第101回 午前32問)
急性心筋梗塞において上昇のピークが最も早いのはどれか。
1.AST<GOT>
2.ALT<GPT>
3.LD<LDH>
4.CK<CPK>
心筋梗塞における上昇のピークが問われていますね。
一般的に出現時期の早い心筋マーカーは、上昇のピークも早い傾向にあります。
では、選択肢を見てみましょう!
「1.AST<GOT>」「3.LD<LDH>」
「AST」「LDH」といった酵素は、比較的遅く出現する酵素でしたので、ピークも2~3日後くらいになっています。
ここでは、ピークが最も早いのはどれかを訊かれているので、全てを比較しないと〇や✖は言えませんが‥これらは違うだろうな‥と予測をつけることはできそうです。
「2.ALT<GPT>」
次に、「ALT」は、肝臓・胆道系に特異的な酵素ですので、心筋梗塞では上昇しません。
なので‥これは「×」です。
「4.CK<CPK>」
最後に「CK」が出てきましたね!
超急性期(発症後1~2時間)においては‥「ミオグロビン」「H-FABP」「白血球数」「高感度トロポニン」ですが、12時間から24時間以内にピークがあらわれます。
また急性期(発症後3~4時間)では、「CK」「CK-MB」「トロポニンTもしくはI」「心筋ミオシン軽鎖」があり、多くが24時間前後にピークを迎えます。
※「心筋ミオシン軽鎖」は発症後4~6日にピークを迎える。
「CK」については、発症24時間後がピークでしたので、答えは「4」です。
この問題も第101回看護師国家試験の問題なので、ちょっと古いですが、現在では「H-FABP」「高感度トロポニン」といった心筋マーカーも覚えておくと安心です。
看護師国家試験問題(第111回 午後91)
Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難感があり、狭心症と診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8°C、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図は V1〜V4でST上昇、II、III、aVFでST低下がみられた。
問題91
救急外来到着時にAさんの状態をアセスメントするために優先度が高い血液検査項目はどれか。
1.トロポニンT
2.乳酸脱水素酵素
3.血清クレアチニン
4.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
元々、狭心症の既往がある状態での持続的な胸痛、そして心電図(ECG)上でのST変化(上昇や低下)があることから、心筋梗塞が疑われそうですね!
また明け方から胸痛があって、出勤途中に救急車を呼んでいることから、時間としてはどのくらいでしょう?
明け方っていつぐらいのことだろう?
そうだよね‥。
それに出勤途中って何時って言われても人によって違うよね‥。
確かに‥今の時代ではフレキシブルな出勤は当たり前かもしれませんね!
なので、一概には言えませんが、一般的な社会人としては朝に出勤と考えていいでしょう。
明け方はだいたい3時~6時くらいなので‥9時から仕事と考えると‥!?
だいたい3~6時間くらいってところですね♪
だとすると‥検査は急性期に診断できる‥「CK」とか「トロポニン」がいいのかも‥。
選択肢の中に「1.トロポニンT」がありますね。
トロポニンは3~4時間で出現し始め、ピークはおよそ20時間ですので、これが正解でよいと思われます。
でも、確実に点数を取るために‥一応、他の選択肢も確認していきましょう!
「2.乳酸脱水素酵素」
乳酸脱水素酵素は分かりずらいかもしれませんが‥「LDH」のことです。
これは発症後12時間で上昇してくるため、現時点での検査としては不適切ですね。
「3.血清クレアチニン」
「クレアチニン」と「クレアチン」って似ていますよね。
クレアチニンは腎機能の指標でもご存じだと思いますが‥実はクレアチンからエネルギーを取り出した後の最終代謝産物です。
この代謝に関わるのが‥「クレアチニンキナーゼ」つまり「CK」という訳です。
なので、心筋梗塞を発症しても‥直接的に血清クレアチニンが高くなる訳ではありません。
「4.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ」
「アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ」も分かりにくいですが、「AST」のことです。
「AST」は発症6時間後から上昇し始めるので、現時点では出ない可能性も高そうです。
他の選択肢との兼ね合いにもよりますが、「トロポニン」の方が適切と言えそうです。
よって、答えは、「1」です。
さいごに‥まとめ♪
※各心筋マーカーの出現時期などは文献によっても若干の差があります。本サイトでは信用度の高い日本臨床検査医学会や書籍を参考にして作成しております。
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ちょっと覚えることも多くて大変かもしれませんが、まずは‥優先度の高い「CK(CPK)」「CK₋MB」「トロポニン」から覚えていきましょう!
とにかく、始めの内は忘れては覚えるの繰り返しです。
忘れたら‥何度でも復習していきましょうね!
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