こんにちは!ねこ太🐈です。
今回は法律などもでてきて、少~し硬い話になるかもしれませんが、これから看護師になりたいと考えているあなたにとって大切な進路の話なので、しっかり看護系の大学と専門学校がどんな風に違うのか、実際の状況をお伝えしていきますね!
実は、わたくしねこ太は看護専門学校を卒業し、看護専門学校の教員を10年以上しております。
また一緒に働いていた知り合いの看護師さんの中には看護大学を卒業してきた人も何人もしましたので、看護大学生がどんな思いで、どういった生活をしてきたのか、いろいろなことを聞いてきました。
なので、偏差値、カリキュラム、学費、卒後の年収といった所からもう少し深い所も含めて、お話も紹介していきます!
看護大学と看護専門学校で偏差値は違うのか?
20~30年前は大学数も少なく、行くこと自体が大きな関門でもありましたが、今では望めば門戸は開かれているというのが実情です。
しかしながら、国公立の大学など偏差値の高い大学は存在しており、全体を通してみると大学の方が専門学校よりも偏差値は高い傾向にあります。
ただ大学を卒業した社会人の再入学先として専門学校が選ばれていたりもするため、社会人学生が多く受験するような専門学校は偏差値が高い傾向にあります。
看護大学と看護専門学校でカリキュラムは違うのか?
まず大学と専門学校ではカリキュラム(教育課程、教育方針など)はどのように違うのでしょうか?
看護専門学校は、法律上は「看護師学校養成所」と言われ、保健師助産師看護師法(通称、保助看法)によって、カリキュラムも最低限の大まかな『内容』と『ボリューム』が決められています。
この『内容』に関しては、例えば「人間と生活・社会の理解」であれば、心理学であったり、体育や音楽といったものが考えられます。
学校のカリキュラムによって、内容(何を教えるか)・授業方法なども違い、特色を出しているのです。
つまり、法律によってどういった系統の学習が必要かは示されているものの、学校の特色に合わせて科目内容なども違うため、どの学校もそれぞれオリジナルのカリキュラムを持っています。
また『ボリューム』に関しては102単位以上(大学、専門学校では1単位45時間)と決められており、学校によっては、104単位や105単位としている学校もあります。
実は看護系の大学も専門学校と同じ法律の規定を受けているので、看護師になるために必要最低限な学習内容・ボリュームは同じです。
つまり大学も専門学校も法律上、必要最低限な学習は同じ規定に基づいている。
また法律の規定以上のより多くの単位数を課している学校もあれば、規定単位数ギリギリの学校もあります。
ただ、それぞれに専門学校、大学としての規定を学校教育法によって受けているため、専門学校は3年間で90単位、大学は4年生で124単位分(1年当たり31単位)の学習が規定されています。
しかし看護専門学校は3年制の場合は最低102単位分(1年当たり34単位)の学習が規定されている。さらなる学習が課せられます。
1年間あたり3単位、もう少し分かりやすくいうと3日で1時間の勉強量が増えるという計算になります。
つまり専門学校の方が若干過密スケジュールであるということになります。
ちなみにですが、高校は3年間で最低74単位の学習が規定されています。(高校では1単位35時間)
え~~~っ、高校よりも圧倒的に授業時間が多いんですね。看護大学も看護学校もそんなに大変なんだ‥。
実はそんなことはないんです。大学や専門学校の1単位45時間というのは学習内容の量のことであって、実際の授業の時間は科目にもよりますが、15時間だったりするものも沢山あります。
夏休み、冬休み、春休み‥どれも高校生のときと同じようにありますので、そんなに不安に思うことはないですよ!
良かった~。それだったら、頑張れそうです!
大学も専門学校も、授業は1コマ90~100分で、1日4コマの授業というのが基本です。
大学の場合は、今日は「1限の授業がない」「4限の授業がない」ということもあり、朝ゆっくり登校できたり、夕方早く帰れたりすることもあります。
しかし、専門学校は毎日1限~4限まで、つまり朝9時から17時近くまでギッシリ授業が入っていまるのが実情です。
つまり、大学のカリキュラムも過密で大変ではあるけれど、専門学校はさらにその傾向が強いということになります。
そのため、専門学校の中には、3年間で102単位はかなり過密であるため、最近では4年制にする専門学校もでてきています。
もし自分は看護師になりたいけど、ついていけるか心配という方は、そういった4年生の専門学校を考えてもいいかもしれません。
なるほど‥そう言われると、専門学校は大変そうですね。
確かに、そうですね。ただ、大変かどうかは、時間数の問題だけではなく、学習などのサポート体制や試験に合格できるかといった(学校の評価基準)、そもそも学校生活が楽しいかなど複数の要素が関係してきます。
なので、もう少しいろいろな面をみて、判断していきましょう!
大学と専門学校における学習内容の違い
大学と専門学校では教育方針について大きく違う面があります。
看護理論など看護に関する概念的な学習など、大学は学問を学ぶことに重きを置いています。
なぜなら大学は研究機関であり、知識の探求していく役割を社会から求められた場所だからです。
それに対して、専門学校は実践的な知識や技術を学ぶことに重きを置いています。
なぜなら専門学校は臨床で働く看護師を養成するために設立した学校だからです。
実際に病院附属の看護学校も数多く存在します。
都立や県立の専門学校も、それぞれ都内や県内の病院等に勤めてくれる看護師を養成することを目的に設置されています。
私が病院で働いているとき、また今も病院で、大学生と専門学校生の実習状況をよく見ていますが、大学生は午前中に看護師について廻って見学していたかと思うと、午後には会議室に行って、教員と振り返りをしていたりします。
つまり大学では実習においても実際の患者さんとの関わりや援助も大切にしますが、その後の振り返りも大切にしています。
*『振り返り』は復習と同じことであり、学んだことをそのままにしないで、自分の力にしていく過程で、とても大切なことです。
それに対して、専門学校では、学生は丸一日自分の受け持ち患者さんへの看護実践していきます。
その分振り返りの時間が大学と比べて少ないという面もあります。
実習場の違い
実は、実習場に関しても若干違う部分があります。
大学は比較的大人数のため、実習場所は附属病院(大学が病院をもっているという形式)だけでは賄いきれません。
そのため、様々な中小病院に実習に行くことになります。
そして病院によって、取り入れている看護方式や理論も違うため、学生は若干戸惑うことになります。
それに対して、専門学校は人数が少ないため、ほとんどは母体病院(病院の看護専門学校をもっているという形式)での実習が可能というケースが多いです。
そのため、学生は学校と同じ看護理論、いつも慣れている病院ということで戸惑うことも少ないことになります。
専門学校の方は、いつも同じ母体病院で実習できるから緊張もしなくて良さそうですね。
そうですね。専門学校は他にも学校と病院が近いことや、大抵その学校の先輩が働いているので、先輩・後輩関係がすでにあるというのも大きいかもしれません。また病院と学校の関係性もできているので、指導体制がしっかりしている(学生は教員にも指導者にも頼りやすい環境ができている)という面もあります。
それと‥わたしは大学のように様々な病院のいろいろな看護に触れるという機会はとても貴重な勉強になると思っています!
なので、それぞれにメリットがあるということも覚えておきましょう。
卒業時・卒業後の学生の状態
学校を卒業して、病院に就職してくる新人の特徴として、実際の力は置いといて、学生時代に実践が少なかった大学生は臨床で働くことに対して自信がなく不安が強い傾向にあります。
対して、専門学校生は今までやってきたことの延長線と考えており、前向きに自信をもっている場合が多い傾向にあります。
他方で、確かに実践力は看護専門学校卒の人が強いのですが、こと問題に対して柔軟に考えたり、解決策などを導き出す思考力はやはり看護大学卒の人が強いです。
最終的には、現場に適応していく中で実践力は身についてきますが、思考力は中々育ちにくい面があるので、大学卒の人の方が就職後の伸びは大きいというのが通説です。
ただ個人差が大きいので、専門学校卒でも思考力が強い人は沢山いますし、大学卒でも始めから実践力の高い人もいます。
つまり、看護大学、看護専門学校どちらに行こうとも、その後の道が決められている訳ではなく、『自分次第でどこまでも道は開かれている!』ということですね。
その通りです!さすがN子さん、理解が早いですね。
大学と専門学校における評価の観点の違い
先に述べたように、大学は学問を学ぶ所であるため、実践的な知識や技術はそれ程高い到達度を求められていません。
もちろん学内演習では技術試験などもありますが、患者さんに清拭(身体を拭く技術)や洗髪(頭を洗う技術)などの看護技術は、実習でも見学レベルに近いです。
その分、実習においても看護過程や看護の意味を考えたりするなど概念や思考過程に重きを置いています。
ただ大学は、教養科目も様々なもの(選択制)があったり、解剖生理については実際の人体解剖を行って模写したりなど、知識を幅広くそして深く学ぶことができる場でもあります。
対して、専門学校は、実践的な知識や技術を学ぶ所であるため、学問的な深い学習よりも、すぐに実践で役立つ知識や技術の習得に重きを置いています。
実習においても、実際の患者さんに対して2~3週間受け持ち、日常生活援助の技術においては、看護師や教員の指導の元、自分が中心になって看護技術を実践していくことになります。
専門学校によっては、臨床の場で実際の患者さんに行う援助についても評価(合格しないと卒業できない)する学校も中にはあります。
消極的な選択としては、勉強がどうしても苦手という人は専門学校を、技術が苦手という人は大学を選択するという考え方もあるかもしれません。
しかし、消極的で、嫌な事から逃げてばかりだと、どちらを選択したとしても卒業まで続けていくことは難しいかもしれません。
ただ、ある程度の覚悟さえもっていれば、どちらに行こうとも決して難しいことではありません。
看護専門学校でも、自分の時間もたっぷり持ちながら楽しく看護を学んでいる専門学校生も沢山います!
もちろん大学生も同様です。
一緒に働いていた看護師さんの中には、今でも「楽しかった学生生活に戻りたい!」とよく言っています。
ぜひ前向きな理由も含めて、選択していきたいですね。
大学と専門学校におけるサポート体制の違い
大学は学生も多く、その分教員の数も多いため、教員と学生の距離は近くないです。
逆に専門学校では1クラス40名程度であり、1学年40名(全校生徒120名)であれば教員8名程度となります。
また担任制を採用している学校が多いので、教員と学生の距離は近いと言えます。
距離が近い分、学生の甘えもでてしまうため、社会性を学ぶという意味では大学の方が良い面も大きいです。
ただ専門学校では距離が近い分、一人ひとりへのサポートをしっかりしているので、休みがちだったり、成績不振のある学生に対しては教員から必ずといっていいほどフォローが入ります。
対して大学の方は、学生が休んでいても、試験を受けなかったりしても、特別連絡が来たりすることはまずありません。社会人としての行動の責任は常に自分に求められるということです。
しかし、授業や実習においてはグループ毎に指導教員がつくため、そういった意味でのサポートはしっかりしていますので、忙しい専門学校の先生よりも、むしろ濃い指導を受けられる面もあります。
なので、普通に授業を受けたり、実習で学んでいくという面については、看護大学の方が手厚く、学校生活という全体のサポート体制ということについては、看護専門学校の方が手厚いです。
とかく看護系は看護大学にしても看護専門学校にしても、他の領域の大学や専門学校と比べて、かなり大変でもあるため、ついていけるか自身の無い人は専門学校の方がよいかもしれません。
大学と専門学校における学費の違い
概算ではありますが、私の調べたところでは、大学の学費(4年間でかかる学費)は以下のようでした。(例外もあることをご了承くださいね!)
国立看護大学は一律240万円、公立看護大学は220万円~360万円、私立看護大学380万円~600万円が平均的な相場で、例外的に1400万円くらいかかる所などもありました。
専門学校に関しては3年間でかかる学費として、都立看護学校や県立看護学校50万円~90万円、私立看護学校200万円~400万円が平均的な相場で、例外的に600万円くらいかかる所などもありました。
またこれ以外にも、教科書代やユニフォーム代、学生保険などの諸経費も必要となりますので、さらに30~40万円くらいプラスされることを心得ておきましょう。
1年間で比較すると学費が安い順位は以下のようになります。
わたしが学校を選んだときも、やはりまず学費の安い所から探しました。
なぜなら親の負担を減らしたかったからです。
実際に学校に入ってみると、社会人学生の傾向として多いですが、中にはアルバイトをしたり、貯金を切り崩したりして自分で学費を稼いで学校に通っている人もいたりします。
なので学費が安い所というのはそれだけ、多くの人にとっては選択基準の大きな重要な要素となると思います。
そうしたら、ねこ太先生のように学費が安い所を選んだ方がいいですね。
わたしは個人的な事情で学費の安い所を第一優先に考えましたが、学費が安い所が必ず良いかというと、そういう訳でもありません。
学費の高いところはその分、設備が良かったり、教育やサポートが手厚かったりしますから、お金に余裕があって、手厚いサポートを望むのであれば、その人にとってはその道が正解なのではないかと思います。
また学費と似た要素として、奨学金制度というのも1つ考えてみましょう。
実は奨学金制度がある学校・病院も比較的多いので、ホームページなどで確認しておくとよいです。
一般的には月に3~5万円を貸与されることが多く、卒業後にある一定年数を勤務すると返還しなくてよいというものもあります。
なので、学費のことが心配という方は奨学金制度を活用しない手はないです!
ただし奨学金を借りるということは、そこで働くということを約束することになります。
他方で、その病院に行かないことになれば、利子はなく一括返還するだけなので、とりあえずもらっておくというのも「あり!」だと思います。
看護大学と看護専門学校における卒後年収の違い
日本看護協会による「2020年病院看護実態調査報告書」によると新卒者の初年度平均給与は、以下のようになります。
大学卒と専門学校卒では月額約1万円の差があります。年間では約10万円の差となります。
私の場合は、専門学校を卒業し、途中で放送大学に通い、学士を得ましたが、給料は変わりませんでした。
勤務している病院に確認した所、等級と号俸によって給与は変わるようですが、一定以上まで上がると役職が変わらない限り給料(等級と号俸)は変わらないとのことでした。
つまり、出世しないと大卒も専門卒も給料は最終的に同じになっていくということです。ただ大卒の方が社会的にも高く評価されるため、出世しやすいということはあるかもしれません。
ただ看護の世界は実力主義のような所があるので、一般病院であれば大卒の肩書以上に臨床での看護実践力やチームワーク力といった人間性が高く評価されるように感じられます。
しかし大学もしくは大学病院等のアカデミック色の強い所では、間違いなく大卒等の方が有利に働くでしょう。
看護師国家試験合格率の違い
毎年、大学と専門学校の学生の看護師国家試験合格率が発表されますが、例年どちらも90%前後でほとんど違いはありません。
なので、大学に行ったから安心という訳ではないです。
余談ですが、大学か専門学校かというよりも卒業時の1回目の受験で合格できるか、どうかが重要になってきます。
1度落ちてしまい、2回目(次年度)以降の受した場合の合格率は、例年半分の40~50%です。
そのため、1回で合格することが大切です。
理由としては、1回目で落ちてしまうと、次の看護師国家試験までアルバイトや病院の看護助手などをして働きながらの学習となるので、勉強に集中する時間がもちにくいということが考えられます。
看護大学、看護専門学校どちらに行くにせよ、その後の勉強も頑張らないとね!
大学と専門学校のそれぞれのメリット・デメリット【まとめ】
私が働いていた病院は、病院附属の看護学校を持っていたがあったので、そこからの卒業生が多かったですが、大学卒の人も2~3割程いました。
私は病院附属の看護学校卒でしたが、大学卒の人との垣根みたいなものは全くなかったように思います。
ただ大学卒の方の話を聞くと、他の病院ではいろいろと肩身の狭い思いをしたこともあったようです。
きっと場所が大学病院であれば、状況は逆転していると思われます。
以下は、大学卒の方や専門卒の方など様々な人から頂いた意見を元に「大学と専門学校それぞれのメリット・デメリット」について私の意見をまとめたものです。
ぜひ、ご参考にしてください。
【大学を選択した場合】
【専門学校を選択した場合】
また共通事項としては、卒業すれば看護師国家試験の資格を得ることができます。
別の言い方をすると、現役生の場合は卒業見込み扱いで看護師国家試験を受験しますが、卒業できなければ看護師国家試験に合格しても取り消しされてしまいます。
看護大学を選ぶか、看護専門学校を選ぶか、またその中でもどこの学校に行くのか、選択肢は多岐に渡ります。
誰にも当てはまる正解はありませんので、自分しか正解は分からないのです。
いろいろ話を聞いて、逆に迷ってしまうけど、自分が何を求めているのか、自分がどんなことを実現したいのか、よく考えて選択していこうと思います!
そうですね。自分と向き合っていくことも進路を選択する上では、とても大切なことだと思います。あなたなら自分にとっきっとていい選択をできると思います。そして素敵な看護師さんになってください!
わたしは、自分が後悔の無い選択をするためにも、気になった学校の見学会などいくつか言ってみることをオススメします。
いくつか見ると「あっ、この学校なんとなくいいな!」「自分に合っているな!」と感じる学校があるものです。
そこから自分が何を大切な規準としてもっているのか気づくこともあります。
その気づきを大切にして、じっくり学校選びをしていきましょう。
あなたが望む学校へ合格して看護の道を歩まれることを心より願っています!
最後までお読みいただき、ありがとううございました!
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