こんにちは!ねこ太🐈です。
何時間も勉強しているのに、なかなか覚えられない‥問題が解けない‥って苦しいですよね。
ここでは、看護師国家試験に向けて確かな実力をつけるための学習を一緒にしていきますヽ(*^^*)ノ
今回は、『腎臓の解剖生理』について、バッチリ克服していっちゃいましょう!
「腎臓ってどんな構造をしているの?」
「各部位の名称は?」
「腎臓の働きって、尿を作る以外に何かあるの?」
「腎臓から分泌されるホルモンって‥いくつあるの?」
これを読み終わる頃には、これらの疑問にしっかり答えられます!ヾ(≧∇≦*)/
腎臓の解剖生理に関する看護師国家試験問題を解いてみよう!
まず以下の3問を解いてみましょう。
(第105回 午後29問)
腎臓について正しいのはどれか。
1. 腹腔内にある。
2. 左右の腎臓は同じ高さにある。
3. 腎静脈は下大静脈に合流する。
4. 腎動脈は腹腔動脈から分かれる。
※答えは後半の「最初の看護師国家試験問題を解いてみよう!」に載せています。
(第106回 午後27問)
アルドステロンで正しいのはどれか。
1. 近位尿細管に作用する。
2. 副腎髄質から分泌される。
3. ナトリウムの再吸収を促進する。
4. アンジオテンシンⅠによって分泌が促進される。
※答えは後半の「最初の看護師国家試験問題を解いてみよう!」に載せています。
(第102回 午前77問)
ナトリウムイオンが再吸収される主な部位はどれか。
1. 近位尿細管
2. Henle〈ヘンレ〉のループ〈係蹄〉下行脚
3. Henle〈ヘンレ〉のループ〈係蹄〉上行脚
4. 遠位尿細管
5. 集合管
※答えは後半の「最初の看護師国家試験問題を解いてみよう!」に載せています。
この問題を解くためには、腎臓の位置・構造・機能についての知識が必要となってきます。
これらについて、問題を解くためだけの知識に限らず、少し範囲を広げて復習していきます。
それでは‥ねこ太🐈と一緒に楽しく『広げ学習』をしながら、『知識』と『思考力』をサクッと身に付けていきましょうヽ(*^^*)ノ
『広げ学習』とは1問を解くことを通して、広~く深~く学習をして、3~4問解けるだけの知識を身につけていく学習のことです。(by ねこ太)
腎臓ってどんな構造をしているの?
いきなり細かい部分をガッツリまとめていくのではなく‥
まずはザックリと腎臓の解剖生理全体を軽く復習して‥
最後に問題を解きながら、他に必要な知識があれば追加していきましょう♪
腎臓の位置と構造
腎臓は第11胸椎~第3腰椎の間にあるソラマメ形の臓器で、『右の腎臓』は『肝臓』の下にあるため『左の腎臓』よりも2~3㎝低い位置にあります。
腎臓の大きさは、その人の握りこぶし大で、成人の場合は重さ130g程度です。
腎臓のややくぼんだ部分には、「腎動脈」「腎静脈」「尿管」が出入りしており、この部分を『腎門』という。
腎臓実質は『皮質』と『髄質』に区別される。
皮質⇒糸球体が集まる部分
髄質⇒全体として円錐状の形をしており、尿を濃縮する部分
腎髄質の円錐状の先端部分を『腎乳頭』と呼び、その上に『腎杯』がかぶさっています。
つまり、腎乳頭から分泌された尿が腎杯を通って腎盂に集まる訳です。
そのイメージは、まさに‥先の写真にある「牛の乳しぼり」のようですね!
「牛の乳頭」≒腎乳頭
「乳しぼりの器」≒腎杯
という訳ね!なるほど~。
【尿の経路】
(集合管)⇒腎乳頭⇒腎杯⇒腎盂⇒尿管⇒(膀胱)
ネフロンの構造と機能
腎臓の機能を理解する上で欠かせない‥「ネフロン」の構造と機能について、まずは勉強していきましょう!
これが理解できると‥腎臓の機能も分かりやすくなりますので、頑張っていきましょうね♪
腎臓では、血液をろ過して尿を作りますよね。
その最小単位を『ネフロン』と言います。
『ネフロン』は以下のもので構成されています。
【ネフロンの構成要素】
『糸球体』『ボウマン嚢』『近位尿細管』『ヘンレループ』『遠位尿細管』
集合管はネフロンに含まれないんですか?
そうなんです!複数のネフロンから尿を集めているのが、集合管です。
ネフロンは左右の腎臓それぞれに約100万個ずつあります。
ネフロンの構造については‥看護師国家試験にもよく出題されるので、図をイメージしながら‥サクッと覚えちゃいましょう!
ネフロンの最後の遠位尿細管が集合して『集合管』になるんですね‥。
意味を考えると、名前も覚えやすいですね!
では、もう少し細かく見ていきましょう。
腎臓に流れ込んできた血液は、『糸球体』でろ過されます。
ろ過されたものを『原尿』といいます。
腎臓に流れ込んでくる血液は、心臓から送られる血液の1/4とかなり多いです。
それだけ腎臓が大切な役割を果たしているということでもありますね!
『原尿』は『ボウマン嚢』で受け止められ、その後は『(近位)尿細管』へと流れていきます。
この『糸球体』と『ボウマン嚢』を合わせて『腎小体』と呼びます。
『原尿』は尿細管以降で、再吸収・分泌を経て、最終的に体外へ排泄される尿となります。
ろ過⇒腎臓の糸球体で血液から不要な水分や物質を原尿として分離して取り除くこと
再吸収⇒ろ過した原尿中にある必要な水分と電解質を再び血液中に戻すこと
分泌⇒ろ過できずに血液中に残った不要な水分や物質を尿細管中に排泄すること
ろ過は糸球体でのみ行われますが、再吸収や分泌はネフロンの『近位尿細管』『ヘンレループ』『遠位尿細管』『集合管』で複雑に行われています。
この図よりも実際はもっと複雑ですが、腎臓の働きを表していて‥とても有用なので、押えておきましょう!
ろ過されて原尿として出てきた物質の中で、グルコース(ブドウ糖)はとても身体に大切であるため、基本的には‥100%再吸収されます。
また逆にBUNやCreなどの不要な物質は基本的に再吸収されずに‥そのまま排泄されます。
それ以外の物質(水、ナトリウム、HCO3-など)は‥ろ過された後もバランスを保つために必要な分だけ『再吸収』されたり、不要な分だけ『分泌』される訳です。
なんかゴミ捨てに似てますね!
ゴミを捨てたけど、間違って捨てたから回収(再吸収)しにいくとか‥
本当のゴミはそのままゴミ焼却施設へとか‥
その通りですね。
分泌は「ゴミを捨て忘れてしまったので、ゴミ収集車が回収した後に追いかけて捨てに行く」イメージです。
腎臓にはどんな機能があるの?
ここからは、腎臓の機能について、ネフロンにおいてどのように尿を作っているのか、ホルモンとの関係などについて学んでいきます!
ここからは、腎臓での細かな働きについて、順次勉強していきます。
最後に、『まとめ』として腎臓の機能を表を載せていますので、ぜひ確認してくださいね!
老廃物の排泄
まず、腎臓の1つ目の機能は「老廃物の排泄」です。
腎臓では、体内で生じた代謝産物‥特に不要となった老廃物を尿として体外に排泄しています。
老廃物には様々なものがありますが、代表的なものとして、BUN(尿素窒素)、Cre(クレアチニン)があります。
【腎臓で排泄される代表的な老廃物】
BUN(尿素窒素)⇒タンパク質の代謝産物である尿素中の窒素
Cre(クレアチニン)⇒筋肉内のクレアチンの最終代謝産物
このような尿中に排泄される老廃物を『尿毒素』といいます。
尿毒素が排泄されずに体内に蓄積されてしまうと‥尿毒症を呈します。
老廃物は身体に不要ですので、基本的には再吸収されずに尿として体外へ排泄されます。
その中でも‥Cre(クレアチニン)はろ過された後、再吸収も分泌もされません。なので‥腎臓のろ過機能をみるための指標になります!
他方で‥BUNは脱水時には水と一緒に再吸収されます。
そのため‥BUNとCreの比‥つまり「BUN/Cre」は通常は10前後ですが、脱水時には20以上になったりします。
水の調節
水分に関しては、150L~180Lあった原尿は尿細管で吸収され、腎杯に出る頃には99%が吸収されて1%が尿として排泄されます。
文献によって差がありますが‥
水(H2O)は近位尿細管で多く再吸収され、近位尿細管からヘンレループ⇒遠位尿細管⇒集合管といくにしたがって、再吸収される水の量は減っていきます。
また水分の摂取状況によっても、再吸収される量が変わってきます。
水分摂取が少ない⇒血液の浸透圧上昇⇒下垂体後葉からADH分泌増加⇒水の再吸収の増加⇒尿量の減少
水分摂取が多い⇒血液の浸透圧低下⇒下垂体後葉からADH分泌減少⇒水の再吸収の低下⇒尿量の増加
ADHとは『Antidiuretic Hormone』と書きます。『Anti(アンチ)』とは『抗う(あらがう)=抵抗する』という意味で、抗生剤も『Antibiotic』と言います。
『diuretic』とは『利尿=尿をよく出す』という意味なので‥ADHは『抗利尿ホルモン』と言われます。
「抗利尿ホルモン(ADH)」はバソプレシンともいわれ、下垂体後葉から分泌されるホルモンです。
「抗利尿ホルモン(ADH)」
血漿浸透圧が上昇すると分泌されるホルモンで、腎臓の集合管に働いて水(H2O)の再吸収を促進させる。
「血漿浸透圧が上昇する」とは、簡単にいえば‥高張性脱水の状態です。
血液中の水分量に対して溶けている電解質が多い(電解質濃度が高い)ため、ホメオスタシスが働き、血液を薄めようとして、腎臓で水の再吸収が進む訳です。
ちなみに‥感知する部位は『視床下部にある浸透圧受容体』です。
このホルモンは超大事なので、覚えておきましょう!
そっかぁ~、ADHによって‥身体の中の水は調節されているのね。
電解質の調節
体内の電解質として、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Ca(カルシウム)、 Cl( クロール)、Mg(マグネシウム)、P(リン)などがあります。
腎臓では、ネフロンにおいて『ろ過』『再吸収』『分泌』を行い、電解質の濃度が一定になるように調節されています。
電解質も水と同じように身体にとっては必要なものですよね。
でも‥過剰にあっても身体に良くないから、適切な量・濃度でバランスをとっているんですね♪
その通りです♪
例えば‥Na+は、身体の電解質で最も多い電解質で、浸透圧を維持するためにとても大切です。
浸透圧が高かったり、低かったりすると‥身体の細胞は上手く機能しなくなってしまいます。
また電解質の再吸収や分泌にはホルモンも関係していますよ!
【腎臓において電解質の調整をするホルモン作用】
副甲状腺ホルモン(PTH)⇒遠位尿細管におけるCa(カルシウム)の再吸収
アルドステロン⇒集合管におけるNa(ナトリウム)の再吸収、K(カリウム)の分泌
酸塩基の調節
身体では様々な物質が日々代謝(合成・分解)されていますが、代謝された結果、酸性物質が多く生成されます。
そのため、基本的には‥『酸』は排泄し、さらに『塩基』は回収する必要があります。
その主軸を担っている臓器の1つが‥腎臓です!
酸塩基を調節しているもう1つの臓器は肺です。
このようにして、腎臓ではpH=7.35~7.45を保つように酸塩基のバランスを保っています!
『酸塩基平衡』やその異常(アシドーシス・アルカローシス)については、別の記事で詳しく解説していますので‥もし良かったらご覧ください♪
なるほど~。
『酸塩基』も電解質と同じように体内ではバランスが保たれているんですね♪
そして‥最後に、腎臓では、もう1つ排泄しているものがあります。
う~ん、何だろう?
老廃物でもなくて‥水でも電解質でもない‥??
実は‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
コラ!早く答えんかい!
は‥はい!!
実は‥腎臓ではホルモンや薬剤を代謝・排泄しています。
薬剤・ホルモンの不活化・排泄
腎臓では薬やその代謝産物も排泄されます。
腎不全だと薬剤の血中濃度が高くなりすぎて副作用も出やすくなるので注意が必要です。
一部の薬は肝臓で排泄されますが、一般的に薬の多く(特に水溶性の薬)は腎臓で排泄されます。
また腎臓では、インスリン、成長ホルモン、副甲状腺ホルモン(PTH)といったホルモンを不活化して、排泄する機能があります。
そのため腎不全では、これらのホルモンが不活化せず、作用が強く現れたりします。
(例)インスリンが不活化しない⇒低血糖になる
血圧の調節
血圧の低下を身体が感知すると‥腎臓から「レニン」というホルモンが分泌されます。
「レニン」は「レニンーアンギオテンシン-アルドステロン系(RAA系)」に出てくる一番初めのホルモンで、RAA系を動かし、血圧を上昇させます。
RAA系はちょっと長い話になるので、ここでは詳しくは解説しませんが、簡単に触れておきます!
「レニン」とは
低ナトリウム血症や腎血流量の低下、さらには交感神経系の興奮によって、腎臓の傍糸球体細胞からレニンが分泌される。レニンーアンギオテンシン-アルドステロン系に関与し、血液量を維持して血圧を上昇させる作用がある。
傍糸球体細胞は輸入細動脈の血管壁にあります。
レニンはアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンⅠに変えるなどして次々と反応を起こし、最終的には副腎皮質からアルドステロンが分泌されます。
「レニンーアンギオテンシン-アルドステロン系」
レニン⇒アンギオテンシンⅠ⇒アンギオテンシンⅡ⇒アルドステロン
かなり大雑把な捉え方ですが、始めはこのレベルで十分ですので、レニンから始まって最終的にアルドステロンが分泌されることを覚えておきましょう!
「アルドステロン」は副腎皮質ホルモンの一つで、一番外側の球状層から分泌される‥電解質に関与する鉱質コルチコイドと呼ばれるホルモンの1つです。
「アルドステロン」
レニンーアンギオテンシン-アルドステロン系(RAA系)が働いた結果‥最後に分泌されるホルモンで、腎臓の集合管に働いてNa+(ナトリウムイオン)の再吸収を促進する。他方で、K+(カリウムイオン)の分泌を促進します。
Na+(ナトリウムイオン)の再吸収は、水(H2O)の再吸収にも影響を与えます。
つまり、Na+が再吸収されれば、浸透圧によって水も同時に再吸収されることになります。
このホルモンも超大事なので、覚えておきましょう!
【抗利尿ホルモン(ADH)とアルドステロンの違い】
抗利尿ホルモン(ADH)⇒水(H2O)のみを直接的に再吸収する。
アルドステロン⇒Na+を再吸収することで、間接的に水を再吸収します。
共通部分は抗利尿ホルモン(ADH)もアルドステロンも共にネフロンの集合管に作用して水を再吸収して循環血液量を保持します。
造血作用
腎臓から分泌されるホルモンは、もう1つあります。
それが「エリスロポエチン」です。
【エリスロポエチン】
動脈血中の酸素分圧が低下すると、腎臓の間質線維芽細胞ではエリスロポエチンがつくられ、骨髄にある赤血球系の幹細胞を刺激して赤血球産生を促進する。
腎臓には心臓から送られてくる血液の1/4が流れてくる臓器なので‥赤血球が足りているかを把握するセンサーを置くにはもってこいの臓器かもしれませんね!
腸管からのカルシウムの吸収
もう1つは‥厳密にはホルモンではないですが、ホルモンのような働きをするものがあります。
それは‥「活性型ビタミンD3」です。
「活性型ビタミンD3」とは
ビタミンD3は経口的に食物として摂取したり、日光の紫外線によって皮膚で作られた後、肝臓を経て腎臓で活性型ビタミンD3に変換される。
活性型ビタミンD3は腸管でのカルシウム吸収と骨形成を促進する。
確かに働きぶりはホルモンみたいですね♪
間違えやすい注意点
尿管と尿道は似ているけど、別ものです。
勘違いしやすい所なので、頭を整理しておきましょう!
わたしも区別がつかなくて、間違えちゃうときがあります‥。
ネフロンの所でもでてきました『尿細管』は、その間に『細』という字がついて、その名の通り、『尿が通る細い管(くだ)』です。
そして尿ができて腎臓の腎盂に集まり、そこから膀胱にプールされます。
その間の管(くだ)が『尿管』です。
尿細管⇒尿管⇒尿道の順番ね!
『管』が、集まって太い『道』になる感覚ね♪
もう間違えない!!
最初の看護師国家試験問題を解いてみよう!
(第105回 午後29問)
腎臓について正しいのはどれか。
1. 腹腔内にある。
2. 左右の腎臓は同じ高さにある。
3. 腎静脈は下大静脈に合流する。
4. 腎動脈は腹腔動脈から分かれる。
この問題は腎臓の位置や名称に関する問題です。
今までのザックリした復習でカバーしきれていない部分もあるので、まとめたものに追加(補足)していきましょう!
まず、「1」ですが、腎臓は腹腔内にあるのか‥?
お腹の中の臓器っていったら、胃や小腸・大腸、それに肝臓や胆のう、膵臓、腎臓、子宮とか?やっぱり腎臓は腹腔内の臓器なような気がするけど‥。
実は、違います‥。
え~~~~~~~~。違うの?
腎臓は腹腔内にあるというよりは、腹腔の壁にくっついている感じです。
もう少し別の言い方をすると‥『後腹膜』の後ろにある訳です。
なので、『腹膜後器官(後腹膜臓器)』と呼ばれます。
分かりやすく言うと‥腹腔内にある臓器というのは‥表も裏もすべて腹膜に覆われているものを指します。
腹腔臓器としては、胃はそうですが、十二指腸や上行結腸、下降結腸、直腸などは、腹膜の裏に埋もれている状態ですので、『腹膜後器官』です。
他には膵臓、腎臓・尿管、膀胱、腹部大動脈、下大静脈、子宮なども『腹膜後器官』です。
ということで、選択肢1は「×」になります。
次に「2.左右の腎臓は同じ高さにある」ですが‥
右に肝臓があるから、右の腎臓は少し(2~3㎝)下にあるんでしたよね!
その通りです。なので、選択肢2は「×」ですね。
「3. 腎静脈は下大静脈に合流する。」「4. 腎動脈は腹腔動脈から分かれる。」についても、やっていなかったですね‥。
こういった問題を通して、腎臓には腎門から『腎動脈』『腎静脈』が出入りするという以外にも‥
それらの血管がどこから分岐しているのか、どこにつながっているのかまで理解が求められているということが分かります。
図にあるように、腎動脈は『腹大動脈』から分岐し、腎静脈は『下大静脈』につながっていきます。
ということで、選択肢3は「〇」、選択肢4は「×」になります。
正解は「3」です。
(第106回 午後27問)
アルドステロンで正しいのはどれか。
1. 近位尿細管に作用する。
2. 副腎髄質から分泌される。
3. ナトリウムの再吸収を促進する。
4. アンジオテンシンⅠによって分泌が促進される。
「1. 近位尿細管に作用する。」というのは「×」でしたね。
アルドステロンも抗利尿ホルモンも‥集合管に作用します。
「2. 副腎髄質から分泌される。」については‥
ちょっと待ってください‥。腎臓からはレニンが分泌されて‥最終的にアルドステロンが分泌されるんだけど、それは腎臓ではなくて、副腎皮質の‥どこだっけ?
素晴らしいですね!
そこまで覚えているなら、ちょっとここで追加学習をしていきましょう!
【副腎皮質とホルモン】
副腎皮質は髄質に近い内側から順に「網状層」⇒「束状層」⇒「球状層」となっています。
「球状層」⇒アルドステロン(鉱質コルチコイド)
「束状層」⇒コルチゾール(糖質コルチコイド)
「網状層」⇒アンドロゲン(男性ホルモン)
わたしは、副腎皮質のホルモンの分泌部位に関しては言葉で覚えるよりも自分の印象に残るように視覚的にイメージをして覚えています。
【副腎皮質ホルモンの覚え方】
球状層⇒アルドステロンが関与するNa+、K+も共に1つの原子‥球です!⇒アルドステロン(鉱質コルチコイド)
束状層⇒3層の真ん中‥副腎皮質ホルモンの中心的役割!⇒コルチゾール(糖質コルチコイド)
網状層⇒ねこ太(男性)は大雑把な性格なので、何をやってもザル(網)のように勉強していても漏れが多い⇒アンドロゲン(男性ホルモン)
「世の中の男性全員がそうだ!」という訳ではありません。わたしに限っての事です‥。
自分なりの覚えやすい方法でOKです。紹介した覚え方は参考にしてくださいね‥。
とりあえず、2は副腎髄質ではなく、副腎皮質なので「×」ですね。
「3. ナトリウムの再吸収を促進する。」についてはどうでしたか?
これは、わたしが答えます!
抗利尿ホルモン(ADH)は水を吸収するだけだったけど、アルドステロンはNa+を吸収してK+を分泌だったから‥3は「〇」です。
じゃあ、4はわたしが答えましょう!
「4. アンジオテンシンⅠによって分泌が促進される。」は×です。
なぜなら、アンギオテンシンⅡによってアルドステロンは分泌されるから!
2人とも素晴らしいけど、わたしの言う事が‥。
正解は「3」です。
(第102回 午前77問)
ナトリウムイオンが再吸収される主な部位はどれか。
1. 近位尿細管
2. Henle〈ヘンレ〉のループ〈係蹄〉下行脚
3. Henle〈ヘンレ〉のループ〈係蹄〉上行脚
4. 遠位尿細管
5. 集合管
これは、やや難しいですが、再吸収の大部分は『近位尿細管』で吸収されると言われています。
そのことを頭に入れておきましょう!
【近位尿細管で大部分(~80%)再吸収される物質】
水(H2O)
Na+(ナトリウムイオン)
K+(カリウムイオン)
Ca2+(カルシウムイオン)
HCO3-(重炭酸イオンもしくは炭酸水素イオン)
HPO42-(リン酸水素イオン)
K+も糸球体でろ過されて原尿の中に入っていたんですね。
そして近位尿細管で再吸収、その後に分泌もされて、身体に残す量を調節しているのか~♪
ナトリウムについては、『ヘンレループ』『集合管』でも吸収されます。
特に『集合管』ではアルドステロンが働いて、再吸収されるので、そこがメインかと考えやすいかもしれませんね‥。
ゴミ捨てで回収されてしまった後、すぐに(近位尿細管)回収しますが、最後の方(集合管)まで行ってしまったものは、業者さん(アルドステロン)にお願いして、回収(再吸収)するイメージですね。
正解は「1」です。
ねこ太オリジナル確認問題
最後に、わたしが作成したオリジナル問題を解いてみましょう!
腎臓と膀胱をつなぐものはどれか?
1.尿細管
2.集合管
3.尿管
4.尿道
5.腎盂
「1.尿細管」「2.集合管」「5.腎盂」は腎臓の中の話でしたね。
「4.尿道」は膀胱から尿道口つながる尿の通り道でした。
正解は「3」です。
ネフロンの構成単位に含まれないものはどれか?2つ選びなさい。
1.集合管
2.腎小体
3.ヘンレループ
4.糸球体
5.腎盂
ネフロンの構成単位を覚えていれば、解けますね。
ネフロンは『腎小体(糸球体+ボウマン嚢)』から始まって、集合管に注ぐ『遠位尿細管』までですから‥。
「2.腎小体」「3.ヘンレループ」「4.糸球体」はネフロンの構成単位に含まれています。
「1.集合管」は複数のネフロンから流れる尿が注ぐ太い川のようなものです。これは間違えそうですが「×」です。
そして、「5.腎盂」は腎杯から出てきた尿が集まる部分ですので、これもネフロンの構成単位ではなく、「×」です。
問題はネフロンの構成単位に含まれないものを訊いているいるので‥。
正解は「1」です。
腎動脈や腎静脈が腎臓に出入りする部分を何というか?
1.腎盂
2.腎杯
3.腎門
4.腎乳頭
尿ができて送られてくる通り道を考えてみましょう。
ネフロンで生成された尿は集合管を通って腎乳頭から出て、腎杯で受け止められ、腎盂へと流れていきます。
なので、「1.腎盂」「2.腎杯」「4.腎乳頭」は違います。
一応、図で確認しておきましょう!
正解は「3」です。
副腎皮質の束状層から分泌されるホルモンはどれか。
1.コルチゾール
2.アルドステロン
3.アンドロゲン
4.抗利尿ホルモン
腎臓の問題からはちょっと外れましたが、広げ学習をした結果、この問題も解けてしまいます。
まず「4.抗利尿ホルモン」は脳の下垂体から分泌されて、腎臓に働きかけて、水を再吸収するホルモンですので、「×」です。
1~3は全て副腎皮質から分泌されるホルモンなので、迷いますね‥。
先程の看護師国家試験問題でも勉強しましたが‥。
副腎皮質の束状層は皮質の中で、真ん中‥最も分厚い部分で、ステロイドホルモンの中心的役割を果たすホルモンである「コルチゾール(糖質コルチコイド)」が分泌されます。
「アルドステロン」は最も外側の球状層、「アンドロゲン」は最も内側の網状層でしたね。
さいごに‥まとめ♪
いかがでしたでしょうか?
複雑な機能も‥イメージしながら、整理していくと覚えやすくなります。
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
まずは、看護師国家試験合格‥そしてその先にある臨床で楽しく看護するための『力』をつけていくこと目標に、一緒にがんばっていきましょう!
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