こんにちは!ねこ太🐈です。
ウイルス性肝炎と言うと‥B型肝炎やC型肝炎はよく耳にしますね!
実は‥他にもA型肝炎、D型肝炎、E型肝炎があり、合計5種類あります。
結構あるけど‥覚えるのが大変だぁ~。
大丈夫ですよ!
全部を隅から隅まで覚える必要はありません。
大事な部分とそうでない部分もあるので、ポイントを押えて覚えていきましょう!
今回は、A型~E型まである『肝炎』の感染経路・潜伏期・検査・ワクチン‥その他もろもろ大事な部分について、バッチリ克服していきます!
それでは、看護師国家試験の合格🌸に向けて、ねこ太🐈と一緒に‥楽しく勉強していきましょうヽ(*^^*)ノ
『A~E型肝炎』に関する看護師国家試験問題を解いてみよう!
良かったら、力試しと思ってまず一度‥看護師国家試験問題を解いてみてくださいね!
看護師国家試験問題(第110回 午前27問)
ウイルス性肝炎の起炎ウイルスでDNAウイルスはどれか。
1.A型肝炎ウイルス
2.B型肝炎ウイルス
3.C型肝炎ウイルス
4.E型肝炎ウイルス
看護師国家試験問題(第103回 午後50問)
B型肝炎と比べたC型肝炎の特徴について正しいのはどれか。
1.劇症化しやすい。
2.性行為による感染が多い。
3.無症状のまま慢性化しやすい。
4.ワクチン接種による感染予防対策がある。
A~E型肝炎の感染経路・潜伏期・検査・ワクチン
先程の看護師国家試験問題を解くために、A~E型肝炎について、一緒に楽しく『広げ学習』をしていきましょうヽ(*^^*)ノ
『広げ学習』とは、気になったことなどを調べながら、広~く・深~く知識を身につけてい学習のことです。
(by ねこ太)
まず、全体を捉えやすいように、ザックリと大事な部分を表にまとめてみました。
それでは、順番にもう少し深~く1つ1つ勉強していきましょう!
A型肝炎
(核酸)A型肝炎ウイルスの核酸は『RNA』です。
(感染経路)経口感染⇒汚染された食品(主にカキやあさりなどの二枚貝)を生のまま、あるいは加熱不十分のまま摂食することで感染します。
ということは‥A型肝炎ウイルスはノロウイルスと同じ様に食中毒を起こすのね!
その通りです。
A型肝炎ウイルスは酸に強いため、胃酸では不活化できません。
85℃で1分間加熱すれば大丈夫ですので、カキなどもしっかり火を通せば感染しません。
人間の便などは下水処理場である程度処理をされて、川や海に流されます。
しかし処理しきれなかった人間の便(A型肝炎ウイルスを含んだ)なども実は含まれています。
それを海にいる二枚貝が植物プランクトンと一緒に食べてしまい、ウイルスが体内に蓄積されていきます。
なので‥カキなども表面を洗うだけでは不十分という訳です。
ちなみに‥サザエなどの巻貝は海藻を食べているため、A型肝炎ウイルスやノロウイルスは摂取していないため、大丈夫と言われています。
(潜伏期)A型肝炎ウイルスに感染後は、平均4週間(2から6週間)の潜伏期間を経て発症します。
(症状)主な症状は、他の肝炎と同じです。
【肝炎の症状】
発熱(38℃以上)、倦怠感、黄疸、ビリルビン尿(茶色)、白色便、腹痛、嘔気・嘔吐など
肝臓の機能を知っていると、症状も理解しやすいです!
この記事を読んでみると‥肝硬変とかも含めていろんな所で役立つよ♪
(経過)通常は1~2か月で回復しますが、免疫力等が低下した高齢者では重症化することがあります。
発症前から感染者の糞便中に大量にA型肝炎ウイルスが排出されており、感染力があります。
一般的には急性肝炎をおこした後は、キャリアや慢性化することなく、治癒(⇒一過性)して終生免疫を獲得します。
(検査)核酸増幅検査とHAV抗体価・IgM HAV抗体を調べます。
【核酸増幅検査(NAT:Nucleic acid Amplification Test)】
核酸増幅検査は、検出したいウイルスの遺伝子(核酸の特定部分)を試験管の中で人工的に複製し、検出する検査方法。RT-PCR法、LAMP法、Smart AMP法などがある。
新型コロナウイルスの検査ではPCR検査と言っていますが、厳密には「核酸増幅検査(NAT)」で、その中のRT-PCR法で行っているということになります。
A型肝炎ウイルスのRNAの有無を直接調べるのか‥身体が作り出した抗体の有無で調べるのか‥の違いですね。
その通りです。
IgM抗体は感染初期に現れる抗体ですので、それを調べることで今感染しているのか、どうかが分かります。
(治療)原則として急性期には入院して安静療法となります。
入院中は血液検査などで劇症化に注意しながら、症状に応じた治療法がとられます。
E型肝炎
B型肝炎・C型肝炎・D型肝炎を飛ばして‥つぎにE型肝炎を勉強していきましょう!
実は‥『A型肝炎』と『E型肝炎』はとてもよく似ています。
なので、一緒に覚えてしまいましょう♪
(核酸)E型肝炎ウイルスも、核酸は『RNA』です。
(感染経路)経口感染⇒汚染された食品(主に猪・鹿・豚などの生肉や水)を生のまま、あるいは加熱不十分のまま摂食することで感染します。
A型肝炎では‥人の糞便やそれを取り込んだ二枚貝が感染源でしたが、E型肝炎では主に生肉で感染原となります。
以前はインドやネパールにしかないと考えられていましたが、近年‥日本でも野生のシカ肉などを食べた人で感染が確認されました。
(潜伏期)E型肝炎ウイルスに感染後は、平均6週間(2から9週間)の潜伏期間を経て発症します。
A型肝炎は平均4週間でしたね。
食中毒としてはかなり長い潜伏期ですが、肝炎としてはB型・C型と比べるとかなり短いわね!
(症状)主な症状は、他の肝炎と同じです。
(経過)A型肝炎と同様に、通常は1~2か月で回復しますが、免疫力等が低下した高齢者では重症化することがあります。
また感染者の糞便中にも排出されており、感染に注意が必要です。
一般的には急性肝炎をおこした後は、キャリアや慢性化することなく、治癒(⇒一過性)します。
※終生免疫については不明です。
(検査)核酸増幅検査とHEV抗体価・IgM HEV抗体を調べます。
(治療)原則として急性期には入院して安静療法となります。
入院中は血液検査などで劇症化に注意しながら、症状に応じた治療法がとられます。
感染源は違うけど、それ以外は‥ほとんど同じですね!
そうなんです。
献血の検査でもE型肝炎が導入されましたが、感染しても治癒するので、C型肝炎とは違って6ヶ月後からは再度献血ができるようになります。
B型肝炎
(核酸)B型肝炎ウイルスの核酸は‥肝炎ウイルス唯一の『DNA』です。
(感染経路)血液・体液を介した感染⇒輸血や針刺し事故、出産時の産道感染などによる感染血液への暴露、性交渉などによる体液暴露によって感染します。
そっかぁ~母子の間での垂直感染もあるのね。
ということは‥授乳中も感染したりするリスクはあるのかな?
授乳によって基本的には感染しませんので授乳して大丈夫です。
ただ乳頭部が切れて出血している場合は、感染リスクが高まります。
その際は‥一時的に授乳は避けた方が良いです!
また胎内感染は稀で、垂直感染の多くは‥分娩時に臍帯から母体血が胎児に移行することや母体血が胎児の皮膚・粘膜に触れることで、経産道感染を起こります。
HBVに感染している母親から生まれた新生児には、『HBワクチン』と『HBグロブリン』を投与してHBV感染を予防します。
ワクチン等で予防しないと‥感染率は80~90%と言われています。
【新生児に対するB型肝炎予防】
・HBワクチンは、(1回目)生後12時間以内、(2回目)生後1か月、(3回目)生後6か月に計3回接種を行う。
・HBグロブリンは、生後12時間以内に1回投与する。
(潜伏期)A型肝炎ウイルスに感染後は、1~6か月の潜伏期間を経て発症します。
(症状)主な症状は、他の肝炎と同じです。
(経過)成人は免疫機能が確立しているため、多くの場合は一過性に感染して、症状が出ない( 不顕性感染)まま‥自然治癒します。
他方で、免疫機能が不十分な乳幼児などがB型肝炎ウイルスに感染すると、ウイルスを異物と認識できないため肝炎を発症せず、ウイルスを体内に保有した状態(キャリア)になります。
免疫機能が不十分な人は、乳幼児の他に‥透析している人や免疫抑制剤を使用している人などがそうです。
また少ないですが‥慢性肝炎となることもあります。
(検査)核酸増幅検査とHBV抗原とHBV抗体を調べます。
現在、肝炎ウイルスの中で抗原検査があるのは‥B型肝炎とC型肝炎です。
各種抗原と抗体については‥以下のようになります。
【B型肝炎の検査】
HBs抗原⇒現在の感染状態
HBs抗体⇒既往感染(治癒)
HBe抗原⇒現在の強い感染状態
HBe抗体⇒非活動状態(回復期)
HBe抗原があるときは‥感染が強くて状態が悪いときで、他者に対する感染力も強いといわれています。
IgM型HBc抗体⇒現在の発症早期の感染状態
IgG型HBc抗体⇒発症後期もしくは既往感染
HBV‐DNA⇒血中ウイルス量
HBsの『s』は「surface」の略で「表面」
HBeの『e』は「envelope」の略で「包むもの」
HBcの『c』は「core」の略で「核」
を意味します。
その通りです。
IgM抗体は感染初期に現れる抗体ですので、それを調べることで今感染しているのか、どうかが分かります。
(治療)主に3つの種類があります。
・抗ウイルス療法(インターフェロン(IFN)や核酸アナログ製剤)
・肝庇護療法(ウルソデオキシコール酸など)
・免疫療法(ステロイドリバウンド療法など)
ステロイドリバウンド療法というのは‥ステロイドを使用し、免疫機能を低下させた後に、急に使用を中止することで、免疫力を一気に活性化させて、B型肝炎ウイルスを攻撃する治療法のことです。
C型肝炎
B型肝炎と似ているところと、異なる所があるので‥比較しながら覚えていくと頭に残りやすいですよ♪
(核酸)C型肝炎ウイルスの核酸は、B型肝炎ウイルスとは異なり‥『RNA』です。
(感染経路)血液・体液を介した感染⇒輸血や針刺し事故、出産時の産道感染などによる感染血液への暴露、性交渉などによる体液暴露によって感染します。
また胎内感染は稀で、垂直感染の多くは‥分娩時に臍帯から母体血が胎児に移行することや母体血が胎児の皮膚・粘膜に触れることで、経産道感染を起こります。
感染経路は基本的には‥B型肝炎と同じです。
C型肝炎ウイルスの感染力はB型と比べてかなり弱いと言われています。
なので‥B型肝炎と違って、性交渉での感染は稀(ほとんどない)です。
HBVに感染している母親から生まれた新生児に対しては、残念ながらB型肝炎のような『ワクチン』と『グロブリン』はありません。
HCウイルスの外殻(エンベロープ)のタンパク質を作る遺伝子が変異を起こし易いため、体内でHCV抗体ができても、その時にはすでに無効になっていたりします。
そのため、『ワクチン』も『グロブリン』もできていないのが現状です。
C型肝炎の母親が出産して、母子感染を起こす確率は約10%と言われています。
母親に対してHCVウイルス量を減らす治療を行うことで、感染率を減らすことができます。
(潜伏期)A型肝炎ウイルスに感染後は、1~3か月の潜伏期間を経て発症します。
(症状)主な症状は、他の肝炎と同じです。
(経過)感染者の約30%は治癒しますが、残りの70%はウイルスが自然に排除されずに慢性化して、『慢性肝炎』になります。
B型肝炎は慢性肝炎になる人は少なかったけど、C型肝炎では大部分の人がキャリアから慢性肝炎になるのね!
その通りですね!
また慢性肝炎の人は肝硬変・肝がんにもなりやすくなります。
肝がんの人の約7割がC型肝炎と言われています。
(検査)核酸増幅検査とHCVc抗原とHCV抗体を調べます。
少し前はHCV抗原検査はありませんでしたが、現在は抗原検査もできるようになりました。
一般的には、HCV抗体検査が陽性であれば、現在の感染か、既往感染か判断するために、核酸増幅検査をします。
(治療)主に2つの種類があります。
・抗ウイルス療法(インターフェロン(IFN)や核酸アナログ製剤)
※核酸アナログ製剤としては主にリバビリンが使われる。
・肝庇護療法(ウルソデオキシコール酸など)
D型肝炎
D型肝炎は、B型肝炎に重複して起こる感染という特殊な形式の感染です。
日本での感染者はほとんどいませんので‥看護師国家試験でも細かい所まで問われることはないと思われます。
(核酸)D型肝炎ウイルスの核酸は‥『RNA』です。
(感染経路)血液・体液を介した感染⇒輸血や針刺し事故、出産時の産道感染などによる感染血液への暴露、性交渉などによる体液暴露によって感染します。
HBウイルスと同様の感染経路です。
HDウイルスの増殖にはHBウイルスが必要で、予防にはHBワクチンが有効です。
(潜伏期)A型肝炎ウイルスに感染後は、1~6か月の潜伏期間を経て発症します。
(症状)(経過)もHVBと同様です。
(検査)核酸増幅検査とHDV抗体を調べます。
看護師国家試験問題の解説
では、今まで学んできた知識を元に、はじめの方でみた看護師国家試験問題を解いていきましょう♪
看護師国家試験問題(第110回 午前27問)
ウイルス性肝炎の起炎ウイルスでDNAウイルスはどれか。
1.A型肝炎ウイルス
2.B型肝炎ウイルス
3.C型肝炎ウイルス
4.E型肝炎ウイルス
ウイルス性肝炎の多くは、核酸が「RNA」でしたが、唯一B型肝炎が「DNA」でした。
よって答えは、「2.B型肝炎ウイルス」です。
医療者は約5年毎にB型肝炎ワクチン接種をしていますが‥。
それがDNAなんだな~といった感じで覚えています!
もう1つは「B型肝炎ウイルス⇒DNA」ということで、「BD(ブルーレイディスク)」でも頭に残していますよ♪
看護師国家試験問題(第103回 午後50問)
B型肝炎と比べたC型肝炎の特徴について正しいのはどれか。
1.劇症化しやすい。
2.性行為による感染が多い。
3.無症状のまま慢性化しやすい。
4.ワクチン接種による感染予防対策がある。
B型肝炎とC型肝炎の違い‥そこからC型肝炎の特徴について訊かれている問題ですね。
順番に選択肢をみてみましょう!
「1.劇症化しやすい。」
劇症肝炎というのは、急性肝炎が劇症化(急性肝不全)したものを言います。
C型肝炎は急性肝炎に移行するものはほとんどありません。
そっかぁ~、急性肝炎にほとんどならないから‥当然劇症化もほとんどない訳ね!
その通りです。
逆にB型肝炎の特徴を訊かれているのであれば‥「劇症化しやすい」と言えます!
なので、「1」は「✖」です。
「2.性行為による感染が多い。」
C型肝炎ウイルスは、感染力が弱いため、体液での感染はしにくいことが言われていましたね。
なので、これもB型肝炎の特徴であれば「〇」ですが、C型肝炎の特徴なので「×」となります。
「3.無症状のまま慢性化しやすい。」
無症状というのは、ザックリ言えば‥『キャリア』ということです。
C型肝炎の特徴は『キャリアとなって慢性化しやすい』ということでしたね。
なので、「3」は「〇」です。
「4.ワクチン接種による感染予防対策がある。」
B型肝炎ウイルスにはワクチンがありますが‥C型肝炎ウイルスにはワクチンがありませんでしたね。
C型肝炎は、劇症化しないのはいいけど‥慢性化もしやすくてワクチンもないのは困りましたね。
なので、これは「×」です。
答えは、「3」です。
さいごに♪
始めは覚えるのも大変ですが、問われるポイントは「B型肝炎とC型肝炎の違い」や「B型肝炎の検査データの意味の読み取り」「A型肝炎の特徴(経口感染)」など‥ある程度決まっています。
はじめは‥忘れては覚えるの繰り返しだと思いますが、忘れたら復習をして長期記憶に残していきましょう!
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
まずは、看護師国家試験合格🌸‥そしてその先にある臨床で楽しく看護するための『力』をつけていくこと目標に、一緒にがんばっていきましょうo(*^▽^*)o
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