こんにちは!ねこ太🐈です。
今回は、『糖尿病』についてバッチリ克服していきます!
私の受け持ち患者さんが、糖尿病でしたけど、初回の教育入院で‥テキストにあるような症状もなかったので、余りイメージがつかなかったです。
そうだったんですね‥。
実は‥一緒に住んでいた‥わたしの祖父が糖尿病でしたので、症状や合併症、治療や看護なども目の前で見てきました。
今回はその辺のことも詳しく説明していきたいと思います。
それでは、国試合格🌸に向けてねこ太🐈と一緒に楽しく勉強していきましょうヽ(*^^*)ノ
自分でノートにまとめるより、参考書に書き込んで勉強していくタイプの人にはレビューブックがすごくオススメです!
ちなみに‥わたしもそういうタイプです♪
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糖尿病に関する看護師国家試験問題を解いてみよう!
力試しと思って‥まずは看護師国家試験問題を解いてみてくださいね!
後半の『看護師国家試験問題のねこ太解説』で解き方を解説していきます。
看護師国家試験問題(第106回 午後42問)
1型糖尿病と診断された人への説明で適切なのはどれか。
1.自己血糖測定の試験紙の費用は医療保険の対象外である。
2.食事が摂取できないときはインスリン注射を中止する。
3.低血糖症状には振戦などの自律神経症状がある。
4.運動は朝食前が効果的である。
看護師国家試験問題(第102回 午後95問)
次の文を読み、次の問に答えよ。
Aさん(54歳、女性)は、10年前に2型糖尿病と診断され、外来受診を続けていた。今回血糖コントロールが不良となり、精密検査とインスリン治療を検討するために入院した。身長154cm、体重45kg、HbA1c9.0%。早朝空腹時血糖値178mg/dL、食事摂取の指示エネルギー量は1,400kcal/日である。
入院後5日。超速効型インスリンの自己注射が開始された。開始7日、Aさんがインスリン注射を忘れて、昼食を食べ始めていたところを看護師が発見した。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1.食事を中断して血糖値を測定する。
2.食事を中断してインスリン注射をする。
3.インスリン注射の必要性を再度詳しく説明する。
4.今後は看護師が食前に注射をするよう声をかけると説明する。
看護師国家試験の問題を解くための力をつけるのはもちろんのこと♪
実習や臨床で働く際に役立つ知識を身に付けるために、これから一緒に楽しく『広げ学習』をしていきましょうヾ(≧∇≦*)/
『広げ学習』とは、気になったことなどを調べながら、広~く・深~く知識を身につけてい学習のことです。(by ねこ太)
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全部が予想問題だから、初めて出会う問題ばかり!
自分の力試しとか、復習するのにとってもいいかも♪
糖尿病とは?
【糖尿病とは】
インスリンの作用不足により、慢性的に血糖値が上昇する疾患
そうですよね。わたしも授業で習ったので‥分かりますよ♪
でも‥なんで糖尿病になるんだろう?
糖尿病の原因にはいくつかあります!
では、次に糖尿病の分類について勉強していきましょう。
糖尿病の分類
まずは分類として『1型糖尿病』と『2型糖尿病』を押えておきましょう!
1型糖尿病⇒膵臓のβ細胞が破壊されてしまい、インスリンの分泌がほとんどない
2型糖尿病⇒膵臓のβ細胞からのインスリン分泌が少ないもしくは効果が効きにくい
1型糖尿病
インスリンの分泌がないのは、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されてしまってないためです。
血糖値を下げるホルモンは人体ではインスリンのみですので、1型糖尿病の人はインスリンがほとんど分泌されないため、血糖値を下げることができません。
つまり、絶対的なインスリン不足によって高血糖になってしまいます。
1型糖尿病は小児や思春期に発症することが多いです。
子供に発症するんですね‥。
でも、なんで膵臓のβ細胞が破壊されてしまうんだろう?
膵臓のβ細胞が破壊される原因は、まだはっきりと分かっていませんが‥
遺伝的な要因ではなく、自己免疫(抗GAD抗体・IA-2抗体)によるものが考えられています。
2型糖尿病
2型糖尿病の人で、インスリン分泌が少ないのは、1つは遺伝的な要因によって、インスリンを分泌する能力が低下していることがあります。
また高血糖によっても、膵臓のβ細胞がダメージを受けてしまって、インスリン分泌が低下している場合があります。
これをブドウ糖毒性といいます。
一度糖尿病になると‥ブドウ糖毒性で、どんどん糖尿病自体が悪化してしまうんですね。
さらに‥運動不足や食べ過ぎなどによって肥満状態になると、インスリンが分泌されていても十分に効果を発揮できなくなってしまいます。
いわゆる内臓脂肪が身体に蓄積すると、大型脂肪細胞からアディポカインという物質が放出されて、インスリンの働きを妨げると考えられています。
これをインスリン抵抗性と言います。
ちなみに‥小型脂肪細胞からはアディポネクチンが分泌されてインスリン感受性を高めます。
【2型糖尿病のリスク因子】
・遺伝的な要因(家族歴)
・不適切な食生活(高脂肪食、高カロリー食、食物繊維不足など)
・運動不足⇒インスリン抵抗性につながる
・その他⇒ストレス、睡眠不足、喫煙習慣
喫煙は交感神経を興奮させて、血糖値を上昇させるだけでなく、インスリンの働きを阻害します。
他にも別の疾患から糖尿病になるケースもあります。
例えば‥肝不全になると、肝臓にグルコースをグリコーゲンに変換したり、貯蔵することができなくなることで、「肝性糖尿病」となる場合もあります。
(その他)妊娠糖尿病
『1型糖尿病』は糖尿病全体の約5%であるのに対して、『2型糖尿病』は全体の約90%です。
そして残りの約5%が『その他』となります。
圧倒的に『2型糖尿病』の人が多いんですね。
それと‥『その他』ってどんな糖尿病があるんだろう?
その他の糖尿病の1つとして‥「妊娠糖尿病」があります。
母性看護の領域でも、よく出てきますので‥「妊娠糖尿病」も覚えておきましょう!
似た言葉に「糖尿病合併妊娠」というのもありますよ。
ぜひ、区別して覚えておきましょうね♪
え~~~~っ!!
「妊娠糖尿病」と「糖尿病合併妊娠」って同じものじゃないんですか!?
「妊娠糖尿病」と「糖尿病合併妊娠」は言葉としては、似ていますが、少し違います。
どう違うかというと‥。
妊娠糖尿病⇒妊娠中に初めて診断された糖尿病のこと
糖尿病合併妊娠⇒すでに糖尿病と診断されている状態で妊娠すること
妊婦さんは、お腹の中の胎児に十分な栄養を与えなければいけません。
そのために、母体では‥特に妊娠後期において、胎盤からヒト胎盤性ラクトーゲン(HLP)というホルモンが分泌されて、母体の血糖値を上げるようになっています。
ヒト胎盤性ラクトーゲン(HLP)には、母体の血液中のグルコースの組織への取り込みを抑制したり、脂質の分解を促進する作用があります。
そうかぁ~、赤ちゃんを守るためのヒト胎盤性ラクトーゲン(HLP)の働きも‥それが強すぎると、糖尿病(妊娠糖尿病)になってしまうのね。
それに対して、「糖尿病合併妊娠」は、元々糖尿病をもっている訳です。
当然ながら‥妊娠後期にはヒト胎盤性ラクトーゲン(HLP)の働きによってさらに高血糖になりやすいので要注意です。
糖尿病と糖尿病予備軍の推定人数
糖尿病の患者さんはどのくらいいるか分かりますか?
え~~~っと、どのくらいだろう?
平成28年の時点で、糖尿病が強く疑われる患者‥つまり糖尿病患者は推定1000万人と言われています。
また糖尿病が否定できない患者‥つまり糖尿病予備軍も推定1000万人です。
合計すると2000万人で国民のおよそ6人に1人が糖尿病もしくは糖尿病予備軍に該当することになります。
また糖尿病の患者は年々増加傾向にありますが、50歳以上の人に多くみられ、高齢化が原因と考えられています。
遺伝的な要因もあるけど‥。
糖尿病の原因である食生活や運動習慣などの生活習慣によって糖尿病になる訳だから‥誰にでもなるリスクはあるのか‥。
だから‥2型糖尿病の患者さんは、遺伝的全体の90%と圧倒的に多いんだね!
そうなんです!
国としても、国民の健康を守るため‥そして、社会保障制度が持続できるように‥『健康日本21(第二次:2013~2023)』の目標の中にも糖尿病やメタボリックシンドロームに関する目標を掲げて取り組んでいました。
【健康日本21(第二次)】※以下は極一部
・メタボリックシンドロームの該当者・予備軍の減少(1400万人⇒25%減)
・糖尿病有病者の増加の抑制(890万人⇒1000万人)
・糖尿病性腎症による年間新規透析導入患者の減少(1,6247人⇒1,5000人)
糖尿病の検査・診断基準
【血糖値とHbA1cによる診断基準】
糖尿病の診断基準は細かく挙げるとちょっと複雑ですが、簡単に言うと‥血糖値(BS:blood sugar)とHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)から診断します。
つまり‥いずれも血液検査で診断することができます。
血糖値
血糖値については、3つの検査項目があって、いずれかが該当すれば診断することができます。
まずは、【糖尿病の人】と【健康な人】の血糖値の変化を示した‥以下の図を見てみましょう!
まず、空腹時血糖から見ていきましょう!
あれっ、空腹時血糖って食事の前の血糖のことだったかな‥?
うん、たぶんそうだと思うけど‥。
でも、病棟ではいつも空腹時血糖を朝食の前に測定していたような気もする。
いいですね~。
実は、空腹時血糖というのは前回の飲食から10時間以上空けた血糖値のことを言います。
なので‥基本的には朝食前に測定するのが一般的です!
ちなみに‥空腹時血糖のことを「FBS:fasting blood sugar」と言います。
「fast」とは‥「食事を控える」という意味の英語ですよ。
あ‥ありがとうございます!
‥‥‥‥‥
(で‥でも‥この人は誰!?ねこ太せんぱいの知り合い?)
(ぼ‥ぼくも知らない方ですが‥)
ありがとうございます!!
空腹時血糖は【健康は人】は110mg/dl以下が基準値です。
しかし‥【糖尿病の人】は、インスリンの追加分泌も基礎分泌も少ないため、血糖はなかなか下がりきらず‥空腹時血糖も126mg/dl以上となります。
この3つの山(追加分泌)は‥朝昼夕の食事によるインスリンの分泌ですね!
それと‥食事を食べていなくても、エネルギーを作り出すために常にインスリンが分泌(基礎分泌)されているのね~。
随時血糖とは、「食事時間とは関係なく、測定した血糖値」のことです。
随時血糖では、【健康は人】は食後の最高値でも150mg/dl程度までしか上がりませんが、【糖尿病の人】は200mg/dl以上まで血糖値が上がります。
そのため、時間に関係なく血糖値を測ってみて、それが200mg/dlを超えるようであれば‥明らかに異常という訳です。
75gOGTTでは、【健康は人】は食後1時間で血糖値が最高値に達します。
それに対して【糖尿病の人】はインスリンの分泌が少なかったり、効きにくかったりするため、血糖値は直ぐには下がりません。
食後2~3時間でようやく最高値に達して、その後はゆっくりと下がっていきます。
75gOGTTの食後2時間値が200mg/dlを超えるようであれば‥明らかに糖尿病が強く疑われることになります。
HbA1c
HbA1cは1種類ですが、検査値の出し方がJDS値(Japan Diabetes Society value)からNGSP値(National Glycohemoglobin Standardization Program)へと変わりました。
日本人だけを対象としたものから、国際的な比較ができるようにNGSP値に変えたんですね。
その通りです。
「J」と「N」の英語の違いを分かっていれば‥間違うことも少なそうですね!
ちなみに‥JDS値+0.4=NGSP値となります。
Hb(ヘモグロビン)は、酸素だけでなく‥実は糖とも結びつく性質をもっています。
結びつく糖の種類によって呼び方も変わりますが‥
グルコース(ブドウ糖)と結びついたHbを、HbA1c(糖化ヘモグロビン)と呼びます。
HbA1c自体は「ヘモグロビン・エーワンシー」と呼びましたね!
血糖値が高いほどHbに結合するグルコースの量が多くなります。
そして、一度グルコースと結びついたHbは、赤血球の寿命(120日=4か月)が尽きるまで元には戻りません。
そのため、HbA1cがどのくらい存在するか‥割合を調べることで過去の血糖値の状況を推測することができます。
Hbの寿命を考えると‥さすがに4か月前の血糖値は反映はされていないか‥。
そうですね。
ある程度‥その時のHbが残っている必要があるので、だいたい1~2か月の血糖値を反映していると考えられます!
1型糖尿病の診断
糖尿病自体の診断は、血糖値やHbA1cなどからできますが、1型糖尿病かどうかを診断するためには別の検査が必要です。
それが『抗GAD抗体』と『IA-2抗体』で、膵臓のβ細胞に対する自己抗体です。
どちらも血液検査で調べることができます。
その他に、血液中のインスリン濃度を測定することもあります。
そっか~1型糖尿病ではインスリンが分泌されないから、インスリン濃度を測定できれば、診断の手掛かりにもなりますね!
糖尿病の症状・合併症
糖尿病の症状
【糖尿病の症状】
①倦怠感(疲労感)
②体重減少
③多尿、④口渇、⑤多飲
⑥創傷治癒遅延
⑦易感染性
主な糖尿病の症状は7つです!
ぜひ、これらは覚えてしまいましょう♪
糖尿病では、インスリンの分泌が少なかったり、効きが悪いために十分にエネルギーを作り出すことができません‥。
そのため、常に身体が怠(だる)かったり、少し動いただけで疲れやすかったりします(⇒倦怠感)。
体内の脂肪やタンパク質も分解されて、糖に変換されてしまう(糖新生)ため、身体はどんどん痩せていきます(⇒体重減少)。
また血液が腎臓でろ過されますが、血糖値が高いと‥原尿中の糖が十分に再吸収されず、尿中の糖が水分を引き寄せる(浸透圧利尿)ことで尿量が増えます(⇒多尿)。
そして、多尿になれば‥体内の水分が少なくなるため、脱水状態となって口渇感が生じます。
そっかぁ~、口渇感によって、今度は多飲につながるってことですね!
その通りです。
多尿⇒口渇⇒多飲は流れと共に、セットで覚えていくといいですね!
それと‥糖尿病ではタンパク質も脂質も異化作用が働いて、糖に変換されるなど‥異化作用が亢進している状態です。
同化作用よりも異化作用が亢進しているから‥傷を治す(同化作用)のも遅延しやすい訳ですね(創傷治癒遅延)!
その通りですね。
また末梢血管が動脈硬化などによって血流が悪くなっていると‥十分に栄養などがいきわたらないため、やはり傷が治りにくかったりします。
そして、易感染性ですが、血糖値が高いと‥そもそも細菌にとっても栄養素である糖があるため都合が良い訳です。
また高血糖(250mg/dl以上)は血液中の白血球の働きを抑制してしまうため、ますます細菌やウイルスにとっては繁殖しやすい環境になります。
2つまとめて‥「傷が治りにくく(創傷治癒遅延)、感染もしやすい(易感染性)」と覚えてしまいましょう!
糖尿病の急性合併症
覚えるべき急性合併症は3つです。
低血糖
糖尿病の人は‥高血糖になりやすいんじゃなかったの!
確かに‥不思議ですよね。
高血糖になりやすいことで間違いありませんが‥血糖値を下げるための治療によって、下がりすぎてしまい、低血糖になることがあります。
糖尿病の人は、薬物療法としてインスリンを注射したり、インスリンを分泌させる薬を服薬したりしています。
しかし、例えば‥インスリンを注射してから30分以内に食事をするはずが‥時間が遅れてしまって食べられなかったりすると、低血糖を起こしてしまったりします。
一般的な低血糖の定義は70㎎/㎗以下です。
血糖値が60㎎/㎗になると‥交感神経が興奮してアドレナリンなどが分泌され血糖値を上げようと働きます。
その時に現れる症状が交感神経(興奮)症状で、動悸や冷汗、顔面蒼白、手足の震えなどが見られます。
そういえば‥昔運動していて低血糖になったことがあったかも‥。
物凄い空腹感で、手が少し震えて、すごく怖かったです。
その時はジュースを飲んで少ししたら良くなりました。
それが交感神経症状です。
辛かったと思いますが‥そうやって身体が血糖値を上げようと頑張ってくれている訳です。
さらに‥血糖値が低下して50㎎/㎗を切るようになると‥中枢神経症状があらわれて、気持ちがイライラしたり、異常行動が見られるようになります。
酷い場合には昏睡状態となり、最後は脳に障害を起こしたり、死亡してしまうこともあります。
実は‥後ほど紹介する糖尿病神経障害があると‥自律神経(交感・副交感神経)が障害されると、交感神経症状が起こらないまま、急に中枢神経症状が起こって倒れてしまったりすることがあるので‥要注意です!
治療は、意識がしっかりしていればブドウ糖(10~20g)の経口摂取が重要です。
砂糖でも良いですが‥ブドウ糖の倍量の摂取が必要です!
ちなみに‥わたしの大好きなコーラとかファンタとかには沢山ブドウ糖が入っていますので‥吸収も早くてオススメです!
意識がない場合は、病院であれば‥点滴などで50%ブドウ糖液などを点滴したり、インスリンと対をなすグルカゴンを皮下注射することもあります。
高浸透圧高血糖状態
糸球体でろ過した原尿中の糖が多すぎて、近位尿細管で再吸収されないことで、原尿の浸透圧が高まります。
それによって水が原尿中に引っ張られてしまい、尿が増えて、身体から水分が失われてしまう病態です。
これを高浸透圧利尿といいます。
著しい高血糖(BS>600㎎/dl)とそれに伴う高度の脱水が特徴で、循環不全を来します。
治療は、①脱水の補正(主に生理食塩水)、②インスリン投与、③K(カリウム)の補正の3つを行っていきます。
高浸透圧利尿によって、K(カリウム)も尿中に排泄されてしまうため、総量は減少してしまっています。
脱水を補正しながら‥K=3.3mEq/L未満であればK(カリウム)も同時に補充していきます。
糖尿病性ケトアシドーシス
糖尿病性ケトアシドーシスは、DKA(diabetic ketoacidosis)とも表記されます。
糖尿病性ケトアシドーシスは、インスリン欠乏の状態に、コルチゾールなどのインスリン拮抗ホルモンの増加による高血糖(BS>250㎎/dl)と脂質代謝異常による高ケトン血症からアシドーシスとなる病態です。
簡単に言えば‥先程の高浸透圧高血糖状態に、ケトン体増加によるアシドーシスが加わった状態です。
インスリンが欠乏状態‥つまり1型糖尿病をイメージすると分かりやすいですが、そうすると糖利用が全くできないために、脂肪からエネルギーを得ようとする反応が身体で起こります。
その際にできる代謝産物がケトン体です。
ケトン体は脂肪(中性脂肪や脂肪酸)の代謝によって生じるのね!
ケトン体は強酸の酸性物質ですので、アシドーシスになります。
【ケトン体とは】
ケトン体とは、カルボニル基(>C=O)と2個の炭化水素基(R-)が結合 した化合物の総称のことで、アセト酢酸やアセトンなどがある。
アセトンは揮発性の物質で、甘酸っぱいフルーツのような臭いのする物質です。
そのため、DKAを起こした患者さんの呼気からは甘いアセトン臭がすることがあります。
治療は、高浸透圧高血糖状態と同様に‥①脱水の補正(主に生理食塩水)、②インスリン投与、③K(カリウム)の補正の3つを行っていきます。
糖尿病の慢性合併症
うわぁ~結構いっぱいありますね~。
覚えられるかな‥。
大丈夫ですよ♪
暗記が苦手なわたしでもそんなに苦労なくできますから。
覚え方にもコツがありますので、いまから一緒に勉強していきましょう。
ポイントは‥丸暗記よりも理解して覚えるです!
まず、大きく‥『大血管障害』と『細小血管障害』の2つがあることを押えましょう。
大血管障害
大血管障害とは、その名の通り‥比較的太い血管の障害を言います。
糖尿病による血管の障害ってどんな障害なんだろう?
血糖値が高い状態が続いていると、血管の細胞にブドウ糖が変化した物質が蓄積されて、動脈硬化を起こし、血管を閉塞させます。
動脈硬化が、脳の血管や心臓の冠状動脈に起これば‥脳血管障害や虚血性心疾患になります。
また主に下肢が多いですが‥手や足などの末梢血管に起これば‥閉塞性動脈硬化症(ASO:Arteriosclerosis obliterans)という病気になります。
そして、動脈硬化を起こしていくため、当然の事ながら高血圧(糖尿病患者さんの40~60%)を併発します。
そっかぁ、動脈硬化と言えば‥高血圧ですよね!
それと‥脳梗塞も狭心症・心筋梗塞も‥確かに授業で糖尿病とか動脈硬化が原因って習ったかも‥。
そうですよね。
それと‥大血管障害は、血糖値のコントロール状況によっても左右されますが、次に紹介する細小血管障害と比べて‥比較的長い年月(10年‥20年‥)をかけて発症しますよ。
細小血管障害
細小血管障害は、その名の通り細~い血管の障害です。
身体の中に細い血管は沢山ありますが‥その中でも問題として大きいものは3つあります。
これを糖尿病の3大合併症といいます。
【糖尿病神経障害】
糖尿病神経障害は、3大合併症の中で‥最も早く(一般的には5年程)‥そして最も多くみられる合併症です。
機序としては主に2つあります。
【糖尿病神経障害を起こす機序】
①高血糖⇒神経に栄養を与える細い血管の動脈硬化⇒神経障害
②高血糖⇒神経細胞内にソルビトールが溜まる(ポリオール代謝異常)⇒神経障害
神経障害ってどんな症状がでるのかな‥?
神経には体性神経(感覚神経・運動神経)と自律神経がありますよね。
それらの神経が障害されるため‥様々な症状が現れます。
では、一緒に考えてみましょう!
細い神経ほど障害を受けやすい(太い神経ほど障害を受けにくい)ため、一般的に①感覚神経、②自律神経、③運動神経の順番に障害されていきます。
①感覚神経が障害されると‥
感覚がなくなる!
その通りです!
知覚しにくくなって痛みも感じないことで‥
例えば足に📌が刺さっても気づかなかったり、心筋梗塞になっても痛みを感じなかったりします。
神経は末梢に行くほど細いので、末梢の方から障害されていきます。
感覚がなくなるだけでなく、他にも‥しびれたり、痛みを感じることもあります。
②自律神経が障害されると‥
えっと~自律神経が障害されると‥ど‥どうなるんだろう?
いいですよ♪
答えが出なくても‥とにかく考えてみることが大切です!
自律神経とは‥交感神経や副交感神経ですよね。
発汗は交感神経によって調節されていますので、障害されると‥発汗できなくなったりします。
また、腸蠕動などは副交感神経によって蠕動運動が活発になりますので、障害されると‥便秘になります。
他にも‥排尿障害(排尿しにい・残尿)、勃起障害、下痢、起立性低血圧、徐脈・頻脈などの症状が現れたりします。
そっかぁ~自律神経っていろいろな働きがあるのね。
それに‥交感神経と副交感神経どっちもあるから、便秘になったり、下痢したり‥真逆の症状が出たりすることもあるんだ~。なるほど~。
③運動神経が障害されると‥
手とか足が動かせなくなるのかな‥。
そうですね!
四肢の麻痺が起こったり、眼球運動や顔の表情筋が障害されたりすることもあります。
これらの神経障害については、まだはっきりとした症状が無くても‥検査で分かることもあります。
【神経障害の検査】
・アキレス腱反射
⇒打腱器でアキレス腱を叩き、反射の有無を見ます。運動神経・感覚神経の障害の指標になります。
・モノフィラメント検査
⇒プラスチックのフィラメントで足底や足背を刺激して、その感覚があるかどうかを見ます。感覚神経の障害の指標になります。
・振動覚検査
⇒音叉を震わせて踝にあてて振動を感じるかどうか、何秒間振動を感じるかを見ます。感覚障害の指標になります。
・神経伝導検査
⇒皮膚の上から電気で刺激し、刺激の伝わる速度などを測定します。感覚障害の指標になります。
【糖尿病網膜症】
眼球内の光刺激を受け取る『網膜』という部分の細い血管の障害で起きるのが、糖尿病網膜症です。
日本人の失明の原因としては第2位です。
ちなみに‥第1位は緑内障です。
毎年3000人以上の糖尿病患者さんが視力を失っていると言われています。
症状としては‥視野狭窄、飛蚊症、視力低下、失明などが現れます。
網膜症の障害の程度によって、主に3つに分類されます。
【糖尿病網膜症の重症度分類(Davis分類)】
第一段階‥網膜にある毛細血管から血液が漏れた血液中のタンパク質や脂質が網膜に沈着する。
⇒単純網膜症
第二段階‥毛細血管の閉塞によって網膜に酸素や栄養が行き渡らない部分ができ浮腫んでくる。
⇒増殖前網膜症
第三段階‥毛細血管が閉塞することで新生血管ができ、そこから出血してしまう(硝子体出血)。
⇒増殖網膜症
なんか難しそうで、お‥覚えられないかも‥。
名称は覚えなくてもいいと思います。
症状と合わせて、そうなんだな~くらいに理解しておきましょう♪
糖尿病と診断されてから‥一般的には5~10年経過して糖尿病網膜症を発症します。
視力低下などの自覚症状が起きた時には‥網膜症がかなり進行しているため‥
糖尿病患者さんは、症状がなくても年1回は眼科を受診して検査を受けることが推奨されています。
【糖尿病腎症】
腎臓の濾過装置である糸球体は細い血管です。
糖尿病によって、この細い血管が閉塞したり、傷ついたりすることで、腎臓の機能が低下したものを糖尿病性腎症と呼びます。
糖尿病性腎症の初期には、ほとんど自覚症状がありませんが‥
進行すると、浮腫、貧血、高血圧を起こし、最後は人工透析が必要な状態になります。
現在、糖尿病性腎症は‥人工透析の原因疾患の第1位です。
日本では毎年1万人以上の糖尿病患者さんが人工透析となっています。
国もこの事を大きな問題として捉えていて、糖尿病腎症の重症化予防に取り組んでいます
それが‥ねこ太先輩が始めの方で説明していた『健康日本21(第二次:2013~2023)』なんですね!
その通りです。
透析は1回約3万円の医療費がかかります。
週に3回とすると‥概算で1年間に1人に対して約500万円掛かることになります。
毎年1万5千人の糖尿病患者さんが透析を新規に受けると‥新たに7500億円掛かることになります。
持続的な社会保障制度を維持していくためにも、糖尿病腎症の悪化を防いだり、そもそも糖尿病の患者さんを増やさないことが大切でもある訳です。
糖尿病性腎症の早期発見には、尿検査(微量アルブミン尿検査)が有効です。
何で‥タンパク尿じゃなくて‥微量アルブミン尿なんだろう?
尿中のタンパク質はアルブミンだけでなく、グロブリンもあります。
糖尿病性腎症では、早い段階からアルブミンが尿中に微量ですが出てくるため‥それを検査しています。
単位の「mg/gCr」「g/gCr」とかって見たことない単位ですけど‥何ですか?
正確には1日の尿中のアルブミンやタンパク質を測定したいのですが‥ちょっと大変ですよね!
なので‥1回の排尿で、尿中Cr(クレアチニン)1グラムに対してアルブミンやタンパク質が何(ミリ)グラムあるかを出して判断材料としています。
糖尿病と診断されてから‥一般的には10年以上経過して糖尿病腎症を発症します。
糖尿病の患者さんは血糖コントロールをすると共に、定期的に受診して腎機能を確認していくことが大切です。
足病変
『足病変』って、よく聞くけど‥細小血管障害とは違うのかな?
私は‥大血管障害に含まれるかと思っていたけど‥違うの!?
二人とも半分ずつ正解です。
実は‥糖尿病の『足病変』は大血管障害と細小血管障害の両方の影響を受けています。
糖尿病性足病変の原因は主に3つあります。
1つは「高血糖」によって、免疫機能が低下して、易感染状態になっています。
2つ目は「神経障害」によって、足の感覚が低下して怪我を負っても気づかないということが起こります。
3つ目は「(閉塞性)動脈硬化」で、足への血流が悪くなることで、傷ができても治りにくい訳です。
わたしの祖父は足病変になってしまい、足を切断するか‥どうするか‥という所まで来てしまいました。
切断する前に亡くなってしまいましたが、足が冷たくて、茶色~黒っぽくなっていたのを鮮明に覚えています。
糖尿病の治療
まず、何のために糖尿病を治療するのか‥「糖尿病治療の目的」から考えていきましょう!
【糖尿病治療の目的】
糖尿病がない人と同じ健康寿命を保つ
治療としては主に3つあります。
それは①食事療法、②運動療法、③薬物療法です。
糖尿病治療の基本は①食事療法、②運動療法ですが‥、それでも十分に血糖コントロールが図れないときに、③薬物療法を追加していきます。
でも‥1型糖尿病の患者さんの場合はどうなんだろう?
1型糖尿病患者さんは、インスリン分泌がほとんどないため、インスリン療法が必須です。
なので‥始めから薬物療法を開始していきます!
食事療法
【糖尿病の食事療法】
・適正なエネルギー
・バランスの良い食事
・間食、アルコール等の摂り方の工夫
糖尿病の食事療法で最も大切なことは‥適正なエネルギーを摂ることです。
特に摂ってはいけない食べ物などはありません。
適正なエネルギー量って体格によって違うだろうし、人それぞれですよね‥。
どうすればわかるのかなぁ~?
その通りですよね!
体格によって変わってきますので‥身長から計算していきます。
そのときに使うのが‥BMIです!
BMIから適正な摂取エネルギーの算出方法については、以下の記事に詳しく書いていますので、良かったらご覧くださいね♪
次に、バランスの良い食事も大切です。
栄養素毎のエネルギー比率は以下のようになります。
大部分は炭水化物でエネルギーを得ていきます。
この表を元に、食品交換表を用いて、食事を献立を考えていきます。
【食品交換表】
食品交換表とは、私たちが日常食べている食品を、多く含んでいる栄養素によって、6つの食品グループと調味料に分けて、80kcal(1単位)のエネルギーを含む食品の重量を表示したものです。
確かに‥そうかもしれないけど、食品交換表などを見て作るのは難しいですよね‥。
確かに‥患者さんでもそのように思う方が多いかもしれません。
その場合は、すでに売られているお弁当などで、成分表をちょっと確認してみたり、いろいろな食品を多く含んでいるものを選択するなどの工夫がとれると良いですね。
では、他にどのような間食やアルコール等の摂り方の工夫や注意点があるのかを勉強していきましょう!
【間食やアルコール等の摂り方の工夫】
・間食は主治医と相談し、適量を決めて摂り方を工夫(日中にとる・量を決める・間食後の運動)する。
・アルコールは主治医と適正な量を相談(一般的に許される量は1日アルコールとして25gまで)
・塩分は男性1日7.5g未満、女性1日6.5g未満。高血圧がある場合は1日6g未満。
・糖尿病腎症がある場合は、タンパク質制限(0.8~1.0g/㎏/日)、塩分制限(1日6g未満)、カリウム制限をする。
アルコールについては、体内で代謝されるときに糖新生が抑制されるために、低血糖を起こしやすくなります。
そのため‥食事をとらずに飲酒をするのは危険です。
またインスリン注射や経口血糖降下剤(SU薬やグリニド薬など)といった薬物療法をしている場合も低血糖に要注意です。
運動療法
有酸素運動することで、筋肉への血流が増えて、ブドウ糖が細胞の中に取り込まれやすくなります。
筋力トレーニングをすると、筋肉量が増えて、ブドウ糖が消費されやすくなります。
このようにして血糖値は下がりやすくなることで、インスリン抵抗性が改善されていきます。
無酸素運動はダメなのかな?
そうですね。
無酸素運動のような激しい運動は、アドレナリンやグルカゴンなどのホルモンを増やしてしまい、逆に血糖を上げてしまうこともあったり、心臓や腎臓の負担にもなるため、糖尿病の患者さんには余り好ましくはありません。
そうなんですね‥。
やっぱり、インスリン抵抗性を改善させるためには‥有酸素運動とか、筋力トレーニングが良さそうですね!
【運動の目安】
・有酸素運動⇒ウォーキングを1日2回(1回15から30分間)
・筋力トレーニング⇒ややきついと感じる程度が良い。
※脈拍数の目安⇒(220-年齢)×0.5=運動の時に目安にする脈拍数(回/分)
※少なくとも週3日(1回20から60分)
・運動のタイミング⇒いつでも可。食後に高血糖になる場合は食後1~2時間頃に運動する。
※低血糖を起こしやすい場合や足の神経障害など‥合併症の状況によっては運動を控えた方がよい場合もあるため、医師に相談する。。
薬物療法
食事療法や運動療法では、十分に血糖値が下がらないときは、薬の力を借りていきます!
薬は『インスリン注射薬』と『インスリン以外の薬(主に内服薬)』の大きく2つに分けて考えると分かりやすいです。
1型糖尿病の患者さんではインスリン注射をするんでしたよね。
そうです。
ただ2型糖尿病の人にはインスリン注射を絶対にしないかというと‥そういう訳ではありません。
内服薬による治療では、血糖値の管理が難しい場合や血糖値が特に高い場合には、2型糖尿病の人でもインスリン療法をする場合があります。
では、インスリン療法から一緒に勉強していきましょう!
インスリン療法
前半の【血糖値】の所で、1日の生活の中でのインスリン分泌(下図)について、勉強してきました。
インスリン療法を行う際は、できる限りこの分泌に似せた方が生理的でよい訳です。
そのために、インスリン製剤にもいくつかの種類があります。
【超速効型インスリン】【速効型インスリン】
超速効型インスリン・速効型インスリンは、共に追加分泌を補うインスリン製剤です。
この2つは具体的に‥どうちがうんのかな?
使用時に注意しなければいけない大切なポイントがあるので、今から説明しますね!
名称を見てみると分かるように‥この2つの大きな違いは、効果発言までの時間です。
超速効型は投与後10~20分で効果が出てくるため、食事直前(2分前)に打つ必要があります。
もし忘れてしまった場合は‥食事開始後20分以内に打ちます。
それに対して‥速効型インスリンは投与後30~1時間で効果が出てくるため、食事開始30分前に打ちます。
どちらも血糖を下げる効果が強いため‥過剰に打ってしまったり、時間がずれてしまうと‥低血糖を起こすリスクの高いインスリン製剤です。
これは‥とても大事なことっぽいね!
国家試験にも問われるかな!?
そうだね!
もし注射のタイミングとか間違えたら、患者さんは低血糖を起こしてしまうかもしれないし‥絶対に覚えないとね。
【持続型インスリン】
持続型インスリンは、基礎分泌を補うタイプのインスリン製剤です。
基本的には24時間効果があります。
打つタイミングは、特に問いませんが‥毎日同じ時間に打つようにします。
持続型インスリンは、「持続溶解型インスリン」と呼ばれることもあります。
注射された後、皮下から少しずつ『溶けて吸収される』というものなので‥「溶解型」と言われたりします。
【中間型インスリン】
中間型インスリンは、速効型インスリンと持続型インスリンのちょうど中間タイプのインスリンです。
一応、作用としては‥基礎分泌を補うものになります。
効果は‥速効型と同様に30分ほどで現れてきますが、作用時間は‥持続型と同様に24時間近いものになります。
たしかに‥速効型と持続型の中間ですね‥。
【混合型インスリン】
混合型インスリンは、追加分泌と基礎分泌の2つの種類のインスリン製剤を掛け合わせたタイプのインスリン製剤です。
追加分泌は‥超速効型インスリン・速効型インスリンの2つでしたよね。
そっか‥じゃあ基礎分泌は、持続型インスリンと中間型インスリンだったから‥
素晴らしいですね!
超速効型インスリンと持続型インスリンを混合したものとか‥
速効型インスリンと中間型インスリンを混合したものとか‥いろいろできそうですね。
また混合の割合でも‥いろいろ作れそうですね!
ちなみに‥「ノボラピッド30ミックス注」は超速効型インスリンの「ノボラピット」を30%と中間型インスリンを70%で混合したものです。
なるほど~。
それと‥インスリンアナログって言葉も授業で習ったけど、インスリンとは違うのかな?
インスリンアナログは、インスリンに構造を似せた人工的なインスリンのことを意味しますよ!
確かに‥よく出てくるので、覚えておきましょう♪
【ちょっと余談♪】
知っていると‥ちょっと鼻が高くなるo(*^▽^*)o‥【ちょっと余談コーナー】です。
「ヒューマリンR」の『R』は何の単語からきているか知っていますか?
わたし‥英語が苦手なんだよな‥。
う~~ん、「Right」とか?
カン子は分かる?
うん、たぶんだけど‥。
速効型インスリンに「R」がついているから、きっと「急速な」という意味の「Rapid」じゃないかな?
と~っても良い読みですが、残念ながら不正解です!
答えは「Regular(通常な)」からきています。
1921年にインスリンが発見され、1922年には製剤化されるようになりました。
それが‥通常のインスリン(Regular insulin)です。
そして、1926年には作用時間を長くするためにプロタミンを付けた中間型インスリンが作られました。
そのインスリンがNPH(Neutral Protamine Hagedorn)やN(Neutral)と言われます。
そして先に言われてしまいましたが‥
実は‥超速効型インスリンが「rapid-acting insulin analogue」です。
超速効型インスリンでも「R」を使ってしまうと‥速効型との区別がつかなくなってしまいますね‥。
そうですね。なので‥今のところは「速効型のR」と「中間型のN」だけです。
ちなみに‥持続型インスリンは「long-acting insulin」です。
インスリン以外の薬(主に内服薬)
血糖値を下げる機序はいくつかありますが‥その中で薬として開発されてあるのは主に5つです。
できれば覚えるに越したことはありませんが‥少なくとも、どういった機序があるのかは一度理解をしておきましょう♪
【インスリン分泌促進薬】
これは、一番分かりやすいかもしれません。
インスリン分泌促進薬は、その名の通り‥インスリンの分泌を促す薬です。
その促し方によって、さらに3つに分類されます。
【インスリン分泌薬の3つのタイプ】
①スルホニル尿素薬(SU薬)
②速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)
③インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬、GLP-1、GIP)
1つ目のスルホニル尿素薬(SU薬)は、比較的昔からある薬です。
インスリンの追加分泌を促す薬で、大量にインスリンを出すことができます。
スルホニル尿素薬(SU薬)のイメージとしては、膵臓のβ細胞から無理やりインスリンを大量に出させるような感じです。
それに対して、2つ目の速効型インスリン分泌促進薬は、主にはグリニド薬がありますが‥内服後、SU薬よりも早くインスリンを分泌させる薬です。
ただし、SU薬ほどインスリンの分泌は多くありません。
速効型インスリン分泌促進薬は、インスリンの分泌が早い分、量はそれほど多くはないってことですね♪
その通りです。
逆の言い方をすれば‥SU薬はインスリンの分泌は多いけど、作用までに少し時間がかかるとも言えます。
この2つのタイプの薬は、どちらも単独で低血糖を起こすリスクの高い薬です。
3つ目のインクレチン関連薬は、小腸から分泌されるホルモンであるインクレチンに関係する薬です。
インクレチンには、『GLP-1』と『GIP』の2種類があります。
若干‥作用の違いはありますが、基本的には血糖値を下げる方向に働くホルモンです。
【インクレチンの主な作用】
①インスリンの分泌促進
②グルカゴンの分泌抑制
③胃から腸への食べ物の排出を抑制
④食欲抑制
インクレチンは、血中ブドウ糖濃度が80mg/dL以下のときには、インスリン分泌を促しません。
血糖値が高いときだけ働くなんて‥便利なホルモンですね~。
それに‥低血糖になるリスクも低そうですね!
それと‥インクレチンは、DPP-4という酵素によって分解されますが、そのDPP-4を阻害することで、インクレチンを増やすのが‥
DPP-4阻害薬なんですね♪
そうなんです!
なので、『GLP-1』『GIP』『DPP-4阻害薬』はどれもインクレチン関連薬と言われます。
単独では低血糖を起こしにくいですが‥、先のSU薬などと一緒に使っている場合は、相互作用で低血糖になりやすいので、注意が必要です。
SU薬や速効型インスリン分泌促進薬は追加分泌を補うため、1日2~3回服用します。
それに対して、インクレチン関連薬は基本的に1日1回の皮下注射(服薬タイプもあります)をします。
【インスリン抵抗性改善薬】
【2型糖尿病】や【運動療法】のところで、インスリン抵抗性について勉強しましたが‥、この薬はそのインスリン抵抗性を軽減するための薬です。
主にチアゾリジン薬がそうですが、筋肉や肝臓、脂肪組織において、ブドウ糖の取り込みをしやすくする働き(インスリン抵抗性の改善)があります。
どのようにしてインスリン抵抗性を改善するかというと‥
アディポカインを分泌する大型脂肪細胞を減らして、アディポネクチンを分泌する小型脂肪細胞を増やす働きがあります。
副作用としては、浮腫や肝機能障害に注意が必要です。
またインスリンを分泌する訳ではないので、単独では低血糖にはなりにくいタイプの薬です。
※低血糖を起こすこともあります。
基本的にチアゾリジン薬は1日1回服用します。
【糖新生抑制】
これは、糖新生を抑制するタイプの薬です。
【糖新生とは】
ブドウ糖を肝臓で作り出す反応
つまり‥ブドウ糖を新たに作らないことで、血糖値の上昇を防ぐということですね。
ビグアナイド薬がこれに当たります。
ビグアナイド薬の主な作用は糖新生の抑制ですが、実は‥他にも糖の利用を促進したり、糖の吸収を抑制する作用もあります。
糖の利用を促進するのは‥インスリンと同様の働きではなく、インスリンの働きを助けます。
これもインスリン抵抗性の改善と言えます。
スゴイ!
いろいろな働きをしてくれる薬なんですね~♪
ビグアナイド薬も‥インスリンを分泌する訳ではないので、単独では低血糖にはなりにくいタイプの薬です。
ただ‥糖新生を抑制するため、乳酸が溜まりやすく、乳酸アシドーシスを起こすことがあります。
基本的にビグアナイド薬は1日1回服用します。
【糖吸収抑制】
糖の吸収を抑制するタイプの薬です。
これは、α-グルコシダーゼ阻害薬が該当します。
小腸では‥単糖類の形で吸収されますが、単糖類になるのを阻害することで血糖値の上昇を防ぎます。
α-グルコシダーゼ阻害薬は、インスリンを分泌する訳ではないので、単独では低血糖にはなりにくいです。
服用に関しては、食事の度に内服する必要があるため、基本的に1日3回ですが‥、食事の直前に服用します。
そっかぁ~、食後に飲んだら‥単糖類になって吸収されちゃうもんね‥。
【糖排泄促進】
これは‥身体から糖の排泄を促す薬で、SGLT2阻害薬というのがあります。
SGLT(sodium glucose co-transporter)とは、腎臓の近位尿細管にあって、ナトリウム(sodium)とブドウ糖(グルコース)を血液中に戻す輸送体のことです。
本来、糸球体からのろ過液‥つまり原尿のブドウ糖は全て再吸収されますが、この再吸収をブロックしてそのまま糖を流してしまう薬です。
本来大切なブドウ糖を再吸収させないなんて‥面白い発想で作られた薬ですね。
そうですね!
【浸透圧利尿】の所でも勉強しましたが、糖やナトリウムが流れていくことで、浸透圧利尿が働いて尿量が多くなるため、副作用としては脱水にもなりやすいので、注意が必要です。
SGLT2阻害薬も1日1回の服用で大丈夫です。
糖尿病患者への看護・日常生活における注意点
【糖尿病患者への看護・日常生活における注意点】
・糖尿病の発症・進行の予防と早期発見
・糖尿病の受容へ向けた援助
・糖尿病患者の自己管理能力を高める
では、順番に勉強していきましょう!
糖尿病の発症・進行の予防と早期発見
糖尿病の発症を防ぐことも、糖尿病の進行を予防することも基本的には同じことです。
1型糖尿病については、予防も難しいですが‥最も多い2型糖尿病は発症を予防することができます。
2型糖尿病の原因となる食生活(高脂肪・高カロリー食、食物繊維不足など)や運動不足に気を付けることが大切です。
その他に‥普段の生活の中では、ストレス、睡眠不足、喫煙習慣などの生活習慣の乱れも糖尿病のリスク因子ですので、避けていきます。
入院中はもとより、退院後も患者さんが自分の健康管理をしていけるように関わっていきます。
糖尿病の受容へ向けた援助
わたしの祖父は糖尿病でした。
食べたり、お酒が大好きな祖父にとっては、一生に渡って好きな食べ物が好きなだけ食べられなくなるというのは‥受け入れ難いものだったと思います。
「糖尿病は一生治らない病気」という認識は一般の人でも持っています。
これから、糖尿病と上手く付き合いながら生きていくためにも、どのように病気を受け止めるかがとても重要です!
患者さんが「これができない!あれもできない!」などマイナスに病気を受け止めるよりも、「こうすればこれができる!」などプラスに受け止められるように関わっていきます。
また‥キューブラ=ロスの『死の受容過程』やフィンクの危機モデルなどは糖尿病患者さんの受容過程の研究でもよく用いられたりしますが‥
【キューブラ=ロスの『死の受容過程』】
否認→怒り→取り引き→抑うつ→受容
【フィンクの危機モデル(障害受容に至るプロセスモデル)】
衝撃→防御的退行→承認→適応
フィンクの危機モデルは、外傷性脊髄損傷によって機能不全に陥ったケースの臨床研究から導き出されたものです。
糖尿病を受容するまでの心理的な反応は多様です。
糖尿病による血糖測定、服薬やインスリン注射、受診行動などが日常生活に溶け込むまでに多くの時間を要しますが‥
そこまでいって、初めて自分なりに病気を受容できたと言えるのかもしれません。
また、受容過程で様々な心理的反応が伴うことも理解しておく必要があります。
理論を活用しながら‥その段階や状況に応じた関わりが大切です。
糖尿病患者の自己管理能力を高める
患者さんが退院後も自分で自分の健康を管理できる‥つまりセルフケア能力を身に付けられるように支援します。
患者さんが、糖尿病の進行や合併症を防ぎながら、今までと同じ様に満足した生活を送れることが何よりも大切です。
そのためには‥心理的な受容段階を進めることはもちろん、必要な知識や技術を指導していくことも必要です。
今までに勉強してきた‥食事療法や運動療法、薬物療法であったり、合併症とその予防法などは患者さんにとっても必要となる知識です。
ここでは、新たに『フットケア』『シックデイ』『インスリン注射』『自己血糖測定』のことなど、大切な部分を押えていきましょう!
フットケア
なぜ、フットケアが糖尿病患者さんにとって大切なことなのかといと‥
足病変を起こしやすいからですよね!
その通りです!
では‥どういった事をするのか勉強していきましょう!
【フットケアのポイント】
・毎日足を観察する。
・足を清潔に保つ。
・爪は短く切りすぎない。
まず、足の感覚が鈍くなっていることがあるため、毎日目視をして観察する必要があります。
もし、傷があれば‥治癒しにくく感染のリスクも高いため、病院を受診して処置を受けた方がよいです。
また、足を清潔に保つことで感染症も予防できます。
キレイにするだけでなく、保湿クリームなどを塗るなどして、乾燥による皮膚のひび割れ(あかぎれ)などを防ぐことも大切です。
爪を短く切りすぎると‥深爪になってしまって傷を作ることにもつながるため、注意が必要です。
シックデイにおける対応
そういえば‥シックデイってよく耳にするけど‥「体調が悪い日」ってことかな?
確かに‥「シックデイ」って、分かるようで曖昧なまま終わってしまっていたりしますね。
今一度‥確認していきましょう!
【シックデイとは】
糖尿病の人が、感染症に罹って、熱がでたり、下痢や嘔吐をしたり、食欲不振があることで、食事ができないときのこと
そのようなシックデイで問題になるのは‥特にインスリン注射をしている人の場合です。
そっかぁ‥インスリン注射をしている人は、インスリンを打っていいのか‥どうするか‥確かに迷いますよね。
そうですね!
なので‥シックデイにおける基本的な考え方‥【シックデイルール】について押えておきましょう!
【シックデイルール】
・インスリン注射は継続する。
・水分摂取をする。
・安静にする。
・頻回(4~6時間毎)に血糖値を記録する。
シックデイの際には、医師に状態が悪い場合は、状況を伝えて指示を仰ぐのが基本ですが‥
基本的には上記の考え方に基づいて行動していきます。
まず、1型糖尿病などで、インスリンを使用している場合は、原則インスリンを打つことを考えます。
でも‥そうしたら低血糖を起こしちゃうんじゃ‥!?
その通りです。
でも‥インスリン注射に依存している人がインスリンを打たないと‥ブドウ糖を細胞に取り入れることができず、エネルギーを作り出すことができません。
そっかぁ‥。
でも‥食べないままインスリンは打ってもいいのかな?
出来れば‥少しでも消化の良いものを食べたり、糖分を含んだジュースを飲んで、インスリンを投与していきます。
食べた量に応じて医師の指示された量のインスリンを打っていきます。
シックデイでは、高血糖による浸透圧利尿や水分摂取量の不足から‥脱水になりやすいため、水分を意識して摂っていく必要があります。
また、糖尿病では免疫力が低下しています。また免疫力や回復力を高めるために安静にすることが大切です。
シックデイでは、ストレスからコルチゾールなどのホルモンが分泌されて、高血糖になりやすくなっています。
また食事が十分にとれなかったり、薬の量の調節も十分にできなくなるため、血糖値が変動しやすい訳です。
そのため、平常時よりも頻回(こまめ)に血糖値を測って、低血糖や高血糖に注意していく必要があります。
インスリン注射
わたしも看護師になったら、患者さんにちゃんとインスリン注射できるかな‥!?
先輩からも教えてもらえるし‥大丈夫ですよ!
でも、確かに‥そういう気持ちになりますよね。
実際に自分に針を刺して打つ患者さんも不安だったりします。
なので‥インスリン注射に対する不安がある人に対して、不安の軽減を図る援助も大切です。
中には針を刺すことによる痛みに対して、不安を強く感じる方もいます。
でも‥以前と違ってインスリンの注射針は細くなっている(33G)ため‥痛みもほとんどないので、そういったことを伝えていくことも大切です。
私の受け持ち患者さんはお腹に刺していたけど‥他の場所にも打てたりするのかな?
【インスリンの注射部位】
主に‥腹部、大腿部、臀部、上腕など
毎回2~3cmずつ‥ズラして注射していきます。(注射部位のローテーション)
いつも同じ部位にインスリン注射をしていると‥注射部位に脂肪過形成や、 蛋白質の線維化によって、皮下に 硬結ができることがあります。
この硬結をインスリンボールといったりしますが、インスリンの吸収が悪くなります。
自己血糖測定器
自己血糖測定については今まで触れていなかったので、ちょっとここで説明しますね!
病棟では、よく看護師さんが患者さんの血糖を測ったりしますね。
でも‥退院した後は、血糖値を測ったりすることはないのでしょうか?
そういえば‥私が実習で受け持った患者さんも入院前から自宅で血糖を自分で測ってるって言ってたかも!
そうだったんですね。ありがとうございます!
では‥ここでふたりに問題です!
自己血糖測定器は医療保険が使えるでしょうか?それとも使えないでしょうか?
それは‥当然、医療保険は使えるんじゃないですか?
だって、糖尿病患者さんには必要じゃないですか♪
いや‥ちょっと待って!
カン子、これはねこ太せんぱいの引っかけだよ‥。
ちょっと‥イジワルなところがあるでしょ‥。
だから、医療保険は使えないよ!
ナス美さん‥わたしのことをそんな風に思っていたなんて‥。
日頃の感謝を込めたお返しです!
ねこ太せんぱいって、Mキャラなので‥。
そ‥そうかなぁ‥?確かに‥そう言われてみれば‥そういう所もある!?
まぁ~いいですよね♪
ではでは‥答えにいきましょう!答えは‥どちらも正解です♪
実は‥自己血糖測定器は、インスリン注射やGLP-1受容体作動薬を使用している人などは医療保険が適応となります。
他にも‥妊娠糖尿病患者さんの一部の人にも適応となる場合があります。
なので‥1型糖尿病の人は基本的には医療保険を使えます。
しかし、インスリン以外の内服薬などで血糖コントロールをしている人‥主に2型糖尿病の人は、自己血糖測定については医療保険を使えません。
もし、それでも自分の血糖値を測定して管理していきたいという人は全て自己負担となります。
ちなみに‥血糖値を測るために必要な使い捨ての針とかアルコール綿も医療保険が効きますよ。
↑↑
勉強して疲れたら‥やっぱチョコレートで糖分補給♪
わたしは‥濃いカカオのビターテイストがやっぱり好きかな~。
看護師国家試験問題のねこ太解説
では、今まで学んできた知識を元に、はじめにみた看護師国家試験問題を解いていきましょう♪
看護師国家試験問題(第106回 午後42問)
1型糖尿病と診断された人への説明で適切なのはどれか。
1.自己血糖測定の試験紙の費用は医療保険の対象外である。
2.食事が摂取できないときはインスリン注射を中止する。
3.低血糖症状には振戦などの自律神経症状がある。
4.運動は朝食前が効果的である。
1型糖尿病とあるから‥インスリンがほとんど分泌されていないってことね!
「1.自己血糖測定の試験紙の費用は医療保険の対象外である。」
1型糖尿病の人はインスリンを使っているだろうから、自己血糖測定の試験紙も医療保険が使えますね。
「1」は✖です。
「2.食事が摂取できないときはインスリン注射を中止する。」
食事ができない時‥とあるから、シックデイのことかな‥。
そういうときでも、1型糖尿病の人はインスリンが出ないから、少しでも打った方が良いんだよね‥。
「2」は「×」です。
「3.低血糖症状には振戦などの自律神経症状がある。」
これは1型糖尿病とか関係ない話ですね‥。
低血糖では、糖尿病の神経障害が無ければ‥自律神経も機能しているはず!
そうだよね。
問題文にはそういった記載はなないから‥1型糖尿病の人でも、自律神経症状(交感神経症状)は現れる!
「3」は「〇」です。
一応、最後の選択肢もみてみましょう!
「4.運動は朝食前が効果的である。」
運動療法は糖尿病の基本治療だから、した方がいいよね‥。
でも、朝食前が効果的だったかな‥!?
朝食前は血糖値が下がってるよね。
とういことは、そこで運動したら益々下がるから、できれば食後に上がり過ぎない方が良かったんじゃないかな。
そうですね!
食後1~2時間くらで急激に血糖値が上がってくるので‥、その時間に合わせて運動をした方がより効果的ですね。
それに‥カン子さんの言う通り、朝食前だと低血糖を起こすリスクも高くなって、危険かもしれませんね。
「4」は「×」ですね。
ということで、正解は「3」となります。
看護師国家試験問題(第102回 午後95問)
次の文を読み、次の問に答えよ。
Aさん(54歳、女性)は、10年前に2型糖尿病と診断され、外来受診を続けていた。今回血糖コントロールが不良となり、精密検査とインスリン治療を検討するために入院した。身長154cm、体重45kg、HbA1c9.0%。早朝空腹時血糖値178mg/dL、食事摂取の指示エネルギー量は1,400kcal/日である。
入院後5日。超速効型インスリンの自己注射が開始された。開始7日、Aさんがインスリン注射を忘れて、昼食を食べ始めていたところを看護師が発見した。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1.食事を中断して血糖値を測定する。
2.食事を中断してインスリン注射をする。
3.インスリン注射の必要性を再度詳しく説明する。
4.今後は看護師が食前に注射をするよう声をかけると説明する。
状況設定問題で、看護師の対応について問われていますね!
状況をよ~く捉えていけば、全く怖くありませんよ♪
事例問題については‥また別に記事を書いていきたいと思いますが‥、状況設定文を読むときは‥重要なワードには線を引くとポイントが押さえられて良いです♪
ここでは‥まず病名として、「2型糖尿病」などが重要なワードですね。
2型糖尿病なのに‥BMIを計算してみたら‥19くらいでした。
なんか‥意外ですよね。
でもさぁ、10年前から発症しているから‥始めは肥満体型で、糖尿病で徐々に体重減少してきたのかもしれないよね。
二人とも、とてもよく考えながら、読めていますね!
とてもいいですよ~。
それでは‥一緒に各選択肢をみていきましょう。
「1.食事を中断して血糖値を測定する。」
う~ん、なんか正しいような気もするけどな‥。
確かに‥一度血糖値を測ってみて、医師に報告して指示を受ける‥一見正しそうに思いますよね。
でも、ここでちょっ~と考えてみましょう!
食事を食べ始めていますよね。
という事は‥血糖値はいまどんどん上がり始めている最中です。
そんなときに測っても、それによってインスリン量を調節したりもできないため、その値に意味は余りありません‥。
「1」は「×」です。
「2.食事を中断してインスリン注射をする。」
状況文の中に「食事を始めていたところ‥」とあるので、まだ摂り始めて間もない訳です。
だから‥インスリンを打ってもいい!
そうなんです。
超速効型インスリン製剤なので‥食事開始の直前(2分前)に打つのが基本ですが、忘れてしまった場合は食事開始から20分以内であれば‥打ちます。
そして、すぐに打たないと‥食事開始の直前(2分前)からどんどん離れてしまいますし、食事開始から20分を過ぎてしまうと打てなくなります。
なので、緊急性も高い訳です。
問題で問われているのは、「看護師の対応で最も適切なのはどれか。」ということなので、他の選択肢と比較してみる必要があります。
「2」は「〇」です。
「3.インスリン注射の必要性を再度詳しく説明する。」
これも、なんか正しそうですね。
問題文の中には、超速効型インスリンの自己注射が開始されてから7日目の場面です。
状況としては、インスリン注射の必要性について、患者さんが理解しているかの記載はありません。
でも、インスリンを忘れている時点で、必要性の理解としては乏しいと判断もできそうですね。
なので‥わたしがその場にいる看護師であれば‥やはり再度説明をします。
じゃあ‥これも「〇」ですね!
その通りです。
そこで‥先程同じく「〇」だった「2」と比較してみます。
そっか‥。
インスリンを打つのと、患者さんに必要性を説明するのだったら‥やっぱりインスリンが優先!
そうですね!
「3」は「〇」ですが‥答えにはなりません。
「4.今後は看護師が食前に注射をするよう声をかけると説明する。」
これも、忘れてしまいがちな患者さんには、対策として必要かもしれないけど‥やっぱり優先度はインスリンを打つ方かな‥。
その通りですね!
「4」も「〇」ですが‥同様に答えにはなりません。
という事で‥答えは、「2」です。
さいごに‥まとめ♪
最後に‥1型糖尿病と2型糖尿病について、比較しながら覚えられるようにまとめてみました!
ぜひ、勉強に活用してくださいね。
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
糖尿病は、かなり覚えることも多いですね‥。
忘れたら‥何度でも復習していきましょうね!
まずは看護師国家試験の合格🌸に向けて、これからも一緒にがんばっていきましょうo(*^▽^*)o
もし良かったら、お読み頂いた感想やご意見などを頂けると、大変ありがたいです。
今後のコンテンツの内容をより充実させていきますね!
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