関連図のうまい書き方のコツをわかりやすく解説!

関連図
学生N子さん
学生N子さん

学校で関連図って習ったんだけど、実際描こうと思っても書けないんだよね‥。

学生S美さん
学生S美さん

何でわざわざあんな面倒なことするんだろうね?だって、臨床の看護師さんは描いてないって言ってたよ。やっぱり必要ないんじゃない!?

こんにちは!ねこ太🐈です。

今回は関連図書き方について一緒に学んでいきたいと思います。

実はわたしも学生時代は関連図にはすご~く苦労しました

だから『関連図』って聞くと、拒否反応が出る気持ちよ~く分からります。

でも、まずは力を抜いて、フラットな気持ちで1つ1つを一緒に学んでいきましょう!

わたしは授業で学んだ関連図を学んだものの、実は演習や実習では必須ではなかったのですが、それでも毎回描くようにしていました。

なぜかっていうと、分からないまま終わるのが、何となく嫌だったからです。

でも、その苦労の甲斐もあって、今では関連図が大好きです(^-^)♪

確かに、臨床で働いてみると関連図って余り描かないんですよね。

今回はそのようなことも含めて、関連図基本から応用までしっかりそしてわかりやすく解説していきたいと思います!

 

 

関連図って何者なの?

まず、関連図って『何者』なのかという所から一緒に考えてみましょう♪

関連図とは、教科書などには数行に渡って細かく書いてありますよね。

まずは『ある時点における対象者の状況を表したもの』なんだな~と覚えておきましょう。

そして『関連図』という言葉を使う時に、大きく分けて2種類あります。

それは『病態関連図』と『全体関連図』です。

『全体関連図』の方は『全体像関連図』と言われることもあります。

一般的に『関連図』というときにはこの『全体関連図』のことを指して用いることが多いです。

では、この2つについて、順番に解説していきますね!

病態関連図とは何か

1つ目の『病態関連図』は、その名の通り、病態に特化した関連図です。

もう少しわかりやすく言うと、『ある疾患』について、まず「どういったことが原因でその疾患になるのか」、「その疾患になったらどういった症状があらわれるのか」の2点を中心に機序を描いていきます。

さらにそこに、「どういった検査をするのか」「どういった治療をするのか」「どういった看護をするのか」の3点を追加していきます。

これが『病態関連図』です!

この図は少しざっくりしていますが、わたしはこんな感覚で理解しています

どうですか?

決して難しいものではないですね♪

病態関連図とは

『ある疾患』について、疾患の原因と結果(症状)までの機序を中心として、検査治療看護を書き加えたものを病態関連図という。

学生N子さん
学生N子さん

そうか‥この『病態関連図』はまさに疾患の知識そのものですよね。

学生S美さん
学生S美さん

なるほど~。それじゃあ‥疾患について分かっていないと、書けないってことですね。

ねこ太先生
ねこ太先生

その通り!疾患に関する知識、それが病態関連図の正体です!

そして病態関連図を書けるということは「疾患に関する知識がよ~く身についている」ことを意味しています!

実習の指導者さんや学校の先生は、あなたの書いた病態関連図を見て、患者さんを捉えるための準備学習ができているのかを確認している訳です。

授業で疾患に関する知識を学んだとしても、知識が断片的なもので、お互いに関連して理解していなければ、『アセスメントに活用できる知識』にはなりませんよね。

しかし、病態関連図を作成することで、「何でこの症状がでるのか?」「なぜ検査結果がこのようになるのか?」といった因果関係を明らかにすることができます。

このように因果関係が分かることで、授業で一度学んだ頭の中の1つ1つの知識が結びつき、活性化されていきます。

学生N子さん
学生N子さん

なるほど。テストでただ答えられる知識では足りていないから、それを使いこなすために病態関連図は有用なんですね。

ねこ太先生
ねこ太先生

そうです。なので、逆に言えば、しっかり疾患に関する有用な知識をもっていれば、病態関連図はそんなに難しくなく書けるということでもあります。

学生S美さん
学生S美さん

:そうしたら、病態関連図をしっかり書いて、指導者さんや先生にちゃんと準備できてますよ!ってアピールしないとね~♪

ねこ太先生
ねこ太先生

その意気込み、良いですね~♪きっとそういった前向きな思いも皆に伝わりますよ。わたしも何だか元気をもらった気がします。

 

全体像関連図とは何か

もう1つの『全体関連図』とは、『少~し簡略化した『病態関連図』に対象者の状態・状況を描き足したもの』と、まずはザックリと覚えておきましょう!

なぜ病態関連図を簡略化してよいかというと、それは病態の細かな機序よりも、疾患をもって生活している、その人の状態・状況を重要視するからです。

「少~し」というのが気になるかもしれませんが、これは感覚的な理解でよいです。

例えば、病態関連図であれば、自分が調べた範囲で、理解できているのであれば、どこまでも深く書いて良いです。

どのくらいかというと、極端に言えば‥医学部の研究レベルで明らかになっていること、医師でも専門家レベルでないと分からないくらいのレベルでも、自分が分かって説明できればOKですよ。

でも、素直に考えてみて、医学に関するマニアックなレベルの知識は看護師に必要ないですよね。

なので、看護師が理解できるレベルで、機序として繋がりが分かるレベルで書ければOKです。

では、ここで今までの事について、一つ例を挙げてみましょう!

食事摂取→血糖値上昇→インスリン分泌→GLUT4が働きにくい→組織が糖を利用できない→組織で蛋白質・脂肪分解→アミノ酸・グリセロール上昇→糖新生→さらなる高血糖

食事を摂取してから、高血糖になるまでの機序の中で、「GLUT4が働きにくい」ということろが出てきました。

実はこの『GULT4』といのは、グルコースを細胞の中に運ぶ輸送隊のことで、インスリン抵抗性の強い2型糖尿病の人はこの『GULT4』が働きにくくなっていることが言われています。

でも‥、このGLUT4というところまでは、そんなに難しくはないですが、看護師に求められるレベルかというと、医師や薬剤師のレベルということになります。

なので、「GLUT4が働きにくい」という部分は、看護師の病態関連図には入れなくてもよいと判断します。

また、この「組織で蛋白質・脂肪分解→アミノ酸・グリセロール上昇」といった部分については、実は糖新生の中身でもあります。

つまり、あえてそこまで細かく書かなくても、『糖新生』の一言で通じる部分でもありますので、「組織で蛋白質・脂肪分解→アミノ酸・グリセロール上昇」は全体関連図を描く場合であれば、省略してもよいだろうという判断をしていきます。

あくまで、感覚的な部分でもありますので、そんなに厳密でなくてよいですよ。

わたしが目安にしているやり方を紹介しますね。

関連図に入れるかどうかの目安

病態関連図・・看護師が知っていた方がよいレベル

全体関連図・・同じ看護学生に説明したときに関連性が十分に分かるレベル

また、『全体関連図』の『対象者の状態・状況』は、具体的に言うと、『身体面』『心理面』『生活・社会面』の3つの側面を意識して書いていくと分かりやすいです。

学生N子さん
学生N子さん

なるほど‥ここまでは何とか分かりました!でも描けるか?と言われると自信はないです。

ねこ太先生
ねこ太先生

いいですよ~まず「そうなんだな~」くらいで十分です!書き方もこれから一緒にやっていきますから心配しなくていいですよ!理解しようと考えるのも疲れるので、休憩しながらでもいいですからね。ゆっくり楽しく学んでいきましょうね♪

 

何のために関連図を書くのか?

学生S美さん
学生S美さん

何のために関連図を描くのか‥やっとわたしの疑問が解けるのね!

学生N子さん
学生N子さん

でも、今までの事から答えは出てるんじゃない?病態関連図は自分持ってる疾患の知識を活用できるレベルにまでするためだし、全体関連図はその範囲を広げた訳だから‥。う~ん、何だろう?

ねこ太先生
ねこ太先生

いいですね~。もうほとんど答えになっていますね。全体関連図は病態だけでなく、対象者の状態・状況にまで範囲を広げる訳ですから、『対象者に対する理解を深める』ことを目的としています。

もう少し補足すると、対象者について何でも知ればいいという訳ではなく、看護的な視点から理解を深めるということが大切です。

なので、『対象の状態・状況』というのは『身体的側面』『心理的側面』、そして『生活・社会的側面』を意識して考えていくと良い訳です。

そのようにして、関連図を書いていくと看護上の問題(ウェルネス型も含めて)、つまり看護診断も出てくると思います。

看護診断が出てくるということは、実はアセスメントをしていることと同じですね。

関連図を描く=看護診断が導きだされる=対象者の状態・状況を看護的な視点から理解できる

また病態関連図には疾患の発症につながった『原因(要因・誘因)』を書きます。

これが関連図を書いて明らかになることで、疾患の増悪・再発を防ぐための医療や看護にもつながっていきますね。

これも、結果的には先程と同じ様に看護診断(保健指導)にもつながっていきますね。

 

関連図がうまく書けないのはなぜ?

わたしも学生時代は関連図がうまく描けなかったので、よく分かりますが、今の学生に訊いても、『関連図がうまく書けない』理由は、わたしと同じ理由で、大きく2つあります。

一つは書き方が分からないという場合です。

しかし、これは戸惑うのも無理はありません

学校で習った方法で描こうと思っても、難しいため参考書を頼りに書こうとしますが、参考書の書き方と学校で習った書き方が違うということが起こります。

なぜかというと、実は『関連図の書き方』については、特に細かい部分は余りルールが明確になっていないということがあるのです。

細かいルールに関しては、そこの病院や学校さらには個人によって使いやすいように、ローカルルール(そこだけで通用するルール)が用いられ、工夫されていたりします。

ねこ太先生
ねこ太先生

実はわたし自身も、こういう風に書いた方が「分かりやすい!」「書きやすい!」と思っていることがあったりします。

きっと、他の人も皆もそう感じていて、それぞれの場所でローカルルールを決めているのかもしれませんね。

この『関連図の書き方ルール』については、この次で解説していきたいと思います。

次にもう一つの関連図がうまく書けない理由は、『疾患についての知識が十分に身についていない』ということが挙げられます。

まさに病態関連図の部分ですね。

実は知識を活用するって物凄く高度なことなんですよね。

別の言い方をすると、単なる理解ではなく、『深く理解する』ともいえます。

学生の場合は、まだ疾患の勉強も十分にできていない中で関連図を書く場合がほとんどですから、疾患の勉強をしながら‥ということになり、2倍大変な訳です。

しかしながら、病態関連図を書くということ自体が深く理解するための勉強ですので、多少苦労するのは仕方ない‥とも言えそうですね。

これについてはこれから詳しく解説していきますので、

関連図の書き方のルール

先程お伝えしたように関連図の書き方のルールは、人によって若干違います。

今回は、そういった実情も含めて、あなたが関連図を活用していくのに困らないように、いくつかの参考書に書かれているメジャーな形式での書き方基本ルールとして紹介してこうと思います。

実際に書く際には、ご自分の学校や職場のローカルルールに変更したり、ちょっと付け足しながら書くようにしてださいね。

しかし、基本的なルールというのはだいたい共通していますので、まずはそこをしっかり押さえておきましょう。

関連図の書き方の基本ルール2つです♪

順番に説明しますね!

始めの方で、関連図は『ある時点における対象者の状況を表したもの』とお伝えしました。

しかし、関連図を作成するという観点から、関連図を定義すると、『言葉と言葉の関連性を矢印を用いて表したもの』と言えます。

この言葉』の部分には、原則として1つの意味を表す言葉が入ります

これが1つ目の基本ルールです。

先の例で考えてみましょう。

食事摂取→血糖値上昇→インスリン分泌→GLUT4が働きにくい→組織が糖を利用できない→組織で蛋白質・脂肪分解アミノ酸・グリセロール上昇→糖新生→さらなる高血糖

ここで、『食事摂取』や『血糖値上昇』というのは、1つの意味を表しています。

それに対して、『蛋白質・脂肪分解』は、『蛋白質の分解』と『脂肪の分解』という2つの意味が入っています。

そのため、この場合は基本的に2つに分けて書くというのが原則になります。

学生N子さん
学生N子さん

なるほど‥『蛋白質の分解』と『脂肪の分解』の2つに分けて書くように、何でも1つ1つ分けて書いた方がいい訳ね。

学生S美さん
学生S美さん

でもさ~やっぱり面倒じゃない?大切なことならいいけど、ちょっとしたことだったらまとめて書いても良いような‥

ねこ太先生
ねこ太先生

そうですよね。そういった事もありますよね。なので、比較的細かなことに関してはまとめて書いている参考書も沢山あります。言葉が時代と共に移り変わるように、暗黙のうちにルールも変わっていっているのかもしれませんね。

次に、関連図の定義である『言葉と言葉の関連性を矢印を用いて表したもの』の中の『矢印という部分に着目してみましょう。

この矢印の使い方が2つ目の基本ルールです。

矢印はどのように使うかというと、これも余り明確に書いていない文献が多いですが、3つのパターンがあることを覚えておきましょう。

 

(パターン1)因果関係

1つ目は因果関係原因から結果に向けて矢印を引く場合がそうです。

先の例であれば、『食事摂取→血糖値上昇→インスリン分泌』の部分がそうです。

食事摂取』ということが原因で、その結果として『血糖値上昇』が起こります。

また『血糖値上昇』ということが原因で、その結果として『インスリン分泌』が起こります。

 

(パターン2)「影響を与えるもの」から「影響を与えられるもの」

2つ目は「影響を与えるもの」から「影響を与えられるもの」に向けて矢印を引く場合です。

食事摂取→血糖値上昇』についても、『食事摂取』が影響を与えるもので、『血糖値上昇』が影響を与えられるものとしても捉えられるので、ある意味では因果関係も含んでいるとも言えます。

ここでは別の事として、説明します。

始めの方で、『病態関連図』とは『ある疾患』について、疾患の原因と結果(症状)までの機序を中心として、検査治療看護を書き加えたものと説明しました。

この『治療』『看護』という部分がまさにそうです。

先の例で『さらなる高血糖』という部分がありますが、これに対する『治療』として『血糖降下薬の内服』ということがありますが、これを関連図に表すと以下のようになります。

食事摂取→血糖値上昇→インスリン分泌→GLUT4が働きにくい→組織が糖を利用できない→組織で蛋白質・脂肪分解→アミノ酸・グリセロール上昇→糖新生→さらなる高血糖←血糖降下薬の内服

こういった治療については文献によっては矢印を逆に書いているものも見受けられますので、ご自分の学校や病院のルールに合わせて変えていってくださいね。

 

(パターン3)物事の流れ(機序)の順番

3つ目は物事の流れ(機序)の順番で矢印を引く場合です。

これもまた先の例であれば、『インスリン分泌→GLUT4が働きにくい』の部分がそうです。

これは、『インスリン分泌』によって『GLUT4が働きにくい』という訳ではありません。

間に言葉を補うとすると、『インスリン分泌したけどGLUT4が働きにくい』となります。

ここではたまたま逆接の接続詞が入りましたら、当然『そして』などの順接の接続詞が入る方が多いです。

よく見られる間違い

学生の中には、矢印に対して矢印を引いている関連図を見かけたりしますが、そういったことはしませんので、気を付けていきましょう!

 

このような場合は、以下のように矢印を描いていきましょう!

 

学生N子さん
学生N子さん

なるほど~矢印には3つのパターンがあるのね!実際に自分が書く時にはできるか‥まだちょっと不安だけど、頑張ってみようと思います。

ねこ太先生
ねこ太先生

矢印も1パターンだけだったら良かったのですが、どうしても3つになってしまいました‥。話も長くなってしまったので、ここで関連図の書き方の基本ルールを下にまとめておきますね。

関連図の書き方の基本ルール

関連図とは『言葉と言葉の関連性を矢印を用いて表したもの』として以下のことが言えます。

1.『言葉』の部分には、原則として1つの意味を表す言葉が入る。
*些細なこと、細かなことはまとめて書いてもOK。

2.矢印の使い方
因果関係で原因から結果に向けて矢印を引く。
「影響を与えるもの」から「影響を与えられるもの」に向けて矢印を引く。
物事の流れ(機序)の順番で矢印を引く。
*矢印が矢印に引かれることはしない。

ねこ太先生
ねこ太先生

ここまで、お疲れさまでした!またお読みいただき、ありがとうございました!

次からはいよいよ書き方の実践編に入っていきたいと思います。少~し疲れたという方は無理せず、休憩等をとってくださいね!

関連図のうまい書き方、コツを伝授!

ねこ太先生
ねこ太先生

それでは、ここからいよいよ関連図を実際に書いてみたいと思います!

学生N子さん
学生N子さん

それなら、脳梗塞の事例がいいです!だってこの前の実習で脳梗塞の患者さんを受け持ったとき、よく分からなくて患者さんに申し訳なかったから‥。しっかり頑張りたいです。

学生S美さん
学生S美さん

わたしも前の実習では誤嚥性肺炎の患者さんだったけど、既往歴に脳梗塞があったし、脳梗塞って難しいから、それがいいです。

ねこ太先生
ねこ太先生

関連図を書いてみるといっても、あくまでも書き方例で‥全部ではなくて極一部ですが‥できる限り脳梗塞の事例で書いてみましょう!

脳梗塞の関連図については、また別の記事にして載せていきますから、完成したらご覧ください♪

関連図のうまい書き方・コツ(その1)どのように書き始めるのか?

どこからどうやって書き始めていいのか、迷いますよね。

全体関連図』を書く場合も、まずは『病態関連図』の方から書いていくのがコツです。

病院に入院している人、在宅で療養されている人、どちらも看護師が関わるということは少なからず何らかの疾患を持っていることがほとんどです。

そのため疾患によってどのような影響があるのかを関連図に出していくためにも、病態関連図から考える方が思考の流れとしてもスムーズです。

わたしは、何度も書いていく中で試行錯誤して、以下に紹介する順序で書くようになりました。

関連図の書き方5ステップ

ステップ0.疾患の学習

ステップ1.配置をザックリと決める!

ステップ2.『対象者』から『症状』までを書く!

ステップ3.症状による『影響』を考える!

ステップ4.『成長発達段階による影響』『既往歴』『生活背景』を追加

ステップ5.最終確認!

ステップ0.疾患についての復習をサラッとしておく!

復習するときのポイントは、これから病態関連図を書く訳ですから、「この病気の原因は何だろう?」など『原因』『病態(機序)』『症状』『検査所見』『治療』を意識しながら、復習することです。

根を詰めてしまうと、先に進まないので、まずは30分から1時間くらいでザックリと復習し、関連図を書きながら部分ごとに復習しながら進めていけるとよいです。

学生N子さん
学生N子さん

確かに、ちょっと復習するつもりが、分からないことを調べ始めると、いつの間にか何時間もかかってる時あるよね。

学生S美さん
学生S美さん

そうかな‥わたしは数分で終わっちゃうけど♪

学生N子さん
学生N子さん

それはそれで、逆に心配なんだけど‥。もう少ししっかり復習した方がいいんじゃ‥。

 

ステップ1.配置をザックリと決める!

ザックリと書くときに大きな『矢印の流れ』の方向を考えておくことをオススメします。

わたしの場合はA3でもA4でも用紙を横にして使いますので、『左側から右側』に流れていくように書いていくタイプですが、別に上から下でも、何でも構いません。

 

 

学生S美さん
学生S美さん

関連図を書いていて、最後の方は書くスペースがなくなってくるのよね‥。

学生N子さん
学生N子さん

そうそう!できた関連図をみていたら、変に片方に偏っていたりすることもあるよね。

ねこ太先生
ねこ太先生

そうですよね。そういうリスクを減らすために、始めに「どこにどのくらい書くのか」だいたいの位置を決めた見取り図を描いておくと良いですよ!

例えば、同じ脳梗塞でも、急性期では治療や合併症のリスクの部分が多くなるので、『疾患』~『症状』の部分を広くとっておくと良いでしょう。

それに対して回復期であれば、リハビリを主軸として社会復帰を目指していくため、「『身体面』『心理面』『生活面』がメインになってきそうだな~」と予測を立てて、右側を広くとるような配置を考えていくとよいでしょう。

 

ステップ2.『対象者』から『症状』までを書く!

ステップ1でだいたいの位置が決まったら、『対象者(Aさん、性別、年齢)』を書いて、そこから疾患、さらにいくつかある症状に向けて、機序を書いてみましょう。

例えば、Aさんが脳梗塞によって、『右片麻痺』が見られているならば、その間の項目を出して、機序を明らかにしていきます。

ねこ太先生
ねこ太先生

省略の所には、どんな項目(言葉)がでるでしょうか?

学生N子さん
学生N子さん

まずはAさんが脳梗塞になった原因だから、「高血圧」とか、「高脂血症 」とか‥じゃないですか?そういったものの中から、実際のAさんの情報と照らし合わせていくんですよね。

学生S美さん
学生S美さん

次は、脳梗塞にはいろいろなタイプがあるから、「血栓性」なのか、「塞栓性」なのか、それと「血行力学性」なのか!ですよね~。

ねこ太先生
ねこ太先生

2人とも、脳梗塞についてよく復習できていますね!それに関連図のこともだいぶ分かってきたんじゃないですか。素晴らしいですね。

他にもいろいろ症状がありますが、実際にAさんに表れている症状を同じように書いていけば、Aさんの関連図ができていきますね。

今回は、事例を提示していないので、脳梗塞の原因までは特定できませんが、実際の実習では原因が不明な場合も多いと思います。

また今の所は症状が出ていないけれど、増悪が見られれば、新たな症状が出てくるといった可能性もあります。

まだ情報がないため不明』『リスクがある』など、そういった場合は点線(ローカルルール)などで表しておいても良いと思います。

 

ステップ3.『症状』による『影響』を考える!

ねこ太先生
ねこ太先生

ここでいう『影響』というのは、始めに説明した『身体面』『心理面』『生活・社会面』といったことですが、実は『影響』の先にもう1つあります。何だか分かりますか?

学生N子さん
学生N子さん

その3つから、さらに看護診断まで導き出すってことですか?

ねこ太先生
ねこ太先生

その通りです!『影響』までで終われば、その人の『状態・状況』が見えてきますが、さらに『看護診断』が出てくると、その人がどういった看護を必要としているのかまで見えてきますね。

 

ステップ4.『『成長発達段階による影響』『既往歴』『生活背景』を追加!

ここまで、病態関連図を中心に全体関連図まで広げてきましたが、Aさんは『病気を患った人』ではありますが、それだけではありません。

言い方は変ですが、Aさんは『Aさんらしい人』なのです。

Aさんの看護を考える上では、対象者の現疾患だけでなく、その他にAさんらしさを表す大切な情報も入れていく必要があります。

主に、『成長発達段階による特徴』『既往歴』『生活背景』の3つです。

『成長発達段階による特徴』については、例えばAさんが成人期であれば、仕事を中心とした社会的役割、家族(結婚、子育て)に関する内容を入れていきます。

『既往歴』については、その疾患による影響、治療に関する情報を入れていきます。

最後の生活背景については、Aさんがどういった生活を送っているのかに加えて、なぜそういった生活を送っているのかといったAさんの思想や価値観なども含めていきます

ねこ太
ねこ太

『成長発達段階による特徴』『既往歴』『生活背景』が、今のAさん‥今の入院生活今後の生活にどういった影響を与えているのかつなげていきましょう!

 

ステップ5.最終確認!

対象者に見られる症状は全て関連図の中に入ったでしょうか?

対象者に起こりうる問題は考えられるものは全て出し切ったでしょうか?

ステップ1~4で書いたことをもう一度よく確認をして、必要に応じて追加・修正をしていきましょう。

わたしの場合は、まずは流れに任せてどんどん書いていきますが、最終確認で意外と追加することが多いこともあります。

最後まで油断なく、自分が捉えた患者さんの全体像をしっかりアピールしていきましょう♪

 

関連図のうまい書き方・コツ(その2)未来を予測して書く

関連図は、『ある時点における対象者の状況を表したもの』と説明しました。

ここでいうある時点の状況というのは、『実際に起きている事』はもちろんのこと、『未来に起こりうる事』も含みます。

つまり、『こういったことが起こりうる状況』という訳です。

もう少し具体的にいうと、『~(になるリスクがある)』『~(できる可能性がある)』という事です。

これが書かれることで、この合併症は今はまだ起きていないけれど、「注意していく必要があるぞ!」ということが分かります。

看護は少し先の未来を予測しながら観察したり、援助していくため、関連図はそういった意味でもとても有用ですね。

これは先程の『関連図のうまい書き方・コツ(その1)どのように書き始めるのか?』の「ステップ2.『対象者』の情報を元に『症状』までを書く!」でも紹介しましたが、点線(ローカルルール)などで表しておいても良いと思います。

関連図のうまい書き方・コツ(その3)各項目の関連性を意識する

『対象者』から『症状』そして『対象者の状態・状況』まで流れで書いていきましたが、実は必ずしも一直線ではありません

『ある項目』が別の流れの『ある項目』に関連していたりします。

『ある項目』が沢山の矢印を出している場合もあれば、逆に『ある項目』に沢山の矢印が入ってくる場合もあります。

沢山の矢印を出している場合
沢山の矢印が入ってくる場合

看護診断についても、同様に1つの看護診断が別の看護診断の原因になっていたりすることもあります。

またステップ4で書いた『成長発達段階による特徴』『既往歴』『生活背景』に関する項目が、ステップ3までに書いてきた項目のどこかに関連してたりもします。

そういったつながり』が、しっかりと書けているかを再度よく確認していきましょう!

 

良くあるNG例

入院経過を矢印でつなげていく(×)

矢印の使い方としては、先程『③物事の流れ(機序)の順番で矢印を引く』と説明しましたが、『入院経過』は機序(メカニズム)ではなく、ただの時間的な順序です。

基本的には機序で書くようにしましょう!

 

合併症で終わらない

合併症のその先も考えてみましょう!

カン子さん
カン子さん

合併症の症状だけではダメなのかな?

ねこ太
ねこ太

症状も大切な観察ポイントですね!

さらに合併症が起きた際に、今後どういった問題につながっていくのか?

それもぜひ考えてみましょう!

例えば、イレウスという合併症が起きたら、どうなるでしょう?

ナス美さん
ナス美さん

ごはんが食べられなくなる!

ねこ太
ねこ太

いいですね~。その通りです!

ごはんが食べれなくなって、栄養状態が悪くなったりするかもしれませんね。

他にも‥入院が伸びてしまったり、いろいろありそうです。

栄養状態が悪化すると、また別の様々な合併症につながっていくかもしれません。

そうすると‥

多くは網目のように様々な所へつながっていきます。

 

さいごに

関連図の書き方が分かっても、すぐに上手く書けないと思います。

わたしの方でも、いくつか具体的に関連図を作成して紹介していきますので、良かったら参考にしてくださいね♪

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

 

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