はい、こんにちは!ねこ太です。
本日はですね‥細胞の基本構造について、一緒に勉強していきましょう。
復習(水溶性と脂溶性)
始めに、水溶性と脂溶性について少し復習をしていきたい思います。
もう少し分かりやすく言うと、水に溶けやすいのか、油に溶けやすいのか‥ということです。
少し高校の化学の範囲になってくるのですが‥これを理解しておくと、細胞膜の構造や働きの理解が深まっていきますので、少しお時間をくださいね♪
極性分子と無極性分子
まず水分子はどんな構造をしてるかっていうと、上図にあるような構造をしています。
酸素原子と水素原子がお互いに電子を出し合って手を繋いでるんですね。
その中で、酸素原子の方が電子を引っ張る力が強い!
なので‥酸素原子の方に電子が寄っています。
そのため、電子(マイナスの電気)が多いので、酸素原子の方はマイナスの電気を帯びてます。
逆に、水素原子は電子を引っ張られてしまっているので、水素原子はプラスの電気を帯びてるんですね。
こういった形で‥一つの分子の中に、プラスの電気、マイナスの電気を帯びていたりするわけです。
こういったものを‥『極性分子』というふうに言います。
それに対して、油はほとんど電気的な要素を持っていません。
極性がない分子ということになります。
なので『無極性分子』と言います。
水 ⇒ 極性分子
油 ⇒ 無極性分子
水と油はまざるのか?
水と油は混ぜるとどうなるか?
水分子同士はお互いにプラスの電気とマイナスの電気とで引き合って強く結合していますので‥
まず水の中に油を垂らすと‥油はその水分子の間に割り込んでいけません。
その結果、水の上に油が浮く形となります。
厳密には‥油の方が重いので、油の塊が水の中に沈んでいきます。
逆に‥今度は油の中に水を入れた場合は、水分子同士でくっついて、水の塊が油の上に浮く形となります。
結局、どちらにしても、水と油は混ざらないということになります。
水溶性と脂溶性
水に溶けやすいという性質のことを水溶性もしくはですね親水性と言います。
どもどういったものが水に溶けやすいかっていうと、電気を帯びているもの、つまり水と同じ極性分子です。
アミノ酸のような分子もそうですが、塩(NaCl)のような電解質も極性分子に含まれます。
それに対して、油に溶けやすい性質‥これを脂溶性、もしくは疎水性という言い方をします。
油に溶けやすいものは‥もちろん油と同じ‥無極性分子です。
具体的には‥中性脂肪とかコレステロールっていったものがあります。
細胞膜の構造と機能
では、いま学んだ知識を基に細胞膜の構造と機能について考えていきましょう!
細胞膜というのは、リン脂質の二重層でできています。
そして、図のように‥リン脂質二重層の中にタンパク質がプカプカ浮いている‥そんな構造をしています。
リン脂質に関して言うと、1列ではなく、2列あります。
リン脂質の構造
リン脂質を1つ取り出して見てみると‥『リンの部分』と『脂質の部分』にわかれるわけですね。
『リンの部分』は、極性分子のようにマイナスの電気を帯びています。
なので、親水性で水に溶けやすい性質を持ってます。
それに対して、『脂質の部分』は無極性分子に当たる部分で、プラスもマイナスもどちらの電気も帯びていません。
なので水には溶けにくいね疎水性という性質を持っています。
つまり、リン脂質は1つの分子で、水に溶けやすい部分と、水に溶けにくい部分の両方を併せ持ってる‥特殊な分子ということになります。
細胞膜で二重層になってますけれども‥
親水性のある『リンの部分』が外側を向いて、疎水性のある『脂質の部分』が互いに向かい合う‥こんな構造をとっています。
人の体は60%が水でできてると言われますけども‥細胞の中も外も水だらけなんです。
なので、親水性の部分を外側に向けてですね、水に触れない部分をお互いに向かい合わせにして、二重の層を作っています。
流動モザイクモデル
そして、細胞膜を構成している『リン脂質』や『タンパク質』は、固定されておらず‥流動しています。
プカプカプカプカ浮いており、たえず位置も変わっているのです。
このことを『流動モザイクモデル』というふうに言います。
小片を寄せてできる模様のことを『モザイク』といいます。
確かに‥リン脂質やタンパク質が小さな破片のように見えますね。
この流動を実現してるのが‥このリン脂質の所に入っている『コレステロール』です。
これが‥流動性を作ってると言われています。
そういえば‥コレステロールが細胞膜の構成成分って栄養学で習ったかも‥。
糖鎖
そして、もう一つですね。
細胞膜の表面には『糖鎖』といったものがついます。
頭(あたま)に鎖(くさり)のようなものがついているわけです。
この『糖鎖』は、『細胞を識別する印』として働くんです。
「この細胞は自分の体の細胞だ」とか、そういったことを細胞同士が認識するための識別票みたいなものとして、に立ってるわけなんですね。
なので、免疫反応で言えば‥外界の異物が入ってきた際、細菌の表面についてる細胞の糖鎖を感知します。
そして、「自分の体のものじゃないな」っていうことで『抗原』として認識します。
細胞膜の透過性
そして最後に、細胞膜の機能として『細胞膜の透過性』について考えていきたいと思います。
さっきの『リンの部分』は実は『マイナスの電気』を持っているんですね。
そうすると‥隣り合う『リン脂質』同士は‥マイナスの電気なので反発し合うことになります。
なので、少し隙間があくわけです。
そして、隙間があるから‥物質は通りやすいということになります。
この細胞膜に、無極性分子である脂質が来た時‥どうなるか?
脂質は電気的な要素は持ってませんので、別にくっついたり、反発する力もありません。
『リンの部分』も間をスーッと通ってしまいます。
そして、その奥にある『脂質の部分』も難なく通り抜けます。
なので、脂質は細胞膜を通過しやすいということになります。
それに対して、水や電解質などの極性分子はどうかというと‥。
極性分子も、プラスの電気持っている場合、『リンの部分』にくっついてしまって、それ以上奥に入り込んでいくのは難しそうですね。
またマイナスの電気をもっている場合は、『リンの部分』のマイナスの電気と反発し合って、近寄ることも難しそうです。
じゃあ‥水とか電解質は細胞の中に入れないってことかぁ‥。
確かに、そうですね‥。
でも、実は別に抜け道があります。
リン脂質の部分は通ることが難しいのですが‥そこで登場するのが、タンパク質の部分です。
このタンパク質部分にはいくつか種類があって、特定のものしか通さないようになっています。
そして、こういった働きをするタンパク質部分を『輸送体』というふうに言います。
この輸送体に関しては、別のレッスンで詳しく説明していきたいと思います。
ぜひね楽しみにしておいてください♪
では、本日のレッスンも終わりにしましょう。
お疲れさまでした!
コメント